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君を飼っても良いですか?  作者: 黒井みやこ


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7/15

7-昼寝


 訓練時は徹底的に厳しくて、それ以外は徹底的に易しくした。


 日常に関しての世話は限界までして、食べたいものがあれば優先して、栄養バランスを考える必要があったら自ら料理して。

 とにかく私は、彼を甘やかした。


 嫌われたくないのと、笑って欲しいのと、幸せになって欲しいのと。

 後は、傍に居たい。

 そんな、自分本位で勝手な理由。


 あまり欲を見せない彼に、何か出来ないかといつも考えてしまう。


 そして甘やかした分だけ、訓練は厳しくした。

 身体に傷を作り、心が折れても続け、どれだけ疲弊しても一切手を緩めずに。

 多少壊しても、魔法で治して続行させて。徹底的に、徹底的に。


 そんな日々を数日続けたある日の昼間……。


 彼が、私の定位置であるソファの上で眠りについていた。

「あらあら」

 そう言って微笑みながら、だけど同時に小さな罪悪感を抱く。

 昼間にダウンするほどしごいてしまったらしい。


 もう少し優しくすべきだろうか。

 だけど、それが本当に彼の為になるだろうか。

 せめて時間があれば、もう少し丁寧に教えられるのに……。

 そう思い悩みながら、彼に目を向け――私は、あることに気付いてしまう。


 彼は薄着で、上半身はほとんど裸に近い状態だった。

 ドンと、心臓が胸を強く叩く。

 かあっと、頬が自然に紅潮していく。


 わかりたくなかったけれど、野郎が良く女性の胸とか尻とかを目で追う理由が、今なら理解出来る。

 本当に、本当に理解したくなかったけど……。


 見ているのは失礼だとわかっている。だけど、吸いつくよう目が離れない。


 それほどに彼の身体は美しくて、魔性で……。

 だからだろう。

 私の中のどこかから、淫靡な感情が疼き溢れる。


 彼を、自分だけのものにしたい。

 閉じ込め、独占し、道具のように貪りたい。


 そんな私を、私自身が否定する。


 生唾を飲み、静かに深呼吸。

 そして彼に毛布一枚をかけてから、私はその場を離れた。



ありがとうございました。



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