第一章
特に反撃をすることなく生物を避けていると、不意に…
「ギャヒッ!」
真っ白な電気の塊が生物に投げつけらた。
ぶつかった生物は、感電して真っ黒に焼け焦げて落ちていった。
(ずいぶん、遅かった…)
若干、ムッとしたら、通信が届いた。
「援護するよ!」
今度は、明るい少年の声だった。
歳はアタシと変わらないその少年の容姿を思い出して、更に憎たらしくなり、つい、怒る。
「遅い!!」
「…何だよ。指示も出していないくせに!」その少年じゃない別の少年がそう抗議してきた。
その少年が割って入ってきたのを苦笑いで制すと…
「悪かったよ」「今は目の前の"敵"を倒そう!」
理不尽に当たったのに、彼は抗議することなく、苦情は後で聞くと優しく諭してきた。
紳士的な穏やかで大人の彼の態度に、アタシは自分に恥ずかしくなりつつ、何も言えないまま開きかけた口をつぐんだ。
アタシに執拗に向かってくる真っ黒い小型な生物たちの群れを、仲間の援護射撃ならぬ、援護電撃のおかげで追い払うことができた。
やりにくさと不愉快さでますます苛立ちながら、アタシは地に降り立った。
すっと着地し、”デバイス”を構えた。
「お前の攻撃は通じない!」「アタシたちに見つかった時点で、終わりだ…」
無傷で、息も上がらず。まったくダメージがない相手に、最初はいたぶれる喜びと悪意と憎しみを漲らせて、余裕だった”敵”は、自分の攻撃が一切通じない相手だと分かったようで、激しく動揺していた。
明らかに、混乱していた。




