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星空ランデヴー  作者: あいしー
第一章~出会いは宙から降ってくる~
8/29

「ど、どういうこと!?」

「ホントどういうことだよ、ヘンテコ宇宙人。これ以上あんこをややこしい目に遭わせようっての?」

「うるさい。お前が来る前から言おうと思ってたことだよ。お前が来て、邪魔に入ったから言えなかったんだよ」

「ああ、あの『それに・・・』の続き?」

 ディアが前世の記憶を話してくれた後に言いかけた言葉だ。

 ・・・正直、あの時かけてくれた言葉はちょっぴり嬉しかったのに。その後にこんな言葉が待ってるなんて。聞きたくなかった。

「じゃなくって、ホントにどういうこと!?」

「言った通り、君と再び愛し合う!」

 ディアがこっちに近づいてくる・・・のを、寸でのところできなこちゃんが頭をつかんで抑える。

「しっかり説明しなさいよ、このぶっとび宇宙人!!」

「離せ、汚い手で僕に触るな!」

「ちょっと。話が進まないから、両方とも落ち着いてよ」

「むう、君がそう言うなら仕方ない」

「で、ディア。どういうことか説明してくれる?」

 危うく宇宙人対人間の乱闘になりそうだった。何とか双方をなだめて、ディアの説明を促す。

 ディアは不服そうだが、説明してくれる。

「だから、彼女が前世の記憶をなくした。ならばもう一度、僕と君が愛し合えばいいんだ」

「ええっと、それはちょっと・・・」

「無理に決まってんでしょ」

「馬鹿を言うな。僕と彼女の間に無理なことなどない」

「無理だよ!あんこがあんたみたいな宇宙人を、愛すわけないわよ」

 それを聞くとディアは、まるで『ピシャーン!!』という効果音が付きそうなほどの衝撃的な顔を見せた。雷に打たれたような、とは正にこのことだ。

「じょ、冗談を言うな!冗談だろ?」

「う~ん」

「嘘だろ・・・!?」

 正直なことを言うと、はっきり言ってそれは難しいだろう。と言うか、まず無理じゃないかなぁ。

 私の反応が信じられないのか、ディアは体を震わせている。いや、体が震えているのは元からかな?

 とにかく、相当ショックなようだ。

 俯いて黙ってしまった。それに、きなこちゃんが追い打ちをかける。

「ね、分かったでしょ?あんこがあんたみたいな宇宙人と相思相愛なんて無理な話よ」

 少しの間ディアは黙っていたが、やがて口を開いた。

 ありえないことを、口にする。

「・・・まだだ」

「え?」

「まだ、僕は諦めないぞ!」

「何言って」

「僕が彼女を恋に落とす!!」

 聞き間違いならどんなに良かったことか。だがそうもいかないみたいだ。


「君が僕を好きになれば、問題ない話だ。そうして、僕らが愛し合えばいい話だ」


 ディアはそう宣言した。だが、きなこちゃんも黙ってはいなかった。ディアの痛いところを、確実に突いたのだ。

「ぶっ飛び思考も良いところよ。その姿で、どうやってあんこを恋に落とすっていうの?例えあんこが恋に落ちたところで、種族が違うんだったらどうしようもないのに」

 するとディアは、ニヤリと笑って「『人間』になれば問題無いんだな?」と告げた。と思いきや、私に近寄ってきた。

 不意を突くように、天井が崩れた拍子にできた傷口に顔を近づけ・・・舐めた。

 舐めた!?!?

 驚くや否や『ボン!!』と音と共に、ディアは姿を消した。

 いや、姿を消したと言う表現の仕方では語弊があるかもしれない。正確に言うならば、『ゼリー状の体だったディアが、人間になっていた』だ。

 緑と黄色の入り混じった、明るいイメージを持たせる髪。髪の色と同じ、綺麗に透き通った瞳。人間と同じ肌の色。五本の指。しっかりとした、男性の体。

 間違いなく、ディアは人間の体になったのだ。


「さあ、これで君と同じ『人間』になったぞ!」


 とてもイキイキとした表情で、彼は私にそう言った。

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