冒険一日目 薬草採取
私はフィー。冒険者を目指してはるばる町へとやってきた。
早速、冒険者ギルドへ直行だ。
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ギルドに入ると女性の受付さんが出迎えてくれた。
私は自己紹介をして、冒険者になりたいと伝えた。
「はい。フィーさんですね。ではまず職業の適性を見ます」
受付さんが用意してくれた水晶に私は手を乗せた。
水晶が光ってたくさんの文字が浮かぶ。
「フィーさんは色んな職業に適性があるようです。でも一番飛び抜けているのは魔法使いですね」
魔法使いとは、その名の通り魔法を扱う職業だ。
ちょっと安心した。私は女だから筋力にそこまで自信はないし、遠くから攻撃が出来る職業なのは、モンスターに近づかなくて済むわけだからありがたい。
「今はまだ仮登録となっています。まずはこの依頼をこなしてきてください」
受付さんから渡された依頼書を読む。
薬草を一束、指定の場所から持ち帰って来る、とのことだ。
「これが終われば正式な冒険者です。頑張ってくださいね」
受付さんに見送られ、私は町の外へ向かった。
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町の外にはモンスターがうろついている。
でもこの辺りは比較的弱いものばかりで数も少ない。
私は依頼書に載っている通りの場所へ移動する。そこには薬草の原生地があった。
近くにはモンスターもいない。私はすぐさま採取を始めた。
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日が暮れるまで薬草を取った私は、ギルドへと戻ってきた。
受付さんが笑顔で出迎えてくれた。
「おかえりなさい。お仕事はどうでしたか?」
私は受付さんに、取ってきた薬草を渡した。
「まあ、こんなにたくさん? 一束で良かったんですよ?」
そういえばそうだった。張り切ってやり過ぎてしまった。
「大丈夫ですよ。多くて困ることはありませんから」
よかった。特に怒られることはなかった。でも気を付けなくちゃな。
「初仕事お疲れさまでした。これにて依頼達成です。同時に正式な冒険者として登録完了です。おめでとうございます」
これでいよいよ私も冒険者だ。祝ってくれた受付さんに、私はお礼を言った。
「いえ、お礼なんて必要ありませんよ。今日の成果はあなたの力の賜物です」
そう言うと、受付さんはカウンターの上にたくさんの銅貨を置いた。
「今回の依頼の報酬です。多めに薬草を持ってきてくれたので、少し追加しました。次回もぜひ頑張ってくださいね」
いいのかな? と私が迷っていると、受付さんが「遠慮せずに」と言ってきたので、素直に受け取ることにした。銅貨は全部で百枚あった。
私はそのまま宿へと向かった。部屋を取って、食堂で夕食を取った。
無事に冒険者になれたことを自分でお祝いしようと思ったが、お金がもったいないのでデザートを追加するだけにした。
一日が終わる。
部屋に戻った私は、明日も頑張ろうと思いながら、ベッドで眠りについた。