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駆ける刑事前線  作者: 内村
駆ける刑事前線
11/15

10話「一人の仕事と一人の任務」

1



「これはただの”仕事”や”捜査”じゃない、”任務”だ。分かっているね?」

 香取は戸河内と共に制服を着て警視庁に居る警察組織の上層部の人間達の前に立っていた。

「分かっています」

 しばらくして二人は部屋を出て下の階に下りていった。

「本当に大丈夫か?相手は葛城よりも危険だ。もしかしたらまた…」

「大丈夫ですよ。今の僕の失いたくない人は、そんなに弱くはないハズですから」

「…だといいが…この仕事、いや、任務はお前一人でやるんだからな…何かあったらすぐに知らせろ」

「分かっていますよ」

 二人は警視庁庁舎を出てタクシーを止めた。



2



 小美川はティーダラティオを運転しサイレンを鳴らして街を滑走していた。前方にはガードレールや車にぶつかった痕が多数あるミニバンが猛スピードで走っている。

「香取君!!あの車のタイヤを撃って__」

「えええええええ?!!僕香取さんじゃないですし、そんなことできる射撃力ありませんよ!!!」

「っ…ごめんなさい、今まで香取くんと一緒に捜査してたから…!」

 そう、助手席には俊介が乗っている。彼の銃の腕前はとにかく普通で、外すことが多く、香取程狙った場所には当たらない。

 俊介は無線機を手に取った。

「こちら西新380!!現在大久保駅周辺で人身事故を起こし逃走した車両を追跡中!!至急応援を求む!!車種は__」

 そのとたんミニバンが急に曲がり、ティーダラティオも曲がったが、リアフェンダーに他の車が追突してしまい、ティーダラティオはスピンして歩道を乗り上げて横転した。

「いっつ…!!」

「いったぁ…!!」

 やがてミニバンの姿は見えなくなってしまった。


 署に戻り二人で傷の手当をし合っていると、好雄が暴走していたミニバンの運転手を逮捕してやって来た。

「その人?!」

「ちょっと手間取ったけど捕まえられたよ。俊介君、取調べ手伝って」

「はい!」

 二人は運転手を引っ張って取調室に向かい、小美川はポツンと一人になった。正孝は署長のゴルフに付き合っており不在だ。彼女は静かに報告書を書き始めた。とはいっても、自分がやったことだけ書いたため全く行が埋まらない。香取が来る前は一人で解決した事件でもすぐに行を埋められていた。香取が来てから、彼のことをよく書いていて、自分のことを書くスキルが徐々に薄れていたらしい。

 斜めの席は空きになっている。香取の席だった所だ。最近まで長く居た存在が急に消えると、こうも違和感を感じるものなのだろうか。

 すると電話がかかり、小美川は受話器を取った。

「もしもし、刑事課強行犯係です」

《小美川さんですか?私です、捜査一課課長の堺です》

「堺さん?!お、お世話様です…」

《香取君の件を先程耳にしました。一年間彼の監視と指導を担当していただきありがとうございました》

「いえいえ、私は彼に振り回されてばかりでも事件を解決できていたので、むしろこっちが…

それより、私香取君の移転の理由を知らないんですが…」

《そうなんですか…

先日、コチラで葛城信彦の取調べを行い、彼らよりも上の組織がこの国に来たことがわかりました。その組織のリーダーは“ダニエル・アレン・ケリー”という、退役した米軍人で、部下に軍隊で習った技術を叩き込んでいるそうです》

「葛城との関係は?」

《親玉ってところです。

葛城からダニエルの居場所を聞き出し、香取君に潜入捜査を引き受けてもらったそうです》

「え?!!香取君に?!!だって昔…っ!!!」

《本人は「そのことを克服したから大丈夫」と言っておりました。私も不安ですが、彼は既にダニエルの下に潜入しています。戻ってこさせたらダニエルに国外へ逃げられると思われます。祈りましょう…また彼が自分を攻めて塞ぎこまないように…》

「…はい…」



3



 それから半月。小美川の不調の日々が続いた。

 カーチェイスではすぐに逃げられ、接近戦も苦戦し、走って追跡して見失い、香取が居るとまたド忘れし挟み討ちが失敗したり、今の相方である俊介は相性が悪いのか足を引っ張り合うことが多くなった。

 ある日、好雄のデスクの上の電話機が鳴り彼は受話器を取った。

「はいもしもし……はい、私ですが?……え…?!!……わかりました、すぐに見つけます!」

 受話器を置く直前入電が入り、小美川は好雄に相方になってもらおうと声を掛けた。

「好雄君、ちょっと__」

「ごめん、今の入電が入った事件、君と俊介君で追ってくれ!!」と言って好雄は椅子に掛けていたコートを手に取ってオフィスを大急ぎで出て行った。

「え?!ちょっ…好雄君…っ!?」


 仕方なく俊介と共に犯人を追った。犯人は軽自動車で暴走しており、俊介が運転しているカローラに体当たりした。二台とも途中で大破し、降車した犯人の前に俊介が立ちはだかったが膝蹴りで腹を蹴られ、悶絶している俊介を踏んで犯人は住宅街に逃げ込んだ。その後ろを小美川が追っている。

