第2夜
どうも皆さん魔物。です。
クリスマスの為に書き下ろした短編小説になっております。
今回の話は第1夜と第2夜に分けて書いております。
こちらのお話は第2夜となっております。
~この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません~
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!」
はぁ...はぁ...。
嫌な...夢...。
夢...か...。
夢だった。
寝ていても身体はしっかり動いていたのか、布団やシーツがぐちゃぐちゃに散乱していた。
「どう...されました?」
叫び声を聞きつけたラファが扉の前からひょこっと顔を出していた。
「布団が吹っ飛んだ...なんて...ね。」
ラファはフフッと微笑んで、やれやれといった感じで歩み寄ってきた。
「嫌な夢でも見てたんですか?」
嫌な夢...嫌とかそういう次元じゃない。
リアルだった...やけに、リアルだった...。
まだ手に感触が残っているような気がする。
「あれは...自分の未来...なのか?僕は人を...殺すのか...?この...手で...?」
あんな感触はもう思い出したくない。
怖い。苦しい...。
「怖い...想いをしたのですね...。」
ラファはそう言って僕の手を握り、そっと抱き寄せる。
「大丈夫です。そんな事はさせません。あなたがそんな事をする人では無いのも知っています。」
温かい。
「そんな未来にしない為にも、私がいるんですよ。」
ラファは「えっへん!」と腰に手を当てて胸を張る。
そうだよな、ただの夢だ。
僕はその世界線の未来を知ったんだ、自分自身で変えようと思えば変えれるはず...だよな。
「...ありがとう、ラファ。」
「さ、朝ごはん出来てますよ。」
「あぁ。」
そうして食卓に着いた。
食卓には何故か和食が並べられていた。
炊きたての白ご飯の匂いと、食欲をかきたてる味噌の匂い。
更にはこれは...鮭?いい塩梅に焦げ目がついていて美味しそうだ。
というより、なぜ和食?
昨日の料理を見るに海外の料理みたいなのが出てくると思ったんだけどな。
「今日は和食?にしてみました!人からあまり作ってもらう機会がないかなって思いまして...上手く出来てると良いのですが...。」
「えっと。宗教的にと言うか、和食って良いの...?」
なんか、昨日、宗教上の理由で断られたこともあったので、いいのかなって少し心配になった。
「あぁ...別にクリスマス当日の制限とかは無いんですよ。まぁ、そんな事気にせずに食べちゃってください!」
なんか、宗教って難しいな...。
「あ、あぁ、いただきます。」
う、美味いぞ...?
何十年ぶりだろうか、人が作った和食を食べるのは。
ご飯は水っぽさがのこっているが決してべちょっと不快な訳では無い好きな状態!
更にお味噌は少し濃いめで具もワカメや玉ねぎ、豆腐と言う王道の3種!
鮭には少し焦げ目がついてい皮がパリッ身はホロッとな最高な状態!
あぁ...。やはり、美味しいご飯は最高だ...。
普段は朝食を食べないどころか自分でご飯なんか作らない。
適当にスーパーで買ったお弁当でお腹を満たし終了。
スーパーのご飯も美味しくないわけじゃない!
が、今!ここには愛情がある、手料理と言う名の愛情がッ!!
「なんか、凄く嬉しそうですね。」
ラファは僕の顔を見てニコニコしている。
「な、なんか...そんなに見られると食べにくいと言うか...。なんというか...。」
ラファはまたフフッと笑う。
「美味しそうに食べてくれるって嬉しいなって思いまして。あと、ご飯粒付いてますよ?」
そう言うと頬についたご飯粒を指でつまみそのままパクッと食べてしまった。
ボフンッ!!
