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Nostalgia world online  作者: naginagi
第一章
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スキル選び①

主人公はオンラインゲームは初プレイの設定です。

 生放送が終わったため、私はwi-fiの電源を切り携帯を手元に寄せた。


「まったく…アリサってたまに驚くようなことするよな…」

「こっちがどうなるかドキドキしちゃったわよ…」


 二人には心配かけちゃったかな…。私がしょんぼりとして下に俯いていると、鈴が席を立ち私の事を後ろから抱きしめた。


「アリサ…そんなに落ち込まないの。アリサったら美味しい物優先とか口では言うけど、ホントは私たちの事を気にかけてくれる優しい子っていうのはわかってるから…。私はアリサが食べ物を美味しそうに食べてる表情が好きなんだからそんな顔しないの」

「すずぅ~…」

「ほらほら~。さっさと元気出す~」


 私は後ろから抱きしめてくれた鈴の手を軽く握って頭を上げて鈴を見上げた。


「んー…。女の友情はいいんだがギャラリーがいる場所でそれは…」

「ん?」

「え? あっ…」


 なんか変な事したかな?周りに意識を移してみると「―同士の百合もなかなか…」や「キマシタワー」と言う声が薄っすら聞こえたけど…。キマシタワーってなんだろう? 鈴はどうなって…って顔少し赤くなってる? なんで?


「鈴大丈夫?」

「えっえぇ、大丈夫よ」

「アリサ…そこは触れないのが優しさだ…」

「うん?」


 よくわからないけど触れないほうがいいっていうならやめとこう。それにそろそろお昼休みの時間も終わりだし、次の講義の部屋に移動しないと。



 ---------------------------------------------------------------



 本日の講義も全て終わり、私たちは帰路に着いた。NWOの初期スキルも公開されたことだし、何を取るか決めないといけない。二人はどうするんだろ? そんなことを考えていると正悟が提案をしてきた。


「NWOのスキル公開されたことだし、これから俺の部屋でページ見ながら相談しないか?」

「あら~? 女の子二人部屋に連れ込んで何をするつもりなのかしら~? ね~奥さん~」

「あらあら奥さんー。あたし怖いわー」

「もう、アリサったらそこはもう少しノリノリで言わないとダメよ~?」

「ノリノリ…?」

「漫才はいいからさっさと行くぞ。取得できる初期スキルの数によっては決めんのに時間かかるからな」


 正悟の部屋かぁ…。そういえばここしばらく二人の部屋に入ってないから久しぶりだなぁ。


「正悟~今日のお菓子は~?」

「なんで用意してもらえると思ってんだ?」

「えっ…ないの…?」

「大丈夫よアリサ~。帰りに何か買っていきましょうね~」

「鈴…アリサに甘すぎだぞ…」


 正悟がなんか言ってるけどそんなの気にしない。人間の三大欲求の中に食欲があるように。また、衣食住の中にも食べる事が入ってる。つまり食べ物こそ正義。ってことで今日は何を食べようかなぁ~。



 ---------------------------------------------------------------



「はい、アリサ。あ~ん」

「あ~ん」


 鈴がお団子をばらしてその内の一つを箸で私の口に持ってきてくれる。うん。やっぱりお団子と言えば餡子だよね。餡子にもこしあんと粒あんがあるけど、私としてはこしあんの方が好きだな。みたらしとか醤油、それに三色団子とか色々あるけど、私は餡子のお団子が一番好き。でも同じのを何本も食べると飽きることを分かってるのか、鈴はみたらし、醤油、餡子、ゴマの四種類をそれぞれ2本ずつ買ってくれた。もちろん私もお金を出して買った。


「アリサ。美味しい?」

「美味ひぃよ~」

「あ~…やっぱりアリサは可愛いわぁ~。はい、アリサ。もう一個あ~ん」

「ふぁ~ん」

「お前ら一旦食べるのやめろ」

「もう~正悟ったら~。あ~んしてほしいなら言えばいいのよ?」

「言わねーよ」


 正悟もお団子食べたかったのかな? そう思った私はゴマ団子を一つ取って正悟の方へ持ってった。


「正悟。あ~んして?」

「いや、だから別に俺は…」

「あ~んするのと口移し、どっちがいい?」

「あ~んでお願いします」

「それでよろしいのです」


 正悟は観念して口を開けたので、私は正悟の口にゴマ団子を入れた。鈴がその様子を羨ましそうに見てたので、みたらし団子を一つ取って、正悟と同様にあ~んさせて鈴の口の中に入れた。


