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Nostalgia world online  作者: naginagi
第六章
321/370

悪霊たちの宴①

 イベント当日となり、私は必要な物を揃えて集合地点であるエアスト中央広場へと向かう。

 さすがに第六陣も参加となれば人数も多くなるというわけで…。


「お、多い…」


 この調子だと第七陣辺りまで来たら中央広場のキャパを越えるのではないだろうか…。

 だがそんな不安を払拭するように、広場で待機していたプレイヤーたちが次々に減っていく。

 何事かなと思い、人が少なくなっていった広場の中央へ進むと、街と街を繋ぐポータルとは違った赤色のポータルが設置されていた。

 何かなと思ってその赤色のポータルへと足を踏み出すと、『イベント待機マップ』という文字が頭の上へと浮かんできた。

 なるほど、人が多くなってきたからこういう風にしたのか。

 まぁぎゅうぎゅう詰めになるよりはいいよね。

 ということでイベント待機マップへと移動っと。


「おー」


 イベント待機マップは以前あった防衛イベントのように、何もないまっ平らな空間が広がっていた。

 これなら何人いても大丈夫そうだね。


「アリスー」

「お姉ちゃーん」

「んっ?」


 声を掛けられたので誰かと思って振り向くと、ルカと飛鳥ちゃんが私の方へとトコトコと走ってきた。

 そして二人はそのまま私目掛けてダイブ…って危なっ!?

 私は慌てて二人を受け止めるように腕や身体を動かして受け止める。

 STR鍛えててよかった…。


「アリス成分ほじゅー」

「ほじゅー」

「全く…いきなり飛びついてきたら危ないんだからね?」

「「えへへー」」


 なんだろう…このルカと飛鳥ちゃんが合わさることで更に凶悪な何かになったような感じは…。

 ちなみにこの二人、私が飛鳥ちゃんを特訓させているところにルカが来て、お互いをじっと見つめ合っていたと思ったら突然抱き締め合いだしたのだ。

 何でそんな行動に至ったのかを聞いたところ…。


「「シンパシーを感じた」」


 とよくわからない事を言い出したので適当にその場は流した。

 うん、私にはわからない領域だったからね。

 とまぁそんなこんなで二人は急速に仲良くなっていったのだ。


「それにしても今回のイベントは何だろうね?」

「第六陣の準備期間もあったと考えると、戦闘系だと思う」

「飛鳥、頑張る―」


 うーん…さすがにまだ初心者の飛鳥ちゃんを最前線に出すのは気が引けるなぁ…。

 まぁ戦闘系イベントだったら飛鳥ちゃんは保護しよう。

 最悪アリカにお願いして速攻で逃がしてもらおう。


「お嬢様、こちらにいましたか」

「あっトアさん。それに…」

「よう」

「…あなたはそんな堂々と姿現していいの…? アワリティア…」

「偉い奴も言ってんだろ? バレなきゃ犯罪じゃないってな」


 いや、身バレは犯罪とは違うのでは…。


「それにしてもトアさん遅かったね。てっきり先にいるものだと思ってたけど」

「えっと…それはまぁ色々ありまして…」

「だから俺はイベント前日だから途中で終わりにしようぜっつったのに、お前が発情して朝まで…ぐはっ!?」

「だっ黙りなさい…」


 アワリティアの腹にトアさんの右のストレートがもろに入ってアワリティアはその場に倒れる。

 えっと…。


「と、トアさん…?」

「き、昨日は少しイラっとしてお酒を飲みすぎただけです! いいですねお嬢様!」

「は、はい…」


 少し顔を赤くしながら弁明をするトアさん。

 まぁよくわからないしスルーしておこう。


「…大丈夫?」

「お、おう…。て、てか新顔だな…」

「飛鳥は飛鳥。お兄さんは?」

「アワリティアだ…。くそ…トアのやつ全力でぶち込みやがって…」


 純粋な飛鳥ちゃんは相手がアワリティアであっても心配そうに近付き訊ねている。


「飛鳥お嬢様、そこの生ごみは気にしなくて良いのですよ」

「えっ? でも痛そうだけど…」

「自業自得ですので大丈夫です」

「う、うん…」


 トアさんに説得され、心配そうにこちらに戻ってくる飛鳥ちゃん。

 まぁ気持ちはわかるけど、あの二人の事は二人に任せればいいかなって最近思い始めたから私は何も言わないでおこう。


 その後も知り合いがひっきりなしに近付いてきたので軽い挨拶をしてを繰り返していると、イベント開始時間になったのか、巨大なモニタがいくつも空中に現れ、社長さんが映し出された。


『やぁプレイヤーの皆、久しぶりだね。和風マップのダンジョンも楽しんでもらえているようで運営としては喜ばしい限りだ』


「鬼畜難易度のくせに何言ってんだ!」「ボス強すぎんだろ! 茨木童子とかバケモンじゃねえか!」と既に和風マップのダンジョンへ行っているプレイヤーが思いの丈を次々に口にしているが、社長さんはいつも通り軽く笑って流している。

 てかやっぱり茨木童子は他のプレイヤーからしても厄介なんだね。

 って、和風マップのダンジョンは茨木童子がボスって事なのかな?

 今度行って確認してみたほうがいいかな?


『まぁ今回は第六陣も楽しめるようなイベントだから安心したまえ』


 ほ…ホントかなぁ…?

 他のプレイヤーも疑うような視線を社長さんへと向ける。


『さて、気になるイベント内容だが、今回はハロウィンイベントだ。そして君たちにはこれを集めてもらう』


 社長は一枚の金色のかぼちゃのマークが入ったコインを出現させ、プレイヤーの皆が見えるように写す。


『これはハロウィンコインと言って、これから君たちを転移させる街で起こるイベントやミニゲームをクリア―する事でこのコインが手に入る。察しのいいプレイヤーはもうわかったと思うが、これがイベント報酬との交換アイテムとなる。だから一杯集めて良いアイテムと交換するといい』


 その発言を聞き、一斉にプレイヤーが湧き上がる。

 コインを集めるだけなら確かに第六陣でもできるし、運営の事だからある程度のバランスは調整されているのだろう。


『そしてイベント期間は一週間で、いつも通り時間は一時間に圧縮されており復活もできるようになっているから安心したまえ。ではイベント【悪霊たちの宴】の開演を宣言する。さぁ楽しんでくれたまえ』


 社長さんがイベントの開始を宣言とともに私たちは一斉に転移させられたのであった。

昨日はお楽し…イヤナンデモナイデスカラナイフカマエナイデ。

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― 新着の感想 ―
[一言] いや~アワリティア嫌い、すげー嫌い 死ねば良いのに 死んでデスペナ受ければ良いのに(ノД`。)
[一言] お赤飯、はもうとっくに過ぎてるからいっか、()
[気になる点] 今更ですが… 「>д<」 がありなら orz も2回目以降はアリだったような?
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