遂に頭の中で恥ずかしさと尊さがはじける音がしてショートした。
今までに定義されていなかった感情の器に急に現れた感情を当てはめようとしているような...。
まさに|NullPointerException...。
「ガッ...!」
僕は5秒間気絶していた。
「えっと...。大丈夫でしょうか...?」
目を空けた時には目の前にラファの吸い込まれるような瞳があった。
「うぇ!?あ、だ、大丈夫!です...!えっと...。ご、ごはんごちそうさま!き、着替えてくる!!」
恥ずかしさと驚きで我を失い、そのまま外出の準備をしに行った。
————
———
昨日約束していた通り、いつも素通りしていたクリスマスツリーを一緒に見に来た。
クリスマス当日だ、当然外は騒がしく、昼間っからたくさんの人で賑わっている。
が、今はそんなのが目にはいらない。
だって、隣を見れば眼福なご尊顔があるから。
「わぁ〜。これがあなたが仰っていたクリスマスツリーですね?すごく大きいです!」
ラファは無邪気に笑っていた。
ツリーを見に来たのにツリーなん目にはいらない。
その後も、「ねぇ!あれは何ですか?」「これも!初めて見ます!」とラファはずっとはしゃぎっぱなしだった。
僕を癒しに来たんだよね...。
けれど、久しく人とこんなに話して、こんなに歩いた。
いつもなら煩いクリスマスソングも、うざったい人混みも、冷たい雪も、全てが今、この瞬間のためにもたらされた演出なんじゃないかって思える。
嬉しいし、楽しい...。
けれど、必然と終わりを想像してしまう。
これだけで終わってしまうのか?確かに癒された感覚はあるが、それでラファは目の前から去ってしまうのか...?
嫌だ...。
どこにも行ってほしくない...。
もう、独りに...なりたく...ない...。
「大丈夫ですよ。私が付いてます。」
突然手を引かれ、足が滑り、雪上に倒れ込む。
倒れた先にはラファがいた。
「独りだなんて言わないで下さい。私は神様ですよ。あなたがどこにいようと、どこへ行こうと、ずっと見ているんですよ。この世に独りだなんて全人類、有り得ないんです。」
冷たい雪の上。
だが、ラファの心からの温かみが身体に溶け込んでくる。
まるで、自身が雪になったかのように...。
「で、でも、僕が癒されたら、君は...ラファは居なくなる!いくら君から僕を確認できても、僕は君を確認することが出来ないじゃないかッ...!」
ラファは僕の頭を優しく、我が子の頭を撫でるかの様に...優しく撫でた。
「大丈夫です。私に任せて下さい。いい考えがあるんです...。」
それから1分の間は全ての時が止まったかのような時間だった...。
いや、ラファが時間を停めていたのかも、知れない...かな...。
————
———
「じゃじゃ~ん!これです!!」
良い方法があると言われたから付いてきたら...。
「羊毛フェルト体験...?」
羊毛フェルトってあの、針でチクチクしてぬいぐるみみたいなのを作るやつか?
「はい!これです!これでお互い好きなものを作って渡し合うんです!そしたらそれを私として認識していただければもうさみしくないでしょう?」
なんか、ズレてるっていうか...。
まぁ、思い出にもなるしやってみるか...。
って...2人で4000円...。
案外高い...。
「ほらほら!あなたもこっちに来てください!」
まぁ、しょうがないか。
そうして僕たちの羊毛フェルト体験が始まった。
「ん〜これ、結構難しいですね...。うまくいきません...。」
実際に案外難しい。
刺す回数で固まり方も違うし、刺してるうちに思ってたよりズレてたり...。
部位によって量も考えないと歪になる。
難しいけど、楽しい。
練習もある程度終わり、実際に自分の理想のものを作っていく。
『お互いの好きなもの』って言われても難しいな...。
「好きなものって言っても難しいな...ラファは何を作るんだ?」
ラファは作っているものをササッと隠して、『内緒です』とだけ言った。
何を作っているんだ...?
もしかして...、僕...?好きなもので...?
いやいや、落ち着け...有り得ない...。
と言うか、良く考えてみろ...?そんな事考えてる僕の方がラファの事を好きになってしまってるんじゃないか...!?
今まで感じたことがなかった好きという感覚...。
なんかムズムズするような、くすぐったいような、不思議な感覚。
自分が作るものは決まった...。
素直になろう、キモがられてももうしょうが無い、失うものは無し!!勇気を出せッ!!
