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十六話 既知者と恋の芽生え

 代わり映えのしない毎日に、退屈を感じ始めたのは、わりと早い時期からだった。

 ロランは幼少の頃から何でも器用にこなす子どもだった。勉学も剣術もストレンジも、人に教わらずともひと通りこなしてしまう。そんな自分に早くから飽きが来ていた。


 周囲と心から交わることも少なく、ロランは一人で書庫に籠ることが多くなっていた。

 そんなある日、マラルメ国の王である父に呼び出される。


「後日、我が妹が息子を連れて、数日だけ帰国するそうだ」


 妹──つまりロランの叔母にあたる人物の名はエヴリーヌ。隣国ダルシアクの王妃である。

 彼女の息子といえば、確かロランと同い年だったはずだ、と記憶を辿る。

 子ども同士で遊ぶことが嫌いだったロランは、早くも憂鬱な気持ちに沈んでいた。

 幼い子どもが好む、意味も脈絡もない遊びに付き合わされるのは、どうにも我慢ならなかった。


「はじめまして、ロラン王子。私はスタニスラス・ダルシーと申します」


 初めてだった。同種の存在に、出会ったのは。

 スタニスラスは、他の子どもたちとはまるで違っていた。落ち着き払った物腰、博識な言葉選び。

 どんな話題を振っても、彼は遅れを取らず、ロランと肩を並べて語り合った。

 剣術も、ストレンジも、ロランは同世代には敵無しと思っていたが、スタニスラスには敵わなかった。


 敗北を味わったのは初めてだった。だが、悔しさよりも嬉しさが勝っていた。

 対等に話せて、しかも自分より優れた存在がいる。

 張り合いがあり、何より一緒にいて楽しかった。


 二人はすぐに打ち解け、様々な話を交わすようになった。

 そのなかで、スタニスラスには腹違いの弟たちがいることも聞いた。ロランは一人っ子だったため、兄弟がいるというだけで羨ましく思えた。


 だが、スタニスラスは「弟たちとはあまり顔を合わせることがない」と言い、特に末弟に至っては一度も会ったことがないと語った。


 奇妙な話にロランは疑問を抱いた。

 加えて、弟たちとは姓が異なることを知り、その理由を問うたが、当時、スタニスラスは答えなかった。


 十五歳となった今ならば、本人の口から聞かずとも察せられる。

 王家の姓を継いでいないということは、王位継承権が与えられていないことを意味するのだろう。

 スタニスラスだけが国王と同じラストネームを名乗っている理由も、きっとそこにある。


 ロランにとって兄弟とは未知の存在だった。だからこそ、もっと色々と知りたかったが、スタニスラスの様子から、それ以上問い詰めることは憚られた。


 それからは話題を変えることにした。

 多くのことを語り合ううち、彼には想い人がいることを知った。

 まだ候補の段階で、正式な婚約者ではないと言っていたが、いずれは必ず迎え入れ、結婚するつもりだと、まっすぐに語った彼の眼差しは揺るがなかった。


 その瞳は、子どもの戯れではなかった。

 一国の王子として未来を見据え、また一人の少年として、その少女を心から想っていることが、恋を知らないロランにもはっきりと分かった。


 容姿端麗で、博識にして剣もストレンジも抜きん出ている。

 まさに“王子の鏡”とも呼べる彼を、ここまで真剣にさせた少女とは一体どんな人物なのか。

 ロランの胸に、ほんの僅かにではあるが、確かな興味が芽生えた。


 その答えが明らかになるのは、ロランが十五歳となり、ダルシアク国へと留学してからのことだった。


  ロランとスタニスラスが再会したのは、彼の名が“スタニスラス”ではなくなってからだった。

 マラルメ国王から、これからロランの護衛を務める者として紹介された少年の名は、ジェルヴェール。

 ロランはすぐに気づいた。

 その冷たい眼差しの奥に、見覚えのある光を宿していた彼は、かつてのスタニスラスだと。

 ジェルヴェールは、あの頃とはまるで別人のようだった。


 あの日、面会の場で目にした彼の瞳は、氷のように冷たかった。

 当時の彼は、話しかけても淡白な反応ばかりで、取っつきにくく、とても好感を持てる相手ではなかった。


 その後、ロランは彼と共にマラルメ国最大のストレンジ学園に入学した。ダルシアク国の名門には及ばないが、それでも優秀な生徒が集まる由緒ある学び舎である。

 だが、学園生活を共にするようになっても、ジェルヴェールの冷たい態度に変化はなかった。


 容姿端麗な二人が並んで歩けば、それだけで人目を引く。