「うん。アリサがくれたみたらし美味しいわ~。でもアリサ、あ~んか口移しかなんて私たち以外に言っちゃだめよ?」

「? うん、わかった?」

「俺にはよくわかってないように見えるんだが…。ともかく、さっさと取得可能スキルについて話し合うぞ」


 正悟は、PCとは別にタブレットをこちらに寄越した。画面にはアヴニールのHPが映っており、メニューの中に『初期取得可能スキル』の欄があった。『初期取得可能スキル』の欄にポインターを合わせると、武器スキルや魔法スキル、それに生産スキルに補助スキルと大まかに四種類に分かれていた。一先ず武器を決めない事にはどうにもならないと思ったので、武器スキルをクリックした。


 武器スキルには、【刀剣】【槍】【斧】【棍棒】【格闘】【投擲】【弓】といった基本的な物の他に、【鞭】【鎌】【鉄扇】【楽器】といった少し特殊な物まであった。


「えーっとなになに…。『武器スキルはスキルレベルを上げることでさらに細かく分類が分かれます。なお、分類が細かくなるにつれ、補正が上昇致します』だってさ。つか、これはこれで面倒だな…」

「何で面倒なの?」

「例えば、最初に刀剣スキルを取ってたとする。だが途中で棍棒といった棒術方面に移りたくなった場合、棍棒スキルを1から上げないといけないんだ」

「別に1から上げればいいんじゃないの?」

「そこでさっきの後半の文が影響してくる。おそらく、刀剣スキルってのはそれに含まれる種類の武器に対しては補正が掛かるが、その分補正値は小さいということだろう。逆に、その刀剣スキルの中で細かい分類の内の一つの場合、それしか扱えないが補正値は高い、ということだろう」

「つまり多芸と一芸の利点と欠点と言ったところね」

「そういうことだ。最初に方向性をミスると、修正に時間がかかるってことだな。ったく、運営もこういうことならもう少し早く情報出せよな…」


 方向性かぁ~…。美味しく調理するためには包丁による加工が必要だから…刀剣スキルかな? あとは調理する台やフライパンとかが必要だから木工や鍛冶とかそこらへんがあれば取得して…。


「ねぇねぇ、私刀剣スキル取る~」

「…アリサ、ちなみに理由は?」

「包丁が必要だから」


 私が答えるなり、いきなり正悟が頭を抱えたけど……私何か変な事言ったかな?


「ねぇアリサ? アリサは生産職をするの~?」

「戦闘職やるつもりだけど?」

「…え、えっと…刀剣スキルを取得したとして、武器はどうするの?」

「刀剣スキルだから刀剣だよね?」


 今度は鈴が頭を抱えたけど…変な事言ったつもりないんだけどなぁ…。


「アリサ……刀剣スキルってことは刀と剣ってことなんだ…」

「うん」

「刀と剣だと少し性質が違うってのはわかるか?」

「えっと、刀が日本刀とかで剣が西洋のって感じでいい?」

「まぁそれでいい。でだ。さっきも言ったが、スキルレベルが上がるにつれて細かく分類されるわけだが、お前が刀剣スキルに中でどんな武器を使いたいかによって、今後目指すスキルツリーが変わってくるわけだ」

「ってことは…今のうちに最終的に使いたい武器を決めろってこと?」

「そういうことだ。確かにミスっても修正はできるが、その分時間も取られることになる。それが同じ刀剣スキルとかだった場合はいいが、違ってた場合は更に時間が取られる」


 あ~…それは嫌だなぁ…。

 それにしても自分が使いたい武器かぁ…。と言っても、槍とか斧とか弓はなんか扱いにくそうだしなぁ…。


 私は自分の携帯で、刀剣に何が含まれるのか確認すべく調べ始めた。すると、刀には日本刀の他にも中国刀やサーベルといった物があったが、イマイチわかりにくかったので、刀は日本刀ということにした。

 次に剣の方を調べてみると、クレイモアといった大剣やダガーといった短剣が含まれていた。刀と剣の違いについて大まかに調べてみると、刀は片方に刃がついてて、剣は両方に刃がついているらしい。


「日本刀に普通の剣に大剣に短剣かぁ~…。どれがいいかなぁ~?」

「俺としてはアリサが大剣背負って戦ってる姿は想像できないんだよなぁ」

「漫画じゃないからねぇ~。女の子の背丈ってのもあるけど、大剣持つ程の筋力があるかっていう問題もあるものね~」

「短剣やレイピアは嫌なのか?」

「小っちゃい分扱いやすそうだけど…なんか短剣だとダメージ低そうだし、レイピアだと突くだからなんかちょっと合わなそう~」


 となると……日本刀か普通の剣ってところになるけど…。そういえば二人は武器どうするんだろ?


