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無言の勇者  作者: 水鏡
1/9

〜チートを求める勇者さん〜

処女作です。稚拙な文章ですがお読み頂けると幸いです。

また、厳しいお叱りはご容赦下さい。


ーーーーーーーーーそれは唐突に起きた。


歴史的な寒波が襲う冬。いつも通りに学校から家に帰る途中、電車から駅に降りた瞬間。

俺は、何もない真っ白な世界 へと誘われた。




「・・・・・・・・・なんもねぇな。」



仏頂面で黒目黒髪。多少成績が良いだけが取り柄の何処にでもいる男子高校生の俺、水月黒雪は口に含んでいるミンティアをガリガリと嚙み潰しながら独りごちた。



「黒雪」という名前が女らしいのは今まで生きてきた16年の中で幾度ネタにされたか分からないが、




『ーーーーー雪が深々と降る真夜中、事故で一時的に病院が停電になった時に産まれたのが黒雪、お前だよ。』



と、普段殆ど口を開かない父さんが徐ろに話した時、大嫌いとはいかなくてもあまり好きではなかった自分の名前が、一転して大好きになった記憶は10年以上たった今でも鮮明に覚えている。





闇雪じゃなくて良かった、うん。




まぁ、それは置いといて何なんだろうこの状況。

ーーーーーーーー白い。ただただ白い。突然すぎて実感が湧かなかったのか、驚きはしない。



腕時計を見ると長針と短針、秒針の全てが3を

指して止まっている。今日は土曜のため午前中で学校が終わり昼食を取った後、書店で暫く過ごしたのでこのぐらいの時間なのは分かる。が、針が動かない。新品なので故障はない筈だが。電波時計だからか。と思い、スマホを取り出し電源をつけーーーーー

「つかない、、、へ?嘘だろ、、、」

充電は電車に乗る前は82%だった。ソーラーの充電機も持ち歩いてるし、サブバッテリーもある。だが、だがなぁ。


「壊れちゃ意味ねぇよ!!!!」



ーーーーーーはぁ。もういい死にたい。スマホが死んだら生きていけないよ。俺は二次元に生きる男なんだよ。嫁に会えねぇのかよ。もうやだ。もうやだもうやだもうやだ



そんな事を考えていると、女の人が現れた。


「どちら様でしょうか。」


低いあまりにも低すぎる声で俺は尋ねた。初対面の人にこの態度が駄目なのは分っているがもう知らん。


「女神です。」


俺は驚愕した。美しい。綺麗だ。そんな言葉では言い尽くせないほどの美が此処にはあった。
















「こ、声可愛いですね。」

声が上ずってしまった。恥ずい。


「・・・・声を褒められたのは初めてです。」

女神は暫く口を閉ざしてからクスリと笑いながらそう言い、手を出してきた。



二次元に生きるものでも興味を引くものはある。声だ。が、声豚さんではない。履き違えないでね。と心の中で嫁に弁解しながら女神の手を握り返す。



「突然の事で驚かせてしまい申し訳ありません。ですがどうか私の願いを聞いてくださいりませんでしょうか。」



「ええ、構いませんよ。」

心の片隅で考えていた事が徐々に大きくなる。これは、もしかするともしかするんじゃないだろうか。

てか女神腰低いな。最近のラノベでは見かけない気がするが。うん。この方が可愛い。声が。


突如現れた女神は、腰まで伸びる黒い髪に整った顔立ちをしていて、黒い模様のある白を基調としたドレスを着ている。すると、聖女のように祈りを捧げるような格好をしてこちらに向いて言った。















「どうか、私の世界を救ってくださいませんでしょうか」




「スマホが治るなら。」



「は?・・・・・・・・すみませんがもう一度仰って下さいませんか?」



「スマホが治るなら。」


スマホが命。これは絶対だ。馬鹿だと言われようとキモいと言われようと病気だと言われようと絶対だ。言い換えればいいかな。



「嫁が命なので。」


「すみません。やはりわかりませんでした。ですが、本当にそれだけでいいのですか?二度と帰れなくなるかもしれないのですよ?」


「それは初耳ですが、スマホが治るならそれでいいのです。」


一つ確定したことがある。これは異世界転生又は転移だ。俺はアニメが大好きだしラノベもゲーム大好きだ。期待しないわけがないのだ。特に最近はなろうにはまっていた。でも、元の世界?に残す家族や友人には申し訳無く思う。特に妹など最近は思春期なのか反抗したり素直だったり可愛すぎるので残念だが仕様がない。だって異世界だもん。

俺は旅が好きだ。自分の体を動かし、見て、聞いて、話して、食べて、寝て、歩く。

冒険に出たいのだ。それは現代でもできたが異世界はそれにさらなるロマンも加わる。楽しみで仕方ない。


「・・・・・・・分かりました。騙し討ちのようで申し訳ないのですがスマートホンは壊れているのでは無く、此処では電子機器が作動しないだけです。しかし、私の世界は電波が届かないのもまた事実。なので、今貴方のいた世界の電子情報が全て入ったものを結晶にしてお渡しします。」


女神は初め呆然とした顔をしていたが、素晴らしい提案をしてくれた。

なんと。そんなことができるのか。なんて優しい女神なんだろうか。そして何故こんな簡単なことに気づかなかったのだろう。まぁ、いい。


「ありがとうございます。それと、家族や友人にはどのように影響するのでしょうか。」


「大変申し上げにくいのですが、黒雪様は、神隠しということになります。ですので、残される方々は悲しまれるかと。」



神隠しってマジだったのかよ。すげぇ面白い。というか何故名前知ってるのか疑問に思っていると、女神は続けた。


「実は、これ以上私は世界に干渉できないのでどうしようもないのです。」



「そうですかなら仕方ないとしか言えません。

どうぞお好きなようにして下さい。」


俺はにこりと笑って女神に言った。すると女神は満面の笑みになり、俺は光に包まれた。



「名前を申しておりませんでした。私の名前はラフィリア、貴方のいく異世界の名はリーゲルト。どうか貴方の人生が幸あらんことを。」












































その時、俺は大事なことを忘れていた。お約束すぎてお約束を忘れていた。一重に言いたいスマホの故障がショックで頭が回りませんでした。












チートください。

レビュー・評価お待ちしております。

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