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第四章

皆様こんばんは〜☆

珍しく早く更新ができてウハウハです←

それでは第四章、お楽しみ下さい♪

 出会いは最悪だったかもしれない。

 けれど必ず意味を成す。


 何故ならこの出会いは、必然だったのだから・・・















―ざあっ


 二人の間を風が吹き抜ける。

 転んだと分かる体勢と、起き上がったばかりと分かる体勢で見詰め合う、傍から見たら何とも滑稽な二人。

 吹き抜ける風にはっと我に返った千羅は、どこからともなく現れた輝く剣を素早く手に取り、剣先を少女に向けた。


 「追っ手の者か?随分とお早いご登場だな」


 銀色の瞳の奥に怒りの炎を宿しそう言う彼を一目見た時、少女に戦慄が走った。

 少女を見る千羅の瞳は凍てつく氷のようだった。その外見はわりと小柄で幼く見えるのに、

千羅が発する凍り付いたオーラは彼を何倍にも大きく見せた。


 「追っ手の者はお前だけか。一人なら傷を負っているこの状態でも殺すことは容易いぞ」


 今にも襲い掛からんばかりの勢いで、敵を求める獣のように笑う千羅の姿は、この世の悪魔としか言いようがなかった。

 しかし少女の目に映った千羅は全く別の姿。少女の目には、そんな千羅が悲しい、悲しいと悲愴な叫びを上げているようにしか見えなかったのだ。


 「やっぱりあなたは、“白狐”の千羅なの・・・?」


 「白々しいな。何を今更そんな分かりきった事を訊く。私が騙されるとでも思ったか?」


 そう言って傷だらけの千羅は少女に剣を突き立てた。



 少女は咄嗟に目を瞑る。

 その時、少女でさえも予想しなかった出来事が起こった。


―カッ!!


 目を閉じていても分かる程に強烈な閃光。


 「なっ、何!?」


 少女は反射的に目を開ける。その漆黒の瞳に映ったのは、あまりにも予想外の光景。

 どこからともなく現れた輝く盾が、千羅の剣を止めていた。


 「何だこの輝く盾は!?」


 博識な千羅もこの予期せぬ事態に驚愕した。


 「『生命の絆』・・・?」


 少女が呆然と呟く。

 もしこの盾が『生命の絆』の力で出来たものだとすれば、すべて得心がいく。


 『生命の絆』とは、アルタに溢れる一種の魔術のようなもの。アルタの何処かに存在すると言われている『生命の樹』と呼ばれる神樹から、フレアが生まれる際貰い受ける祝福の証。樹が幾重もの枝を広げていくのと同じように、『生命の絆』の力も多種多様。しかし根源はたった一つの『生命の樹』。


 千羅の剣は千羅の『生命の絆』の力によって創られている。それを只の盾ごときで止めるのはまず不可能だ。だが、『生命の絆』の力を使ったのなら話は別である。

 個々の持つ『生命の絆』の力はその心の強さによって決まる。したがってその力は未知数であり、同時に見た目の判断だけでは誰がどの程度強いのかは全く分からないのである。


 「見事な盾だ。お前、なかなかの心の持ち主のようだな。この私の剣を止めるとは」


 そう言って千羅は敵か味方かもわからない相手に、ほんの少しだけ嬉しそうに、にっと笑った。


 「そんなこと言ってもあなたは本気で私を殺そうとはしていなかった。違う?」


 問いかけられて千羅は少し目を見開く。そして感心したようにふっと笑った。


 「お前、面白いな」


 手加減していても、最強と謳われる千羅の強さは凄まじい。それ程の力を垣間見て、千羅が本気でなかった事に気づくのはなかなか難しいことのように思われた。





 急に千羅の体を激痛が襲った。今の戦いで少し前に負った傷の傷口が開いたのだろう。


 「うっ・・・!!」


 激しい疲労感と激痛と共に、千羅は気を失った。



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