そうして、僕は無心で針を差し続けた...。
————
———
無心で作り続けること1時間弱周りも日が落ちてきていた...。
そろそろ完成で良いかな。
ラファに声をかけようと顔を向ける————。
そこにはラファの寝顔があった。
すごく気持ち良さそうに「スースー」と静かで、けれどどこか無邪気な寝息が聞こえてくる。
朝から動きっぱなしで少し疲れたんだろう...。
僕を癒すことに全力を注いで気も使っていただろうし。
こうしてラファの寝顔をみていると普通の女の子なんじゃないかなって思えてくる。
けれど、時偶見せる聖母のような優しさと包容はやはり神様と言っても差し支えない。
いや、神様をみたことがある訳では無いが、この方は紛れもなく神様。
もし、本当に神様じゃなくても、僕にとっては神様だ。
「ラファ、ラファ。起きて。そろそろ帰ろう」
ラファの体を優しく揺すって起こす。
「ふ、あぁ...。って、私寝てました!?ご、ごめんなさい...。フェルトが完成したのは良いんですけど、あなたが一生懸命だったので、それを見ていたらそのまま...。」
そうか、待ってくれていたのか。
「あぁ、良いんだ。ところで、ラファは何を作ったんだ?」
ラファはそれを聞かれて少し頬を赤らめる。
やはり...これは...僕...?
「えっと...。これ...私からのクリスマスプレゼントです。」
手元に渡されたフェルト人形は髪が長く、髭が生えており、あまりにも自分自身とは似ても似つかないものだった。
「えっと...。これは...?」
ラファは頭にはてなマークを浮かべる。
「あれ?わかりませんか...?愛しのイエス様ですよ!人間にもわかりやすい様な容姿の時のです!このお髭とか再現度高いと思いませんか?」
そうだった...。
あくまでも、キリスト教の神様だった...。
「やれやれ...」と思いながらも目をキラキラと輝かせながら説明する様をみて許せてしまった。
「そんなあなたはどうなんですか?何を作ったんですか?見せてください。」
おっと、そうだよな...。
勢いで作ったの良いけど、見せる...言うか渡すんだよな...。
「えっと...その...。なんていうかな...。」
「そんな勿体ぶらないで下さいよ!」
と少し強引に手にあるものを覗く。
ラファの目に飛び込んだのはラファの今の仮の姿自身だった。
「わぁ!これは私ですね!良く出来てるじゃないですか!神への献上品として認めましょう!」
献上って...。供物でもないし、まだ信仰してるわけじゃないんだが...。
「フフッ。でも、嬉しいです。」
海外の供物とかってお金みたいなイメージがあったけど、こう言うのでも喜んでくれるんだな...。
「何ですか?神でもこう言うのは嬉しいものですよ...?さ、もう帰りましょう。お腹、空いてますよね?」
そうだな、長いこと歩き回ったし、お昼も少しカフェでお茶した程度だった。
いい感じにお腹が減る頃だ。
「そうだな。帰ろうか。」
そう言って帰路についた。
空はすっかり暗くなって、街のイルミネーションが点灯している。
昨日までは、このイルミネーションもギラギラしていて、まるで独りの自分を嘲笑うかのように思えた。
まちの喧騒も、クリスマスソングも全て自分自身をコケにしているようで...。
けれども、今は違う、この光も喧騒もクリスマスソングも全て、今、この瞬間を祝っているように思える。
「ねぇ、結局、何で僕は人を...。刃物を持つことになるの?」
それは純粋な疑問だった。
「それは...。」
何か話したくないことでもあるのだろうか...けれど。
「いや、気にしないで良いんだ、話して欲しい。全部。」
「はい...。」と言うとラファは話し始めた。
————
——
来年のクリスマスの日、あなたはいつものように疲弊し、家に帰路します。
ベットに倒れ込みあなたは考えます。
『自分はなぜ孤独なのか』『自分はこの世に必要では無いのではないか』『こんな世界で生きているならもっと誰か見て欲しい』『誰かの愛が欲しい...。』
それから、あなたは先程外を歩いていた時の景色を思い出します。
『あいつらが幸せなのはおかしい』『こんなの不公平だ』『なら、同じ土俵に連れ込んでやろう...』
