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第一章

ゲラゲラと笑ったり、茶化してきたりと次々に笑い出した。 「何だよ!」「別に落ち込んでなんかいないぞ!」 「急にどうした?」「いつもの不遜な態度とは違うよ」 「お前らしくない!」 「キモいからやめロー!」 「元に戻れー!」 「珍しく落ち込んでんのか?」 「俺が慰めてやろう!」


一瞬、慰めようとした自分がバカだったと思うような爆笑に、なんとなくホッした自分がいて、やれやれとやや呆れながら言う。

「笑っているのなら、何よりだな…」


お気楽でいいな。いつまでもそうであってほしいと願いつつ、アタシは告げた。

「ミッションは完了した」 「組織への報告データは、アタシの方で出しておくよ」 「もちろん、いつものように君達の手柄でね」


いくつかのやり取りをしてから通信を切ると、アタシは空を見上げた。

ハイテクで高く聳え立つ高層ビル群を縫うように、自動制御技術の完全版が導入された車が、行きかっていた。


「23世紀でも、あまり変わっていないと歴史を見ると思うけど、こうしてふとした瞬間を見詰めると、こんなにも変わっている」 「変わらないのは、人の過ちか、それとも負の感情なのか…」

ぼんやりと呟いた。


この世界は確実に変わっていた。

テロメア修復技術で人の寿命を政府が操作できるようになって、大問題になったり…

万能細胞の技術によって、使い捨ての生き物を作ったり…

厳しい情報規制が施行され、生命への尊厳が失いつつあった。

ハイテクによって人らしさが置いて行かれた弊害だった。


「今日もこうして、日々が続く…」「明日を手にしてー」

やや大きな声で、呟いた声は風に舞い、やがて空に吸い込まれていった。


家に帰ろうと、ふと下を向くと、硬いコンクリートの隙間から、クローバーが咲いていることに気がついた。

小さなクローバーで、すべて三つ葉だったが、それに対して笑いかけた。

「君達は、どんなことがあっても、生きることを諦めないんだな…」

「うん、分かっているさ。どんなに辛くても生きる」

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