 犯人は塀を越え、真下にあった人二人がギリギリに入る大きさのゴミ箱の蓋を開けて走り出した。小美川は運悪く塀を降りたとたんそのゴミ箱に入ってしまった。

「え?!!ちょきゃあああ!!!」

 既に大きなゴミが入れられており、小美川は思うように出られないどころかもがいていく内に奥まで沈んでいった。

 当然犯人を見失い、ゴミ箱を出てもどこに行けばいいのか分からなくなるほど頭が真っ白になって立ち尽くし、涙目になってその場にしゃがみこんだ。

「あぁ…自分が情けない……うぅっ…」

 小美川の悔し涙がコンクリートの地面に零れ落ちた。



4



 その頃。

 香取はまるで別人の様になっていた。髪を黒から濃い茶色に染めカラーコンタクトもし、とある機能を搭載した伊達眼鏡を掛け、髭は濃くなり少しだらしのないスーツの着方をしている。

 欠伸をして突っ立っている香取、もとい“小暮譲次”は何者かに背を叩かれた。

「ボスがお見えだ。気を引き締めろ」

「はい…」

 譲次はスーツを整えて緩んだ体勢も引き締め直した。

 やがて、前に香取と小美川が見せられた写真に写っていた型の古いベンツがやって来た。その後ろには、ベンツと共に走っていると風格の違いを思い知らされる白い商業用向けのバンがついて来ていた。

(来たか…)

二人の前に停車し、背を叩いた男がベンツの後部座席のドアを開けた。そして、スーツの上からでもわかる程、鍛え抜かれた筋肉が封印されているが如くガッシリとした体格をしている大男が降車した。

「お帰りなさいませ、ボス」

「あぁ」

 ボス、“ダニエル・アレン・ケリー”は譲次の方を向いた。

「譲次、バンの荷物の整理を頼む。“福原”、来い」

「「かしこまりました」」

 ダニエルと福原は建物内に入り譲次はバンに歩み寄った。

 二台を倉庫に停め運転手や倉庫の管理人と共にバンから荷物を降ろした。

「よし、検品をしろ」

「はい」「うい」

 ダンボールを長テーブルの上に置き、譲次は眼鏡の位置を直す()()をして小さなスイッチを押した。譲次が今掛けている眼鏡にはカメラが仕込まれており、スイッチを入れると録画が始まる。

 カッターでダンボールの蓋を塞いでいるガムテープを切り蓋を開けた。中には格安で製造された38口径2.5インチのリボルバーがギッシリと入れられていた。もう一つのダンボールにはグロック19のコピー品がギッシリと、更にもう一つにはこの二種類の銃に対応している弾、更にもう一つにはM4A1のコピー品が入っていた。

(さすが葛城の親玉…よくもまぁこんなに…戦争でもする気か?)