そして、ベットから起き上がり、無意識に握ったのはキッチンにあった包丁でした...。
————
——
「あとは、私が話した...あなたが見た夢と同じです。」
そう...か...。
嫉妬...か...。
「けれど、私はそんな事させません、あなたが殺す人々も、あなた自身にも罪はありません。罪なき人を救うのが、私、私達神の役目です。」
正直、言われたことに驚きはない。
未来のこととは言え、心当たりはある。
けど...。
「けど、もうそうならないような気がする。だって、ラファから貰ったこのイエス様がずっと見てるからね。」
ギュッギュッと言う新雪を踏む音が、いつもより2倍聞こえて来る。
隣に誰かが居る。
それってこんなに嬉しい事なんだと。
シンシンと雪が降り肌寒い帰り道。
心は温かかった。
—————
————
「というわけで、いっぱい用意しました!メリークリスマ〜ス!」
目の前にはご馳走、そう、未だかつてないほどのご馳走が目の前に並んでいた。
ローストターキーにパンプキンパイ、マッシュポテトやパンとか野菜が詰まったやつ。
この量のご馳走を乗せられて、机は少し苦しそうに感じる程だ。
「と言うか、毎回どうやってこんな量の料理を作ってるんだ...?」
確かに料理している感じだし、ちゃんと食器とかも自分の家のものを使っている。
どこからともなく出てきって言うわけでもない...。
「そこは...まぁ、神の力ですかね...。」
便利だな、神の力。
「ささ、たーんと食べちゃって下さい!」
食べる...食べたい。
けれど...これを食べたらもう終わり...。
楽しいひとときはまた、苦しいひと時に変わっていく...。
「...。辛気臭い顔しないでください。」
いや、わかってる、今はこの人形もあるし、未来も知った、もうそんな事ならないようにってわかってる。
けれども、やっぱり、いざ別れを想像すると胸がキュッと苦しくなる。
ちゅ...。
「あなたに祝福を...。」
...!?!?
今、何が起きた!?
お、おでこ!?おでこに柔らかく温かい感覚が...。
え、今キスした!?おでこに!?
あ、え...あガガガが。
たかがおでこへのキス、されどキスはキス。
艷やかで、薄いピンクの吸い込まれるような柔らかい唇が、僕のおでこへ激突したんだ...。
混乱したまま、そのままご馳走を口に放り込む。
正直、味はあまり感じなかった。
けど、美味かった。
「そ、相当かきこみましたね...。大丈夫ですか...?」
お、お腹が苦しい...。
「あ、あぁ、大丈夫だ。ちょっとお風呂入ってくるよ。」
今日は良いかな...。
「あ、いや、1人で入って来るよ。」
——————
————
カポーン。
何だかんだこの二日間、厳密には一日とちょっとだけど、何だか凄く疲れた気がする。
けど、その疲れは嫌な物じゃない。
子供がいっぱい遊んで電池が切れた時みたいなあの感覚。
大人になってからなかなか味わう機会なんてなかった。
確かに、別れるのは惜しい。
けど、このまま依存するってのも違う気がする。
信仰も恋愛も一緒だと思ってる、盲目になって盲信し続けても何も起こらないし、誰も進歩しない。
けれども、相手が望んでいるのは共存や一緒の進歩。
であれば自身は自立していて、お互いが求めているときに求めているものを提供する。
盲信して、縛られている時は一番苦しいのは自分自身だ。
最初の恋愛は...。好きな相手には、笑顔で安心して旅立ってほしい。
自分の為にも、相手の為にも、自立する。
そうしよう。覚悟は決まった....。
風呂から上がったら布団が綺麗に敷かれている。
この生活ももうおさらば。
短いような長いような。至福のひと時だった。
用意された布団に身体をうずめる。
少し布団は冷えていて、少し身震いしてしまうような冷たさがあった。
そこへ...。
「お隣、失礼しますね。」
そう言ってラファは布団に入り込んでくる。
「今日で、最後です...。魂を見るにだいぶ状態は和らいだようですね....。」
ラファの顔が目と鼻の先にあり、言葉を発する度に暖かい吐息が当たる。
「そ、そう...。...。ありがとう。ラファのおかげで人生で一番楽しい時間だった。」
