第2話 夕焼けの中で
すみません凄く遅れました。
街に着いた。
しかし、ここで大きな問題が発生する。それは、門番に話しかけられた時ーーーー
「門が木でできてるのか。」
「*******??******?」
「へ?なんすか?」
「**!********?」
「やべぇ。わかんねぇ。」
ここで気づいた。俺、異世界の言葉なんてわかる訳ないじゃん。てかそれも込みでチートだよね?女神さぁぁぁぁぁん!
しょうがない。ここはテンプレだと思って対応しよう。というか、この門番いかつい。
門番が水晶を俺に渡してきた。取り敢えず受け取ると、水晶が光り輝きだした。
それを見た門番は安心した顔で行けという感じの仕草で手を払う。
良かったぜ。金なかったんだよね。
ーーーーさて、先ずはギルドに行きたい。やはり文明は中世のヨーロッパあたりのようだ。どうやらこの街は程々に栄えているようで、かなりの人がいる。
お、なんか剣と盾の図がある建物がある。識字率も低いのかな。とにかく入ろう。
「********?********?」
どうやらギルドで間違い無いようだな。受付嬢のところに行くと何か言っている。だが、やはり言葉はわからん。うーんどうしたものか。
よし、取り敢えず頷いとこう。
クエストの受注か登録に来たか聞いているとしたら、頷いとけば見た目的に、周りと比べて幼いから登録だな、とか察して。お願い。
「************。」
あ、また水晶を渡してきた。触っとこ。
今度は黒く光ったな。
すると、受付嬢は驚いた様子でこちらを見て来たが、すぐに元の表情に戻り、銅のプレートを渡してながら何か言っていたが、分からんものは分からんので、頷く。取り敢えず登録できたようなので良かった。
この街は金を使わないのか?というくらい良心的な所だな。
さぁ、クエストどうしよう。と、悩んでいたが、受付嬢が紙を渡してきた。よくよく見ると草の絵が描いてあり、下に3という数字と500という数字、よく分からない文字が沢山。あぁ、初心者用のクエストか。
・・・やはりテンプレだな。という思いと受付嬢への感謝を胸に抱きながらお辞儀して、ギルドを出た。
「絡まれないのは幸いだが、視線は感じるな。」
はっと気づいた。俺の今の格好は、真っ黒な制服に、妹が誕生日にくれた首に巻いても腰まで伸びているマフラー。気にしないわけがないのだ。
そして、
「異世界語が話せないなら。作ればいい。」
何故気付かない。ばかなの?俺は。早く気付けば楽だったのに。まぁ、悔やんでもしょうがないか。
すぐにスキルを使い、言語理解を習得ーーーーーーーーーーーー出来ない。
「なんでや。」
この世界には多言語という概念がないのか?
いや、そもそも神様が異世界転移させるなら、
それはあるはず。だったら、なんで?魔力が足りてない感じはしないんだが。うーん、わからん。
「ま、クエストやりますか。そしたら、万物想像、探索。」
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探索
周囲の様子を知ることが可能。
また、探したい物を念じることで、その場所を知ることができる。
但し、どちらも使用中は魔力を消費し、消費量は必要な情報の希少さに比例する。
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こりゃ便利。ここまでくると、もうどうしようもないな。
紙を見ながら、探索を発動させ、再び町を出ること数分後。
「おお、もう三つ目だな。流石に初心者用のことだけはある。」
この探索というスキル、あり得ないほど有能で、まあ、ゲームのメニューみたいなものか。
今回はマップみたいなものが視界の真ん中に出てきて、草の上に赤いマーカーが付くようになっていた。
それに、意識を逸らせば右上に戻って、立体的に草の位置も教えてくれることも可能。
そして、圧倒的な赤の中に青いマーカーが疎らにあるので、現在それだけ取っている。因みにギルドから鎌らしきものをもらっているので割と楽しい。
はぁ、はぁはぁという声と鎌が草を取る音。静かな風が、心地よい。
そういえば、ここは暖かいな。季節とかあるのだろうか?などという考えが脳裏をよぎる一方、俺はマフラーをカバンにしまって、日が暮れるまでひたすら草を刈り続けたのだった。
言い訳します。課題、テスト、模試、課題、テスト、課題のフルコンボでしばらく天に召してました。