 すると、運転手の一人が声をかけてきた。

「何してんだ?」

「別に…にしても、こんなに大量に仕込んでどうすんだ?」

「傘下の暴力団や強盗やとにかく悪人達に売りつけるんだよ。

用事が済んだんならこっち手伝え」

「はい」


「福原、あいつの身元調べたか?」

「えぇ、順調でございます」



5



 好雄はまた小美川が逃がしてしまった犯人の男を逮捕してオフィスにやって来た。

「好雄君どこ行ってたの…ってその人…」

「“琴音”さんのとこに行ってたら、逃がしちゃったって聞いたから早めに用事を済ませてから捕まえた」

 好雄は男を取調室に歩かせようとしたが男が小美川に歩み寄った。そして笑い、

「よぅドジ女!!!ゴミ箱の居心地はどうだった?クッケッケッ!!!」

「っ…!!」

 男の顔面を殴ろうと拳を固めていた小美川を止めるように、好雄がキレて先に男に腹パンとかかと落としを喰らわせて気絶させた。

「あ…ありがとう…」

「仲間なんだから怒って当然だよ。こいつを取調室に運ぶの手伝ってくれる?」

「はい…」

 すると、書類の整理をしている戸河内のスマホに電話が掛かってきた。

「もしもし…おぉ、香取か」

「__!」


「ダニエルの逮捕を今からでも出来る決定的な証拠を撮りました。そちらのパソコンに送ります」

《でかした》

 香取はC35ローレルの車内に隠れてノートパソコンを開き、眼鏡とコードを繋ぎ合わせ録画した映像を戸河内のパソコン宛に送った。


「来た来た…」

 中を開き、確認し、笑った。

《どうやら傘下の組織とかに売りつけるために仕入れたらしい》

「なるほど…

 十分だ。まだ潜入捜査だって気づかれてないんだろ?」

《恐らく…》

「なら気づかれないように戻って来い。今からダニエルの隠れ家を囲む」

《分かりました》

 お互いの通話を切り、SATを呼ぶよう部下に伝えた。


 ノートパソコンをローレルのダッシュボードに入れスマホをポケットに仕舞って降車した。

 すると、福原がいつの間にかローレルの近くに居た。涼しい顔をしている。

「ッ__福原さん…!」

「ボスがお呼びだ。来い」

「はい…」



6



 ダニエルの部屋を入ると、何かの機械が彼のテーブルに置かれていた。福原は扉を閉め、逃げられないように鍵を閉めた。

「やぁ譲次君…」

「ダニエルさん、どのようなご用件で…?」

「実はな、こんな話を聞いたんだ…」


 そう言ってダニエルはボイスレコーダーを取り出した。

「っ…!!」

 でかい手のせいで小さく見える。ダニエルはスイッチを押し録音された音声を再生した。

《はい、明日高洲海浜公園で商売相手と落ち合い、そのまま浦安へ…商品は分かりません。引き続き捜査を続けます》とローレルの車内での、これまでの戸河内との通話が流れ始めた。

「なっ…!!」香取は真っ青になり、妙な汗が滲み出た。

《取引は成立、ダニエルは現金二千万を受け取りました。映像を送ります》《人身売買に参加し一週間前から行方不明になっていた女子中学生を購入し、隠れ家に入って暴行を…》《先日の女子中学生が先程江東区の住宅街に捨てられました。救助をお願いします》《ダニエルの逮捕を今からでも出来る決定的な証拠を撮りました。そちらのパソコンに送ります》

 ダニエルは静かにボイスレコーダーを仕舞った。

「さて、どうしてくれようかねぇ…“香取君”」

(しまった…!!)

「ロスに居た頃に潜入捜査官が俺の組織に入って来たことがあった、そのせいか警察特有の臭いを感じとれたんだ。残念だったな」

 香取は一歩後ずさると、


ダニエルはテーブルの下に隠していたピストルグリップのイサカM37を素早く取り出し香取に向けて腰だめで発砲した。香取は咄嗟に避けて倒れ、散弾は香取の後ろにあった扉とその周りに直撃した。

「っ…!!」

 M37がコッキングされ、また香取に銃口が向けられた。香取は立ち上がったと同時にM3913を取り出しダニエルに向けて、飛びついてくるダニエルの部下を避けながら発砲し、扉に体当たりをして廊下に転がった。大量の散弾を浴びて扉は弱っていた。香取はすぐに立ち上がってローレルを目指し駆け出した。散弾も発砲され、散弾が廊下の窓を砕いた。

「追え、生かして返すな」

「ボス、これからSATによる包囲が…」

「分かっている。荷物をまとめ敷地内に地雷を巻くよう伝えろ」

 香取はダニエルの部下を倒して弾切れになったM3913を仕舞ってグロックを奪い取り、ローレルに乗り込んで大急ぎで発進させた。隠れ家の敷地かだ逃げ出そうとすると、M4A1の集中砲火を浴びボディが弾痕まみれになり、グリップを効かせながら道路に出た。その後ろから黒いランドクルーザーの群れと福原が運転し後部座席にダニエルが乗っているベンツが追って来ていた。

 スマホを取り出して戸河内に電話を掛けようと思ったが、今は敵を撒くことに専念することに決めた。

「くそっ…こんな時誰か一人でも居たら…!!」

 ローレルを加速させ、夕暮れの街を滑走する。



 刑事課の下の階にある交通課が妙に騒がしくなっていた。不思議に思いながら小美川は階段を登っていく。



 ローレルの行くてをランクルが塞ぎ、後ろから潰しに来る様にもう一台のランクルが追突してきた。香取は目一杯ブレーキを踏み込み前のランクルとの距離を置き、サイドブレーキを引きながらハンドルを回して後ろのランクルから逃れられた。が、サイドにまた別のランクルが追突してきて、ローレルのドアが大きめひしゃげ砕け散った窓ガラスが香取を襲う。衝撃でローレルが宙に浮き、片輪が滑ってガードレールに突っ込みベンツから逃れた。ベンツは数十メートル先でターンし再びローレルに向かってくる。ローレルとランクルが正面衝突したと同時にローレルはパック走行をして別の道に直行した。真後ろからダニエルの部下がM4を撃ってきて、香取はローレルのブレーキペダルを一気に踏み込んで急停車した。M4を撃ってきていた者が乗っているランクルが思いっきり衝突し宙を舞い、サイレンを鳴らしてやって来ていたパトカーが前方を走っておりそのパトカーの上に墜落した。その後ろには他のパトカーが走って来ていた。ローレルは近くの路地に入っていき、ベンツがすぐ後ろに着いた。ランクルの団体はパトカーを弾き飛ばしながら路地に入ったり先回りをしようと真っ直ぐ進んでいく。