「私の事はともかく、二人は武器どうするの?」

「俺はそうだなぁ…槍か剣で迷ったけど、剣士っつーほうが俺には合いそうだからロングソードの予定かな?」

「私は魔法職がしたいから杖が含まれるっぽい棍棒スキル取るつもりよ~」


 ほえ~…二人とももう決まってたんだ~……私も決めないと…。でも正悟と被るのもよくないしなぁ…。

 となると、日本刀だけど……えーっと…日本刀は大まかに、太刀・打刀に脇差、短刀と長さで分かれてるっと。ん~…あんまり長すぎるのも嫌だけど短すぎるのも嫌だなぁ~。ってことは脇差ぐらいの長さがちょうどいいかな?


「じゃあ私日本刀の脇差にする~」

「アリサが脇差を差してる姿…若武者っぽくてちょっといいかも~…」

「おーい鈴ー、戻ってこーい」


 なんか鈴がうっとりした目で妄想してるっぽいけど、まぁ置いておこう。んでスキルは初期に十個取って、あとはスキルレベルを一定まで上げるとSP(スキルポイント)が貰えるって書いてある。武器は決めたからあとは魔法に生産に補助の中から取るのを選ぼっと。


 魔法スキルにはえーっと…【火】【水】【土】【風】【雷】【光】【闇】があって、ある方法で他の属性が派生したり修得出来たりすることが出来る、って書いてある。あっ、特徴も書いてある。なになに…


【火スキル】:継続ダメージや他の物に燃え移らせることができる。

【水スキル】:水を様々な形に変化させ操る事ができる。

【土スキル】:地面を操作し地形に干渉することができる。

【風スキル】:最も発生が早く、切り裂いたり自身の周りに展開することができる。

【雷スキル】:最も貫通力が高く、地形障害を無視できる場合もある。

【光スキル】:攻撃よりも回復やデバフを打ち消すような技が多い。

【闇スキル】:攻撃よりも戦闘を有利にするためのデバフ系が多い。


 んー光と闇がそれぞれ打ち消し合ってるような感じで、他の属性は相性としては火⇒風⇒雷⇒土⇒水⇒火、って感じなのかー。


「正悟は魔法は取るの?」

「魔法かぁ~。今んところ魔法剣士ってよりは、普通の剣士方面で考えているから取る予定はないな」

「私は雷とあと一つは風でも取ろうかしら~」

「あっ、戻ってきた。雷と風の理由は?」

「なんか雷と風って二つ使った時に相性で派生しそうだし、弱点属性とぶつかっても二つ持ってれば対応できそうだからね~。それに相性ってあるけど、たぶん陰陽五行のように相克はあっても火力が違ったらそこまで関係ないと思うのよねぇ」


 鈴は例え話として、マッチの火が風が強いと消えちゃうとか、大火事がコップの水で消えないのと同じ。と説明してくれた。確かに相性が良くても、限度っていうのがあるから私はその説明に納得した。

 ついでに風と雷についても推測の説明してくれて、空気が絶縁体だからその相性になってるんじゃないかとのことらしい。


「まぁまだ魔法については焦らないでいいんじゃない?余裕が出てきたら取るって形にすればいいと思うわよ」

「んー…じゃあ候補だけは決めとくー」


 鈴が風と雷だから残りは火、水、土、光、闇かぁ~。火はなんか暑苦しそうだから遠慮するとして、光も回復職はなんか大変そうだからパス。となると、水か土か闇かになるんだけど、私が水を使ってる姿が想像できない。鈴だったら絵になると思うんだけどな~。ということで水もないっと。

 と言うことで、


「消去法で土と闇になった~」

「お前の消去法が凄い気になるんだが…。まぁ魔法使うなら二種類は持ってれば色々対応はできそうだな。それ以上持つと扱い切れずに器用貧乏になりそうだな」


 とは言ったものの、土と闇って相性いいのかな?


次は7/3の08:00に投稿予定です。



2016/7/5 『所得』を『取得』『修得』に訂正しました。

2016/7/6 『ipad mini』を『タブレット』に訂正しました。

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