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Nostalgia world online  作者: naginagi
第六章
310/370

【敗北者】②

「えっ? 首狩り教の人が襲われた?」

「んっ、さっき連絡が入った」


 いつも通りお店で作業をしていると、ルカがやってきてその事を伝えてきた。


「でもなんで首狩り教の人が?」

「そこはわからない。でも少し妙だったっぽい」

「妙?」

「首狩り教は装備の面から統一という事はしてないけど、一目でわかるようにエンブレムを付けてる。だからその相手が首狩り教って事はわかるようにはしてる」


 言われてみれば皆胸元辺りに人の頭っぽい印が刻まれたエンブレム付けてたね。

 もしかしてあれが首狩り教っていう証なの?


「だからその相手が首狩り教と知らないで襲い掛かってくることはまずないはず」

「まぁそういう認知がされてるならそうだよね? って事は襲ってきた人は首狩り教の敵対組織とかそういうグループってこと?」

「教祖から聞いた話だとなんか違うらしい。襲ってきたのは一人で、しかもそんなにPSはなかったらしくて普通に返り討ちにしたっぽい」


 んん?

 一人でそこまで強くないのに首狩り教を襲った?

 んー…意図が全く読めない…。


「それに今回の件、最近起こってる無差別PKと何か関係あるのかなって思ってる」

「無差別PK?」

「んっ、とは言っても今は被害らしい被害は出てない…というか全て返り討ちにあってるっぽい」

「何それ…」


 無差別にPKをしている割に全部返り討ちって…。

 どんだけ弱いの…。

 って…その無差別PKってもしや…。


「もしかしてだけど…あの人…じゃないよね…?」

「私も最初それを考えたけど、違うらしい」


 まぁあの人なら対象は二つ名だろうから無差別って事はないだろう…。

 それにあの人…意外にPS高いし…。

 あれには驚いたなぁ…。

 私と戦ってる最中に横から現れた熊を見事なフットワークで攻撃を避けて、パンチ一発で仕留めてたし…。

 まぁ変人だったけど。


「それと妙な情報も上がってる」

「どんな情報?」

「なんかトドメを刺そうとしたら剣での攻撃が防がれたらしい」

「えっ? 防御したとかそう言う事じゃなくて?」

「んっ、何か見えない壁みたいなので防がれたらしい。それで剣で攻撃しても全部防がれたから、その後使った【紅蓮魔法】だったら普通に倒せたらしいけど、詳しい事はわかってない」


 トドメを刺そうとしたってことは一撃で倒せる状態ってことだろうし、その時に発動できる特殊スキルで、しかも同一攻撃を無効にするタイプなのかもね。

 だとすると普通のプレイヤーからしたら結構厄介だなぁ。


「だからアリスも気を付けてね。まぁアリスの場合攻撃手段多いからそんなに困らないと思うけど」

「器用貧乏って言ってもいいのかもね…」


 レヴィたちを入れたら私の使える攻撃手段はかなり多いからね。

 それこそ十数種類を防げるタイプでもなかったら防ぎきれないだろう。


 私に伝えることを伝え、ルカはそのまま店から出て行った。

 それと入れ替わるようにトアさんがお出掛けから帰ってきた。


「ただ今戻りました」

「お帰りなさい。少し遅かったね」

「えぇ、少しPKに襲われましたのでその対処に少し時間を使いました」

「襲われたって…えぇ!?」


 一旦席に着いてトアさんの話を聞いた。


「まぁ正直そこまで…というより本当の雑魚でしたので全く苦戦しませんでしたが」

「流石というかトアさんだからというか…」

「お褒め頂きありがとうございます」

「でもなんか一撃で倒せる状況で攻撃を防ぐスキルがあるらしいけど、トアさんは平気だったの?」

「そうなのですか? 普通に投げナイフを投げてトドメを刺しましたが、特に防がれるといった事はございませんでした」


 となると近接攻撃は防げて遠距離攻撃は防げないって事なのかな?

 んー情報が足りないなぁ。


 「そういえばそのPKってどんなプレイヤーだったの?」

 「そうですね…。キャラメイク次第なので細かい年齢はわかりませんが、少し言動が子供っぽかったので恐らく中学生か高校生の男の子ぐらいではないでしょうか? ただ身長を変化させると戦い辛いといったこともあるため、あまりいじらない事を考慮すると高校生ぐらいだと思います」

 「高校生でPKかぁ…」


 まぁPKをするのに年齢とかは関係ないからそこまで気にする程ではないけど…。


 「他に何か情報になりそうな事はある?」

 「他に…ですか」


 トアさんは少し考えるように右手を頬に添えて目を瞑る。

 少し経つと「あっ」と声を出して目を開く。


 「そういえば倒す直前に『スキルが育てばお前らなんか…』といった事を言っていました」

 「スキルが育てば? PKでスキルが育つスキルなんて…あー…私持ってたんだった…」


【勝利者】スキルは対人戦闘で勝つとスキルが上がった。

 ただ、もしその件のPKが【勝利者】スキルを持っていたとしても、実際負け続けているのではスキルレベルが下がるだけではないかと思うけど…。


 「もしくはスキルのレベル上げがめんどくさくてPKをしているだけで、ただの負け惜しみだったのかもしれません」

 「えぇ…そんなのってある…?」

 「まぁ高校生ぐらいだとして、自分の思い通りにならなくて憤慨するなどネットゲームにはよくある事です」

 「そういうものなのかぁ…」


 そういうのに詳しいショーゴにも聞いてみようかな。

 こういう時は色々な方面から話を聞くっていうのも大事だしね。

何故自分から砂糖を吐くような要素を作っていくのだろうか(白目

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― 新着の感想 ―
[一言] 七大罪があって対のもんがあるなら勝利者の対になるもんもあるって思うやろ(笑)
2020/02/12 01:27 退会済み
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