 気の早い令嬢たちは、すぐさま色めき立ち、何かと理由をつけて声をかけてきた。


 もし彼が“スタニスラス”のままであれば、ほどほどに愛想よく、当たり障りなく応対していただろう。

 けれど、ジェルヴェールは違った。

 どれほど美しい声で呼びかけられようと、どれほど思わせぶりに微笑みかけられようと、一切の関心を示さなかった。

 問いかけにも口を開こうとせず、ただ無表情にその場をやり過ごす。

 それすらも、“クール”と受け取られ、令嬢たちの間ではむしろ人気を博していたが。


「ジェルヴェール、お前はもう少し愛想良くできないのか」

「……苦手なんですよ、ああいうの」


 時間が経つにつれ、彼は少しずつロランにだけは心を開いていった。

 だが、これでは他に友達ができないのではないか。と、ロランは心配を抱いていた。


 ジェルヴェールには、一つ癖があった。

 時折、首にかけたペンダントを無意識に指でなぞる。

 その仕草が気になった。

 彼は記憶を失っているが、あれはきっと、母親の形見か何かだろうと思っていた。

 ペンダントに触れるとき、彼は決まって、どこか遠くを見ているような眼差しをする。

 その瞳には、幼い頃に見たスタニスラスの面影が残っていた。

 冷たさの奥に、優しさと、胸の奥に秘めた熱情が確かにあることを、ロランは気づいていた。


「いつも触っているそのペンダントは、なんだ?」


 ロランが尋ねると、ジェルヴェールは一瞬考え込み、首から下げたペンダントを服の中から取り出してロランに見せた。

 それは、アクアマリンの宝石が嵌め込まれた美しいペンダントだった。


「昔、出会った少女から、これを頂いたんです」


 その言葉にロランは思わず疑問を抱いた。

 ジェルヴェールは亡命の途中で賊に襲われ、記憶を失って陰影のリーダーに育てられたはずだ。

 そして、陰影の一員として生きるため、ダルシアク国とマラルメ国の国境付近にある立ち入り禁止の森で過ごしていた。あの森は、王族ですら特別な手続きをしなければ足を踏み入れることができない禁忌の地だ。

 そのような隔絶された場所で、どうして誰かと出会うことができたのだろうか?それとも、新たに陰影の一員として迎え入れられた少女でもいたのだろうか──?


「名前も分からない少女ですが、何故か彼女を見ていると、懐かしい気持ちが湧いてきたんです。」


 ジェルヴェールの瞳は、今まで見たことのないような優しさと温かさを湛えていた。

 その瞬間、ロランは驚いた。彼の目に浮かぶ表情は、どこか慈愛に満ちており、冷徹で無感情なジェルヴェールの姿を知っていたロランにとって、それはとても新鮮なものだった。


 ロランは、記憶の奥底からスタニスラスとの初めての出会いを思い出した。

 スタニスラスの想い人は確か、アクアマリンの髪に菫色の瞳をした海の女神のような少女だと彼は語っていた。


 ──まさか、彼女なのだろうか。


 しかし、ジェルヴェールは「名前も分からない」と言っていたし、何よりその少女とは記憶喪失となった後に出会ったということだ。

 ロランは疑問を抱きつつも、心の中で一瞬の安堵を覚えた。

 何よりも大切なのは、ジェルヴェールがまだ「人としての心」を持っていたという事実だった。


 ジェルヴェールの過去──陰影として育てられた経緯については、いずれ調べなければならないだろう。だが、ロランが気に掛けることは一つ、陰影が侵入者を放っておくはずがないということだ。

 しかし、陰影側から何も報告がないということは、問題になるようなことはなかったのだろうとロランは考えた。


 それよりも、ジェルヴェールが人としての情熱を忘れず、未だに優しさを感じさせてくれたことに、ロランは深く感謝していた。

 名前も知らぬその少女が、彼の心に温かさを残し、今のジェルヴェールを作り上げたのだと思うと、彼女に対して感謝の念が湧いてきた。


「お前もそろそろ、婚約者を決める時期ではないか?」


 ロランが中等部に上がってから、父の小言がますます増えてきた。

 ロランには幼少の頃から婚約者候補が何人かいたが、王妃として共に国を背負う者として、彼の目に留まるような人物はまだ現れていなかった。


「そのうち決めますよ」


 いつものように、ロランは軽く受け流してきたが、そろそろ限界だった。

 周りの重鎮たちも口を揃えて、せめて婚約者を決めてほしいと切に願い出てくる。

 平民であれば十三、十四歳で婚約者を決めるのは早い方だが、ロランは平民ではなく王族だ。将来、一国を背負う義務があるため、王妃にはそれ相応の覚悟と教育が求められる。早ければ早いほど良いのだ。

