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一日ひと狩り冒険者  作者: kuro
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冒険三日目 サハギン退治

 冒険者になって三日目。私は早速ギルドへと(おもむ)いた。


「おはようございます、フィーさん。依頼をご覧になりますか?」


 昨日と同じく受付さんが笑顔で出迎えてくれた。

 こちらも挨拶を返しながら、依頼書を見せてもらった。


「本日の依頼はこのようになっております」


 内容は、サハギンの退治だった。

 人型をしている魚のモンスターだ。海や川に生息している。

 川かー。火の魔法は使えないな。……無理だよね?


「干上がってしまうと困りますから、出来れば他の魔法でお願いしますね」


 そりゃそうだ。でも使える魔法は色々あるから、多分大丈夫だろう。


「川に落ちないよう、気を付けて行ってきて下さいね」


 分かりました。行ってきます。


▼▼▼▼▼▼▼▼


 というわけで川にやってきた。

 川岸から少し離れた場所にいるんだけど、そこからでもサハギンがいるのが分かる。

 何でかって? 飛び跳ねているからだよ。


「ギョギョギョギョッ!」


「フィシャー! フィシャー!」


 サハギンたちは、飛び跳ねるたびに大きく鳴き声を上げる。

 大きな目玉の付いた魚顔に、やたらスマートな足、ウロコは太陽に照らされてきらめいている。

 うん、何だろう。光景としてはすごく不気味。

 サハギンたちのテンションが高いから、余計にそう思える。


 サハギンたち、遊んでいるようにしか見えないな。

 とはいえこのままじゃ川に誰も近付けなくなっちゃうし。

 楽しそうなところ悪いが、退治されてもらおう。


 私はサハギンの一匹が飛び跳ねた瞬間を目掛け、アイスボルトの魔法を放った。

 サハギンは空中で氷漬けになり、そのままどぶんと川に落下した。

 見えないけれど、多分川底で動けなくなっているだろう。


「ギョギョギョギョッ!」


「フィシャー! フィシャー!」


 先ほどと全く聞き分けの付かない鳴き声を上げて、サハギンたちが川から上がってきた。

 そりゃ、仲間をいきなり冷凍されたら怒るに決まってる。

 でも悪いね、こっちも仕事だし。


 集団でこちらへ向かって来ようとするサハギンへ、私はウィンドカッターの魔法を唱える。

 風の刃が、サハギンたちの体をバラバラに切り刻んだ。

 うわお。ちょっとショッキング。お刺身みたいになってしまった。

 川から上がったんだし、火でも良かったかな。


 ちなみに雷の魔法は使わないのかって?

 あれ、上位の魔法でね。風と水をうまく操れないと使えないんだよ。今の私には無理。


 形勢の不利を悟ったのか、川中にいるサハギンの一匹が、ひときわ高く鳴き声を上げる。


「ギョーーーーーーッ!」


 すると、それを合図にサハギンたちは一斉に川に戻った。

 そして川下の方へと逃げて行ってしまった。

 意外と判断が早いな。あのまま海まで行くのかな?

 倒しきれなかったのは残念だけど、川からはいなくなったのでよしとしよう。


 おっと、そうだ。忘れるところだった。

 しっかり魔石を拾っておこう。

 川から上がってくれたから、取りこぼすことはないぞ。


 一匹だけ冷凍した奴は……まあ放っておいていいか。


▼▼▼▼▼▼▼▼


 冒険者ギルドに戻ってきた私は、すぐさま受付さんの元へ向かった。


「無事にこなせたみたいですね。それでは魔石を提出してください」


 私は言われた通り魔石を手渡した。

 今回はあまり多くない。前回のスライム退治が多すぎただけとも言う。


「はい、確かに。では報酬です」


 銅貨五百枚。嬉しいけど、ちょっとかさばるなあ。

 とりあえず袋に詰めて持ち帰ることにした。


「どうですか? そろそろ冒険は慣れてきましたか?」


 何とかなりそうです。


「それはよかった。依頼はまだまだたくさんありますから、どんどんこなして立派な冒険者になってくださいね」


 はい、頑張ります。


▼▼▼▼▼▼▼▼


 宿に戻った私は、夕食と合わせて、色んな飲み物を追加で頼んだ。

 多くなってしまった銅貨を少しでも消費しようと思ったのだ。

 未成年だからあくまでジュースだけど。もちろんデザートも付けた。


 一日が終わる。

 部屋に戻った私は、明日も頑張ろうと思いながら、ベッドで眠りについた。

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