スキル選び②
前の話の続きのため少し短めです。ログインまでもう少しですので…(汗
「さて残りは生産と補助スキルだが、俺は特に生産取るつもりないから、補助スキルで良さそうなの探してるわ」
「私も生産スキルといってもねぇ~。特にやりたいことっていうのが思いつかないから、取得は当分先かなぁ? だから私は正悟の方で補助スキル先に見てるから、アリサはゆっくり生産スキル見てていいのよ~」
ってことは生産スキル取るのは私だけなのか~。えーっと生産スキルは…【料理】【鍛冶】【木工】【調合】【裁縫】【醸造】【合成】【錬金】【装飾】【栽培】【道具】【家具】【石工】と言った具合だった。
流石生産スキル…数が多いな~…。料理スキルは取るとして、包丁とかの調理器具は道具か鍛冶のどっちに含まれるかわからないからなぁ~…。醸造スキルも何かわからなかったから調べてみると、発酵に関わるスキルとの説明があった。ということは、調味料は醸造ってことでいいのかな? んーそうなると醸造スキルも欲しいけど、最初から材料が手に入るってこともないだろうしなぁ~…。最初から死にスキルってのも嫌だから後々取ることにしよう。
「生産スキル何取るか決まったよ~。それで補助スキルは何かいいのあった~?」
「まぁステータスUP系はもちろんの事、釣りや乗馬といった趣味系のスキルとかもあったな」
「他にも各種魔法耐性もあったわよ~。こうなると特化か満遍なく取るかってことになるのねぇ」
「こんなん装備できるスキル十個じゃ足りねえだろ!」
「敵に合わせて装備スキルを変えるか、どんな敵でも自分のスタイル通りに闘うかってことねぇ~」
敵に合わせてスキル変えるって大変そうだな~。でもスキル変えたところで勝てない時は勝てないし、相性悪いのは仕方ないしな~。今のところ私の空き枠は8だから、戦闘補助系やステータス補助をいくつか見繕わないといけないなぁ。
NWOでのステータスとしては、
HP
MP
STR(筋力)
ATK(攻撃力)
DEF(防御力)
INT(賢さ)
MGR(魔法抵抗力)
AGI(素早さ)
DEX(器用さ)
LUK(運)
といった、10のステータスからなっているらしい。
私は近接で攻撃型なため、HP、ATK、DEF、AGIといったのを取ればよいのだろうか? と言っても、そんなに数は取れないと思うので、取って三個か二個といったところだろう。悩ましいので、ここは正悟の意見を聞くことにした。
「正悟~。ステータス補助系はどう決めればいい~?」
「あ? ん~そうだなー。まずは自分がどういう役割でやりたいかを考えるってのだな」
「役割?」
「あぁ。例えば、忍者だったらATK-AGI型にして高機動高威力で一撃離脱タイプとか、タンクでHP-DEF型で物理防御型とかだったりな」
ほほぉ~。そう考えると、私の武器は脇差ということだから、攻撃力と素早さで相手を翻弄するようなスタイルがいいのかな? というと、忍者みたいにしゅばばばって移動してズバって斬る感じになるのか~。これで4だから、残りも決めないとな~。
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結論からして、私の初期取得スキルは、【刀剣】【料理】【ATK上昇】【AGI上昇】【DEX上昇】【採取】【察知】【忍び足】【鑑定】【収納】を取ることにした。最初はステータス上昇スキルは二つにするつもりだったが、料理を最初から取っているならば、【DEX上昇】も一緒に取った方が効率がいいと思ったからだ。
【察知】と【忍び足】については、モンスターがどこら辺にいるのかを探るためと、足音をなるべく立てないで気づかれないようにしたかったからだ。
意外に必要なのは【収納】だった。【収納】とは別にアイテムボックスはあるので、要らないと思っていたのだが、【収納】は重量関係なく入れることが出来るらしい。
そもそも、NWOではSTR(筋力)による重量制限があるらしい。変なところまでリアルにしてるが、それを考えると、食料を調達して食べるタイプの私にとっては、ドロップしたアイテムですぐ重量制限を越えてしまいそうな気がした。【収納】はスキルレベルが上がれば、入れられる量が増えるらしいので、積極的にレベルを上げよう。
「さて、全員何取るか決まった事だし、あとは当日を待つだけだな」
「合流は二日目だから、ゲーム内で三日経つことになるけど仕方ないわねぇ~」
「それまでにそれぞれ情報収集と、狩りの練習でもしてりゃいいだろ」
「NWOの食べ物ってどんな感じなのかなぁ~」
「アリサ~、美味しいお店見つけたら教えてね~」
「わかった~」
「俺の方はフレと先に合流するから、二日目に紹介するわ」
「あっアリサ。先に言っておくけど、知らない人についてっちゃダメよ~? あと食べ物で釣られないようにね~?」
「子供じゃないから大丈夫~」
「俺はすごく心配なんだが…」
失礼な。いくら私が美味しい食べ物が好きだからって、そんなほいほい釣られないよ~。
「正悟こそ綺麗な女の人に付いて行かないようにね~」
「誰が付いてくか!」
「えっ…正悟ってもしかして男に…」
「だから私たちのことにも興味がないのかしら~?」
「いや! なんでそうなるんだ!」
「じゃあ私たちに興味あるのかしら~?」
「それは…まぁ…お前らには興味がないわけでも…」
あっ、正悟の顔がどんどん赤くなってる~。正悟はこういう話になると弱いんだからなぁ。私は二人のこと好きだから言われても大丈夫。
でも、鈴は一見余裕そうに見せるけど、実は顔に出さないだけで結構照れてる。右手で頬を抑える仕草はその証拠。正悟も私たち二人とも養ってやるぜ、ぐらい言ってくれたらカッコいいんだけどね。でもまぁ、一夫多妻制が認められていないから無理なんだけどね。
「まぁ正悟がちゃんと私たちに興味あるってのもわかったし、いじるのはこのぐらいにしよっか」
「お前ら覚えてろよ…」
「うん。ちゃんと覚えておく」
私は正悟の瞳をじっと見つめた。でもしばらくすると、正悟は私から目を逸らした。正悟が目を逸らしたのを確認し、私は近くに座っている鈴の膝に頭を乗っけた。
「あら? アリサどうしたの?」
「ちょっと眠くなっただけだよ~。それにもう結構いい時間だしね~」
気が付けば既に夜八時を過ぎていた。明日も大学で講義があるし、まだ晩御飯も食べていないしお風呂も入らないといけない。流石にこれ以上のんびりしてると、明日の予定に支障が出てしまう。時間も時間なため、私と鈴は正悟の家からお暇することにした。
さて、初期スキルも決まった事だし、オープンが楽しみだ。私は食事の後にお風呂の湯に浸かりながら、オープン後にどんな食べ物が食べられるか思い耽ていた。
次は7/4の08:00に投稿予定です。
2016/7/5 『所得』を『取得』に訂正しました。
2016/7/17 誤字の修正を行いました。