寝て起きたら居なくなるのだろうか。
「ラファはいつ居なくなるの?」
聞いてしまった。
「あなたが深い眠りにつくまでです」
最後の...。
最後の願い...。
「最後に...。抱きしめていてくれないか?僕が眠るまで。」
それを聞いたラファは一言も発さずにゆっくりと手を伸ばして、僕の身体を包み込んでいく。
暖かい。安心する。
ラファの鼓動...は感じられないが、匂いや温かさが教えてくれる。
『私はここにいる』『心配しないで』と。
ゆっくりと瞼が重くなり、次第に意識が遠のいていく...。
心も体も包まれて、幸福で満たされていく...。
「|تصبح على خير《おやすみなさい》」
——————
————
一年後——————。
結局、あれから仕事も変わらず忙しいし、別にいい人と出会えたわけではない。
何も変わらず過ごしている。
変わったことといえば、このフェルトの人形がこの世界に引き戻してくれる.....人形という手掛かりがあるということ。
肌寒く、慶祝ムードでうるさい街並みを抜けて自身の家へと帰る。
ガチャ——————。
前みたいに鍵が開いている事を期待している自分が居る....。
ギギィ————。
軋んで少し重たい鉄扉を開ける。
「ただいま....。」
誰が居るわけでも無いのに「ただいま」はやはり、言ってしまう。
前と違うのは、「返ってくるかも」という淡い期待。
ギギィ————。
扉が閉まり始める....。
バンッ!
扉が閉まらずに、誰かに、意図的に止められた。
ラファかもしれない、けれども、違うかもしれない....。
最高と最悪を考えてゆっくりと振り返る。
腰には見覚えのある人形の姿があった。
「間に...合いました....ね...。」
そこにはラファの、あの時見たあの姿だった。
「ラファ!?なぜここに!?」
少し期待していたし、うれしい気持ちもあったが、それを押し殺して、「なぜ!?どうして!?」と演技する。
「何と言いますか....。なんか心配で来ちゃいました...。なんかあなたはどうしてもほっとけないといいますか...。」
そんなにだらしない男に見えていたのか...?それはそれで少し傷つく。
けれども、この年は他に癒しの対象が居るんじゃなかったか...?
「って言っても、他に仕事があるんじゃ...。」
ラファは「そのことなんですが....。」と続けて説明をした。
「その...。速攻で終わらせてきました。今年はそんなに魂が濁ってなくて、早く終わったのであなたの元にと...。」
もしかして、ラファは僕のことを好きなのではないか?
もしかしたら、夫婦と言う関係も夢ではないのではないか???
.....。
「ぼ、僕....。あなたが....ラファの事が好きだ!!!結婚して欲しい!!」
これは下心とかではない。
純粋な好きという気持ちだ。
「えっと...。その...。」
ラファは急に言われた事で少し頭の処理が追い付いていないようだった。
「結婚っていうのもいきなりは無理かもだけど、まずはお付き合いから....。」
間に耐えられず言葉を挟んでしまう。
「えっと....。ごめんなさい....」
ごめん....なさい....。
あ....え゜?
「その...。あくまでも私は神であって...神様と人ではそういう関係にはなれません...。」
あぁ....そうだよな...そうなんだよな....。
淡い期待をしていた自分が悪いんだよな...これは....。
「ですが、私ともっと会える回数を増やす方法がありますよ....」
なんだよそれ....。
神様とはそういう関係にはなれないって言ったばかりじゃないか!
「な、なんだ....?」
けど聞きたい。
「それは....」
もったいぶらないでくれ!
「それは....?」
「入信することです!!」
彼女の、ラファの純粋無垢な笑顔が、どんな明るいイルミネーションの飾りよりも眩しく見えた。
~fin~
皆さん!メリークリスマス!
魔物。でございます。
今回のお話はどうだったでしょうか?
そして、皆さんはどんなクリスマスを過ごしましたか?
今回のお話で共感や癒しをプレゼント出来ていればと思います!
では、またどこかでお会いしましょう。




