フェイト教
「ところでお姉様、さっきから気になっていたのですがその栗色の髪の女の子はどなたなんですか?」
バンドについての話が終わり、他愛無い話をしていると海花がフェイトの事が気になっていたのか聞いてきた。
うーん…正直に言っていいものか…。
私はフェイトに目配りをすると、別に気にしていない様子なので言う事にした。
「この子はフェイト。最近私の仲間になってくれた子だよ」
「ちょっと! 膝の上に乗せる必要はないでしょ!」
紹介のためにフェイトを膝の上に乗っけると、フェイトはぷんぷん怒り始めてしまった。
どうやら人前では恥ずかしがり屋なようだ。
「…なんか最初の頃の海花を見ているよう」
「あっあたしはあそこまでツンツンしてなかったわよ!」
「アリスに喧嘩売ったのに?」
「うぐっ…それは…」
私から見てもあれはツンツンしてただろう。
人に道聞くのだって偉そうにしてたしね。
「それでその子の能力は?」
「それにしてもその子人間? 機械人形という感じでもありませんし…」
「えーっと…」
「構わないわ。お姉ちゃんが信用してる相手ならいいわ」
「わかった」
私はフェイトから許可をもらったので、二人にフェイトのステータスを見せる。
名前:フェイト
―ステータス―
【虫操作Lv1】【大地魔法Lv1】【加護Lv1】【浄化Lv1】【土地活性化Lv1】【隠密Lv1】【浮遊Lv1】【状態異常耐性Lv1】【MP上昇+Lv1】【土地神見習いLv1】
特殊スキル
【信仰Lv1】【配下作成(神)Lv1】
【虫操作】:自分より格下の虫を操る。
【加護】:対象者に様々な加護を与える。与えられる加護は使用者の力によって異なる。
【浄化】:毒などの状態異常などを浄化する。
【土地活性化】:MPを使用して土地を活性化させる。
【浮遊】:浮くことができる。高く浮く場合はMPを使用する。
【土地神見習い】:土地神になるまでの過程であり、これが付いている限り見習いのままである。
【信仰】:信仰具合により能力が上昇する。
【配下作成(神)】:格下の神を配下にする。配下となった神の能力は使用者の能力によって変化する。ただし配下となった神は契約者の影響や指示は受けない。
「「……」」
フェイトのステータスを見せると、二人は唖然とした表情をする。
「お姉様…」
「アリス、その子神様なの?」
「正確には少し違うけど…一応は…」
フェイトからは最初精霊みたいなものって言われたからそう思ってたんだけど、実際ステータス見ると土地神見習いってなってるから、おそらく土地神ってことなんだよね…。
でもそのフェイトがあまり土地神としての自覚というのがわかっていないから、実際どうしたらいいのかわからないんだよね。
「神様までペットにするなんて…。お姉様は一体何をしてきたのですか…」
いや特にそんな大層な事はしてないんだけどなぁ…。
「でも【信仰】なんて聞いたこともないスキルあるし、神様で間違いない」
「そのスキルもどうやってレベル上げればいいかわからないんだよね。信仰と言ってもフェイトにその信仰が集まればいいのか、それともフェイトのいた土地に集まればいいのかがわからないから…」
正直廃村になってしまったあそこで新たに信仰を集めるなんて恐らく無理だろう。
本気で集めるならば、私があの場所に新たに家を建てて村を作る的な事をする必要が出てくるだろう。
でも安全地帯でもないフィールドにそういった建物を建てられるのだろうか、という問題もあるし、正直難しいところだ。
「なら試しに私たちがしてみる」
「試すって?」
「フェイト信仰」
そう言うとルカは手を合わせ、南無南無と言いながらフェイトに拝み始めた。
「えーっと…フェイト、何か感じる…?」
「流石に一人で変わるなら神様も苦労しないと思うけど…」
「だよねぇ…」
一人でわかるぐらい変化があるなら、有名な神様なんてもう世界壊せるぐらいの力あるんじゃないかな?
まぁ地道にやれってことだよね。
「むぅ…。ならプレイヤー全員にフェイトを拝むようにフェイト教を作ろう」
「いやそれはフェイトが恥ずかしさで悶えるからやめとこうね?」
「今フェイト教に入信すればアリスの膝枕を味わえる」
「何でフェイトじゃなくて私なの? せめてそこはフェイトの膝枕だよね?」
「いくらフェイトが可愛くても知名度が違う。最初の餌は知名度が大事」
「今ナチュラルに餌って言ったよね? 私って餌なの?」
「しかも膝枕が付いてくる。これはもう入信するしかない」
「入信してもしないからね?」
いきなり暴走しだしたルカを抑えつつ、どうしたらいいかを考える。
無難なのは街を回りながらフェイトにお手伝いをさせて、少しずつ感謝と信仰を集めるってのかな?
フェイトの能力的に、汚染された土地の浄化や痩せた土地を活性化させたりってのが合ってそうだし、そういうのを狙ってみるのがいいだろうね。
「海花は何かアイデアある?」
「アイデアですか? んー…やっぱりお姉様の膝枕では男性が多くなりすぎてしまうので、女性層の確保のためにお姉様の手料理を披露というのはいかがでしょうか?」
「うん、フェイト教の事はもういいから」
ダメだこの二人…。
全く人の話を聞いていない…。
「…お姉ちゃんの知り合いってこういう人ばっかりなのかしら…? 今後が不安だわ…」
いや、二人が今変になってるだけだからね?
変なところ心配しなくていいからね?
全くホント二人には困った…。
とりあえず、各地の街回りながら色々してみる事にしよう。
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