 そのため、野心家たちは、こぞって自分の娘を彼にあてがおうとしてくるが、そんな者たちは候補にすら入れていない。


「ジェルヴェールも年頃の男となったのだし、誰か良い人を紹介せんといかんな」


 父が呟いたその言葉に、ロランは驚愕した。

 父は亡き妹の忘れ形見であるジェルヴェールを、ロランと同じように息子として大切にしていた。

 ジェルヴェールにも、いつか伴侶の話が出るだろうと思っていたが、彼には想い人がいる。

 ジェルヴェールが大切にしているペンダントと、スタニスラスが語った想い人の話が重なり、ロランは心の中でその少女を思い浮かべていた。しかし、その少女が本当にジェルヴェールの想い人であるかどうかは分からない。

 だが、ロランは、ジェルヴェールが望まない婚約を強制することだけは避けたかった。

 また、ペンダントを贈ったその少女も、少なからずジェルヴェールのことを想っているだろうと、ロランは感じていた。


「父上、ジェルヴェールが望まぬ婚約を強制すれば、妹君が怒りますよ」


 ロランが静かに指摘すると、父は一瞬言葉を詰まらせた。

 ロランの家族は身内を溺愛することで知られ、特に亡き妹の息子であるジェルヴェールには、誰もが強い愛情を注いでいる。

 もし、彼に無理やり婚約を結ばせ、さらには結婚させるようなことがあれば、きっと亡き妹の魂が怒りを覚えるだろうと、ロランは確信していた。

 その予測通り、父はそれ以上何も言わなくなった。


「ならば、お前は早く結婚して吾に孫の顔を見せてくれ」


 ロランは、父の言葉に苦笑いを浮かべながらも、理解できない気持ちを抑えた。

 なぜ交換条件のように結婚を強制されるのか理解できず、頭痛を覚えつつも適当に相槌を打って返した。


 ロランだって、婚約者を決めたくないわけではなかった。

 次期国王として、自らを支え、共に未来を築いていけるような女性を見つけたいだけだ。容姿や身分に関係なく、王妃としての資質があり、ロランと共に国を支えていける女性であれば、何も問題はなかった。

 ただ、そんな女性には未だ出会っていないのだ。

 それを考えると、侯爵令嬢のエルヴィラ・ムニエが有望な候補であった。王妃としての資質も申し分ないが、彼女は子供の頃からストレンジ騎士団団長の息子、ヴィヴィアン・パスマールとの婚約が決まっていた。

 エルヴィラは、政略結婚に関わらず、心からヴィヴィアンを愛していた。それを引き裂くことはできなかった。

 エルヴィラには妹がいて、その妹はロランの婚約者候補として浮上したが、ロランはその話を断った。

 彼女は、表向きは品行方正を装っていたが、実際の性格は苛烈で、ジェルヴェールの調査によってそのことが明らかになった。

 ロランの前では良い顔をしていたが、実の姉であるエルヴィラに対しては不遜な態度を取っていた。

 そのような人物を王妃に据えることなど、到底考えられなかった。

 もし次女が王妃となれば、国民の不安材料にしかならないだろう。


 ──私は王妃となる立場の者に求め過ぎなのだろうか。


 妥協も必要なのではないかと思い始めた時だった。

 十五歳になり、ある計画のために、各国の王子たちが、ストレンジ育成が世界一と名高いダルシアク国に留学することが決まった。

 ロランたちは一足早く留学を決め、その中で彼女たちと出会った。


「お初にお目にかかります。わたくし、ルイーズ・カプレと申します」

「ソレンヌ・ペルシエと申します。以後、お見知り置きを」


 アクアマリンの髪色に菫色の瞳をした女性と、金色に輝く髪に、豊かな自然を彷彿とさせる緑色の瞳を持つ女性。


「まるで女神と聖女だ」


 隣に座っていたデジレがそう呟いたが、まさにその通りだと思った。だが、容姿だけならば、デジレの妹のロマーヌや、マラルメ国から留学に同行したエルヴィラと並んでも遜色はない。彼女たちもそれぞれに美しい。


 しかし、ロランが目を瞠ったのは、彼女たちの容姿に留まらない別の理由だった。ロランはすぐに気づいた。ルイーズ・カプレ。その名前は、スタニスラスが言っていた彼の元婚約者であると。

 ジェルヴェールがルイーズに対する態度が他の令嬢たちとは違うことに、ロランは気づいていた。初日にジェルヴェールがルイーズの異変に気づいたのも、彼だけだった。


 案内された喫茶店に戻ると、ルイーズとソレンヌがダルシアク国の第二王子と第三王子と何やら話し込んでいるところだった。留学当初、第二王子と第三王子がいなかったことに疑念を抱いていたが、こういう事だったのかとロランは納得した。


