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朝のチャイムが鳴って、生徒たちが次々と自分の席に座り始める。
昨日あれだけのことがあったのに、こんなにも普通の日常が送られていると不思議な感じだ。
すると隣の席のきなこちゃんが、遅刻ギリギリのタイミングで教室に入ってきた。そのままドカッと席に座る。
「おはよー、あんこ。一昨日は大変だったね」
「あはは、そうだね。でも何とかなってよかったよ」
きなこちゃんは大きなため息をついて「そうだね」と、小さく笑みをこぼした。
あの後、私たち三人は一旦宇宙船に戻った。学校にいつまでも、あの大きいオブジェを鎮座させるわけにもいかないからだ。
どうやら故障したと言っていたエンジンの破損は大したことはなく、ディアがすぐに応急的な処置をして移動させた。ちょうど私たちの学校には裏山があって、そこに一時的に置いておくことにしたのだ。裏山は木が生い茂っていて、宇宙船を隠すのには最適な場所だ。
また、どうやらその宇宙船の中に入れてあった工具箱はハイテクな物らしい。そのおかげで宇宙船はもちろん大きく穴をあけてしまった校舎の天井も、ものの一晩で直してしまった。
ここまで宇宙の物が万能だと、いつかこの地球を乗っ取られるんじゃないかと不安にもなってしまう。
しかし天井が崩れたのは結構な大ごとになってしまったようで、学校側は一日休みとなった。地方ニュースに放送されたときはどうなることかと心配だったが、天井の修理が速く済んで心底よかったと思っている。
ちなみにディアは、まだ完璧に直っていない宇宙船の修理を行わなければならないそうだ。おかげで昨日はディアと会っていなかったが、何かやらかすんじゃないかと気が気でなかった。しかしまぁ、何もなかったからよかった。
そんなこんなで、何とか私たちの生活は通常道理の軌道に戻った。
「しかしまぁ、あそこまで変なことがあるとこの後のことが心配だね」
「ホントだよ。早くディアのやつが帰ってくれると、平和でいいんだけど」
「ははは・・・・」
正直、きなこちゃんの言葉に何て返せばいいのか私にはわからない。
確かに彼女の言う通りなのかもしれない。いくら私を恋に落とすことが目的でも、一昨日のようなことが何度もあったら危ないに決まってる。宇宙船が落ちてきた時に怪我人が出なかったのは、本当に運が良かったのだ。
それに、学校中でも相当な噂になっていた。「天変地異だ」とか「テロリストによる襲撃だ」とか。怖がっている人もいるようで、何だか心苦しい。
でも、だからってディアを冥王星に帰してしまうのもかわいそうだし、酷な事だと思う。わざわざ前世の約束のために、私たちには想像もできないような距離を越えて会いに来てくれたのだ。
その思いは宇宙人といえども、無下にしていいものじゃないだろう。
一体どうしたら・・・・。
「はぁ・・・・」
「どうしたのあんこ?」
「えっ、いや、何でもないよ。ただ、たったちょっとの時間で色んなことがありすぎて疲れちゃった」
「そうだよね、私も疲れたもん。」
「そうだ、今日きなこちゃん部活ないって言ってたよね。放課後に、一緒にディアのところに行ってみない?」
「いいよ。やっぱ気になるもんね」
いけない、ついため息が出てしまった。何とか誤魔化せてよかった・・・・!
でもディアが気になるのも事実だし、ちょうどいいか。
ディア、宇宙船の修理大変なのかな?宇宙船が直ったらすぐに帰れとは言わないけど、早く壊れたところが直るといいな。
そんなことを考えていると先生が来て、朝のホームルームが始まった。




