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無言の勇者  作者: 水鏡
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第4話 スキルの力

短いです。そして展開遅めです。



「おはようございます。勇者さん。朝食は用意できていますので、早く召してください。」



「どこにだよ!天にとか言ったら怒るからな。」



朝、目が覚めると真横にクロエがいた。寝ぼけていた俺は暫くクロエと見つめ合い、急速に意識が覚醒するのを感じながら、体を起こす。

昨日別の部屋に行ったはずなんだが。



「あなたのいびきがうるさすぎたのです。なので、こうして息を止めに来てあげたのですよ。」



「ーーーいつからここにいた。正直に言いなさい。」




もうこの子の罵倒はスルーだ。それがいい。

それでいいんだ。だから、そんな寂しそうな目で俺を見ないでくれ。



「・・・・さあ?昨夜騒音に悩まされた私は、意を決してあなたの部屋に行き、ベットに着く頃には力尽きたので。」



「俺は魔王か何かか。クロエの力を尽かせるとか世界狙えるな。」


「勇者さんです。」



うん。程々に返してやろう。しょんぼりされると俺が困る。あれ?そいうや、勇者さん呼ばわりが少ないような。



「なぁ、もしかして本当は名前で呼「勇者さんと呼ぶのが疲れただだけです。長すぎるだけです。」



「・・そうかい。さっき朝食ができてるとか言ってたけど、このいい匂いはそういうこと?」



「私のスキルを見ていなかったのですか?あなたの目は節穴のようですね。」


スキル?そういやスキル欄に料理があったような無かったような。



「それでは行きますよ。」


クロエは俺の腕を取り、半ば強引に部屋から連れ出したのだった。








「なにこれ美味すぎるんだけど。」


「お気に召したようで何よりです。と言っても材料が少なかったので豪華とは言えませんが。」


クロエが作ってくれた朝食は、あり得ないくらい美味しかった。とろとろに溶けたチーズが柔らかいパンに乗せてあったり、野菜スープなのに凄く味が深かったり、その他諸々空腹というスパイスの元、俺は舌鼓を打ちながら完食したのだった。


「この世界の食すごいな。こんなに美味しいとは思ってなかった。」


「いえ、この食材は手持ちのランクSレベルのモンスターを全て使っていますので、まず、お目にかかれないです。」



ーーーランクSというのは察しがつくが、何というか



「それ先に言ってくれよ!クロエなにも食べないだろ!!」



そう。私は既に食べたので。とかいう見え透いた嘘をクロエがついていたので、俺との食事が嫌なのかと思い、先に食べたのだが。そういうことか。


「残りの食材は?」


「有りません。」



最低だ俺は。飯を作って貰い、食糧全部食うとか。


そうだ、スキルを使えば、


「万物想像、Sランクモンスターの食材」


魔力が少し減った気がする。何だかスキルで作ると良くない気もするが、この際仕方ない。


魔力が抜けきると突然、机の上に食材が現れた。


「何でしょうか、これは。」


「えっと、スキルで作った?」


俺がそう言うと、クロエが俺に詰め寄ってきた。


「先に話していなかった私の責任ですが、もうそのスキルは使わないでください。」


「何で?やっぱスキルで作られたのは嫌だったのか?」


「ーーーーいいですか。何かを無から作るのは本来神の仕事なのです。今あるスキルや魔法も神によって与えられたのであり、一個人がしていいものではありません。昨日、あなたが私の前で寝てしまったのは何故かその小さな頭でお考え下さい。」



成る程。昨日あり得ないほど眠かったのはスキルの副作用だったのか。



「分かった。なるべくこのスキルは使わない。

けど、これどうする?」



「まぁ、作ってしまったのは仕方ないでしょう。」



クロエは懐から袋を取り出し、食材をしまう。


「それは?」


「アイテム袋です。中は魔法の空間となっていますのでかなりの容量が入るのです。かなり貴重な物なので、一般にはあまり出回ってませんが、それなりの冒険者なら所持してますね。」


「俺のスキルにもそういうのがあるんだが。」


「えぇ、同じようなものです。尤もアイテムボックスのスキル保持者は国に1人か2人程度ですが。」


「そのレベルか。それなら人目につかないようにしておこう。

・・・さて、飯を食べたことだし、昨日言ってた詳しい説明を頼めるか?」



「了解です。ですが話をするのは部屋に戻ってからにしましょう。」





部屋に着つくとクロエは蝋燭に火をつけ、紅茶を用意してくれたので、俺は椅子に座って待つのだった。

暫くして紅茶が前に置かれると、白髪の少女は

俺の対面に座り、口を開く。





「では、この世界について教えていきましょう。」




真っ赤な瞳が、俺を捉える。







黒「この建物ってクロエしかいないの?」

ク「というより私の家ですね」

黒「・・・・そうか」

ク「襲ったら殺しますよ」

黒「違うわ!気遣ったんだよ!今まで1人だったのかな…とか!」

ク「・・・そんなのどうでもいいのです。」



今日は暑いですね、と呟いたクロエは顔を背けて雨が降る外を眺めていた。

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