 二人は、一人の女生徒に対して、熱心に接しているようだった。


 ──しかし、第二王子には既に婚約者がいたはず。


 ロランは留学前に、ストレンジ学園の生徒名簿と、公表できる範囲の人間関係が分かる資料を外務卿に頼んで目を通していた。そして、ルベンの婚約者候補だったルイーズが、婚約者候補から外れたことは留学直前に外務卿から口頭で聞かされていた。


 婚約者がいないルベンはまだ理解できるが、レナルドにはソレンヌがいる。ロランも王族であるため、政略結婚において恋愛感情がないことは理解しているつもりだ。だが、それでも、婚約者以外の異性と恋愛感情にうつつを抜かすのは、婚約者との関係をしっかりと清算してからにすべきだろう。


 ソレンヌには、エルヴィラ、ヴィヴィアン、セレスタンの三人が世話になっている。彼らから話を聞いたところ、ソレンヌは容姿もさることながら、品行方正で、クラスメートにも優しく、崇拝する者までいるという。

 エルヴィラはすぐにソレンヌと親しくなり、共に過ごす姿を何度も目にした。


 スタニスラスが死没者扱いとなり、ルイーズが時期王妃候補から外れた今、ソレンヌは実に次期王妃に相応しい人材だとロランは思う。しかし、王位継承権が今のところ無いとはいえ、レナルドは彼女を蔑ろにし、庶民出自の女性との交流に時間を費やしているようだった。


 恋愛をすることが悪いわけではない。

 だが、国を背負う重みを知る者として、国の未来を考えた行動が何よりも大切であるとロランは思っている。

 レナルドの行動は、婚約者を裏切り、王子の義務を果たすべき時に、ラシェルとの関係を優先させているように見えた。


 ルイーズ、ソレンヌ、そして後に知り合ったエドは、ストレンジ学園の三大美女と評され、生徒たちから高い支持を受けていた。三人ともその人柄の良さで知られており、誰もが彼女たちに好感を抱いている。

 対して、ラシェルに対する生徒たちの反応は明らかだ。彼女とそれに連なる男子生徒たちに向けられる視線は、冷ややかで避けるようなものだった。


「レナルド王子は一体、何を考えて彼女と共にいるのか」


 国を第一に考えるロランには、レナルドの行動が理解できなかった。もしルイーズ、ソレンヌ、エドの三人がマラルメ国にいれば、ロランはその誰かを婚約者として迎え入れたであろう。だが、「もしも」の話をしても現実は変わらない。それに、今更考えても意味がないことを知っていた。


 人の様子や挙動に敏感なロランは、自然とレナルドの婚約者であるソレンヌに目を向けていた。

 彼女は常に聖女の微笑みを浮かべているが、時折その微笑みの裏に、寂しさが垣間見えることがあった。

 それは特に、婚約者であるレナルドがラシェルと共にいるところを目撃したときに顕著だった。


 ──彼女は、婚約者からこんな仕打ちを受けていながら、どうして彼を愛し続けることができるのだろうか?


 ロランには、その問いが理解できなかった。ソレンヌがレナルドを慕う気持ちは、二人の姿を見ているとよくわかる。

 それが恋愛なのだろうが、ロランにはその感情を理解するのが難しかった。


「ソレンヌっ!!」


 突然、一室から怒声が漏れる。保健室から飛び出してきたのはソレンヌだった。

 彼女は涙を浮かべ、羽二重肌には涙の跡が線を引いていた。その姿を見た瞬間、ロランは彼女の心情を察し、胸が痛んだ。

 ソレンヌは普段、悲しみを隠して気丈に振る舞っている。それに気づいていたロランは、彼女が泣く姿を見ることが耐えられなかった。

 レナルドはとうとうソレンヌを泣かせてしまったのだ。

 彼女が他の誰かに傷つけられているところを見て、ロランは心の中で焦燥感を覚えた。それがどんな感情なのか、ロランは自分でも理解できないままだった。しかし、彼女の姿を見ていると、心の中で何かが渦巻いているのを感じた。


 ──心を砕き、献身的に尽くしてきた彼女に対する仕打ちがこれか。


 レナルドに対する怒りが、ロランの胸に湧き上がった。怒りと共に、ある気持ちが彼の中で膨らんでいた。


 ──私なら、彼女にこんな思いをさせないのに。


 その思いに、ロラン自身驚いていた。だが同時に、何かが胸の中で腑に落ちたような感覚もあった。これが恋なのか、まだそれは分からない。しかし、確かにソレンヌに対する気持ちは特別なものへと変わりつつあった。


 彼女はレナルドの婚約者であり、簡単に手を出すことができる存在ではない。

 たとえ、この恋が叶わないものであったとしても、せめて彼女をこれ以上悲しませたくない、泣かせたくないと心から願った。ロランは、彼女を陰ながら護りたいと思った。

 彼女が見せる悲しみを少しでも和らげるために、自分にできることがあれば、それをしていきたいと心に決めた。

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