大空洞を探検しよう⑥
「いや……ホントここどこ……?」
「どこ……でしょうかね……?」
「落下距離から考えるとだいぶ下のはずですが……」
「確かに道がわからなくなる気持ちがよくわかるわね」
「本当にここどこなんだよー!?」
ノイさんが叫んで声が反響してだいぶ五月蠅い……。
てかこんな大声で叫んでると……。
「まぁ敵出てくるよね」
「わかりきってることとはいえ、こうも連続して出てくると……」
私としては食料の確保ができていいけど、皆はあんまりモグラ肉好きそうじゃないんだよねぇ。
美味しいのに。
「んーこう道がクネクネしてると潜ってるのは上がってるのかわからなくなるね」
「螺旋状の通路は方向感覚を狂わせるというのもありますし、実際緩やかなカーブ状の道と見せかけて少しずつ下へ向かっているかもしれませんね」
確かに一見平面に見えても実は徐々に坂になってるとかあるもんね。
「こういう時ビー玉とか丸い物置けばわかるのかな?」
「謎解きでもないですし戻れるわけでもないですから進むしかないかと……」
「仮に坂だったとしてそんな転げ落ちるような人は……」
「うあぁぁぁ足が滑ったぁぁぁ!?」
ノイさんが足を滑らせたのか急に転げ落ちるように滑って私たちの横を通り過ぎて行った。
「……前言撤回するわ、すぐ身近にいたわね……」
「ホントにもう……」
「むしろ何でこのゴツゴツとまでは言えないけど平坦な足場であそこまで滑れるの?」
「あれはある意味才能としか思えませんね」
「いいから助けてぇぇぇぇぇ!?」
残された私たちはため息をつきつつノイさんを追い掛ける。
しばらく追いかけていると道の奥が薄っすら光り出し、道がやや急な斜面となった。
「よっと」
「あら」
「ひゃっ」
「わっ」
「ぐえっ!?」
急な斜面で咄嗟に飛び降りてしまった私たちは下で倒れてたノイさんを踏みつぶしてしまう。
「あっごめんなさい」
「悪いと思ってるならさっさとどいてくれ!」
ノイさんにポーションを渡して回復してもらっている間、周りを見渡すと近くに門のようなものが見えた。
「あれって城門……とまではいわないけど門だよね?」
「そうですね」
「これは期待していいのですかね?」
「流石にダンジョンとは思いたくないわね」
嘆きの里のように嫌な感じはしないから大丈夫だとは思うけど……。
「えーっと……じゃあ行く?」
「物は試しです。最悪場所はある意味覚えやすかったですからまた来れますしね」
「いやあれはアリスさんがいたから出来たことだと思いますが……」
「あれをただのプレイヤーがやれっていうのは無理があるわよ……」
「おっ! あれもしかして街の門じゃないか? 行かないなら一番乗りしちゃうぞー!」
そう言ってノイさんは一人先に突撃していった。
その姿を見ていたアルトさんは再び頭を抱える。
「えーっと……アルトさん頑張ってください?」
「もう本当にあの子は……」
「ああも何も考えずに生きていけたら楽よねぇ……」
「素直な分、悪い人に騙されないといいのですが」
とりあえずノイさんの悲鳴のような叫び声は聞こえてこないので私たちも門の中へと入る。
すると眼前には背が低く髭をもっさりと生やしている小人の人たちが歩いていた。
どうやらここがドワーフの村のようだ。
「おー」
「どうやら辿り着けたようですね」
「辿り着いたルートがルートなだけに普通のルートが気になりますね」
「とりあえずポータル登録できるかの確認したいところね」
あー確かにそこは重要だね。
さすがに湖の都市からは辛いだろうからあるとは思うけどね。
にしてもドワーフというだけあって建物の煙突から煙が一杯出てるね。
これはウォルターさんが喜びそうかな?
まぁ問題はウォルターさんをどうやって連れてくるかだけど……。
最悪抱えてあの橋下落ちればいいよね。
「んでノイさんはどこに?」
「どうやらあれですね」
トアさんが示した方を向くと、ドワーフのおじさんと何やら言い争ってるノイさんの姿が見えた。
「私の武器のどこが悪いっていうんだ!」
「そんな武骨な槍のどこを褒めろっていうんだ! 武器っていうのはただありゃ良いってもんじゃねえんだ!」
……ノイさんは早速何してるの……?
「で、結局何をしていたんです?」
「このおっちゃんが私の武器を見るなり貶しやがったんだよ!」
「そんな武器見せられて何も言わねえほうがどうかしとるわ!」
ようは武器の事で言い争ってたわけね。
でも私としてはそんなに悪いとは思わないんだけどなぁ?
「ノイさん、ウォルターさんに武器作ってもらってないの?」
「そっそんな有名どころに頼んだらどんだけ時間掛かると思ってるんだよ!?」
「へっ?」
私が頼んだ時正直そこまで待たされた記憶がないんだけどなぁ……。
レヴィの鱗で作った装備はともかく。
「お嬢様、何か勘違いしていると思いますが、お嬢様は正直特別扱いしてもらってると思ってください。ネームバリューに含め色々な融通を利かせてるためかと」
「融通……リーネさんはともかくウォルターさんには特に何もしてないような……」
「まぁそこはウォルターさん本人に聞いてみるとして……。ドワーフのおじ様、そんなに気に食わないのならば作ってあげるのはいかがでしょうか?」
「むっ? ふーむ……そうだな。だが今は肝心な鉱石が無くてな、それを取ってきてくれるなら作っても構わんぞ」
「それは必要な人数分作ってくださるということでしょうか?」
「あぁ、この際だ。そこの娘が納得するような槍も含めて必要な分作ってやろう。ほれ、作ってほしい奴は武器を見せてみろ」
ドワーフのおじさんはそう言って私たちの武器を受け取り、一つずつじっくり眺める。
投擲武器を使っているトアさんを除き、アルトさん、アヤさんに続き私も新しくしてもらう予定の脇差を渡す。
「っむ……」
「どうかしましたか?」
「丁寧な造りだと思っての。素材は鉄……いや、玉鋼ってところか。それにしてもこれを作ったやつは大した腕だな」
「ウォルターさんっていう鍛冶でトップの人に作ってもらいました」
「ほう、一度会ってみたいものだな。……よし、大体わかった。そんで取ってきてほしい鉱石の名前はザクレライト鉱石という赤色の鉱石だ」
「それはどこにあるんです?」
「場所は地底湖付近の間欠泉がある付近でよく見れる。だが熱いから気を付けろよ」
「間欠泉……」
ってことはもしかして温泉があるかもしれないってこと!?
よし!
やる気出て来たぞー!
っと、向かう前にポータル登録しないとね。
「何やらお嬢様が違う方向でやる気を出していますが……まぁいいでしょう」
「あの嬢ちゃん……ホントに大丈夫か?」
「やる気は出ているようなのでご安心を。問題は帰って来るまで時間が掛かるかもしれないということですね」
「……本当に大丈夫なんだよな?」
何かドワーフのおじさんが心配してるけど、そんなに大変なところなのかな?
何とか3巻発売日に更新できた……。
でも仕事やゲームの発売日が重なりまくるのが悪いんや……(言い訳