 ベンツのサンルーフが開かれ、そこからダニエルがフル装備のFN・SCAR-Lを構えて現れ、ただでさえ激しい追突を繰り返し様々なパーツが外れかけている状態のローレルに追い討ちをかけるように弾幕を車体に浴びせた。リアバンパーが外れトランクとルーフが蜂の巣に近い状態になったその時、路地の出口を複数台のランクルが塞いでいた。このままスピードを下げてもSCARの弾幕を身体がモロに受けてしまい殺される可能性が高まると確信し、生き残る可能性が少しでも高い方を選び、ローレルのアクセルペダルを全力で踏み込みながらランクルの壁に激突した。ローレルはフロントがペシャンコになって宙を舞い、アスファルトの上でバウンドし、真ん前にあった工事現場に停まっていたショベルカーにリアが引っ掛かってから地面に落ちた。ルーフが拉げ、ガソリンタンクが破損しガソリンが漏れ出している。もう走れない。香取は生きている。

 ダニエルの部下達は降車し、目撃者を消そうと工事現場に居た者達に向けて乱射し始めた。香取はローレルから抜け出して彼らは香取に銃口を向け引き金を引き続けた。ローレルから漏れたガソリンの溜まり場に着弾して燃え広がり爆発した。ボロボロのローレルを炎が包み込んでいく。香取はわずかに爆風で飛び、そのまま立ち上がって事故現場から脱出した。彼らはまだ追ってくる。他の警察官がやって来て拳銃で数名の彼らと交戦し始めた。

 香取はスマホを取り出して戸河内に電話を掛けようとしたが、福原が立ち止まりしっかりとスマホを狙ってM1911の引き金を引いた。スマホは砕け散り、熱い破片が香取の頬と手に突き刺さった。砕けたスマホを捨て、公衆電話を探し始めた。今の時代公衆電話が次々と撤去されている中これは痛い。

「くそっ!!どこかに無いか?!!」

 すると横に一台のカブがあり、香取はそれを拝借して跨りウィリーをしながら発進した。後ろから生き延びたランクルの群れが追ってくる。香取は出来るだけ細い道に入り、商店街の裏路地に入った。軽でさえやっと通れる程の大きさで、ランクルは一代目でつっかえ後ろから次々と追突していった。

「しめた!!今の内に…!!」

 やがてガス欠になり、原付から降りて公園の塀に掛けた。

「っ…あった!」

 幸いその公園の出入り口周辺に電話ボックスがありすぐさま駆け込み、手順通りに戸河内に電話を掛けた。



「もしもし…香取か。今度はどうした?」

 パソコンで事務作業をしていた小美川や好雄達は手を止め戸河内の話に耳を傾けた。

《追われてる俺を見たって奴は居ないか?》

「いや、今のお前を見てもそう簡単に香取博之とは分かんねぇだろ」

《そうだった…!!》

「何があった?」

《潜入捜査官だってことがバレていた…車に盗聴器が仕掛けられていてな…!!SATが隠れ家を囲むのも知っている!!》

「何っ?!!」「っ…!!」

《今追われていて、どっかの公園の前に居る。スマホが壊されて公衆電話で話している。来てくれるか?》

「当たり前だろ!!逆探をとってもらうからそこに隠れてろ!!」

《無茶言うな!!》

 すると、受話器越しから銃声が聞えてきた。

《あぁクソッ!!一人で受け持つんじゃなかったぜ…!!》と香取が急いで電話ボックスから出る音が聞こえてきて通話は切れた。

「香取…!!」

「香取君……っえぇぃ!!!」小美川は立ち上がりM37と手錠を持って大急ぎでオフィスを出ようとした。

「小美川さん、どこ行くんだ?!!!」

「相棒が…っ、仲間が助けを待っているんですよ!!!係が違うからってじっとしてなんていられるモンですか!!!」

 小美川はオフィスを出て行き階段を滑る様に降りていった。戸河内も銃と手錠を持ってオフィスを出ていった。好雄はすぐに先程の電話の発信源を特定してもらうよう電話し、コートを持ってオフィスを出て行き俊介はその後ろを着いていった。

 小美川が運転するJ31ティアナの助手席に戸河内は乗車し、一先ず出動要請があった場所に向かうために地下駐車場を火花を散らしながら猛スピードで飛び出した。戸河内は出動してもらったSATに慎重に行動するよう無線で伝えた。

(待ってて…!!耐えて…!!香取君!!)

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