表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nostalgia world online  作者: naginagi
第一章
18/370

全ては美味しい物のために

日常編です。

 さてさて、また月曜日が始まってしまいました。休日が終わった次の日の学校や仕事に行きたくないこの感じ…何年経っても慣れません。とは言ったものの、そのだるい気持ちを頑張って起こして大学へ行く支度をしなければなりません。せっかく港街への街道が開通したのでさっそく行きたい気持ちが強いけど、そこを甘えるとずるずる引きずりそうなので、講義が終わって帰ってくるまで我慢です。とりあえず鈴はともかく寝起きの悪い正悟を迎えに行くとしよう。



「ふぁー…くそねみぃ…」

「しょーご。何時に寝たの?」

「んー…ログアウトしたのが…えーっと…とりあえず一時過ぎてた…」

「確かに楽しいのもわかるけど程々にするのよ~?」

「んー…」


 今の正悟は私たちに手を引っ張ってもらって大学に向かってる形となっている。正悟は変なところで甘えん坊なのだ。目が覚めてないから素直に引っ張られてるが、ちゃんと目が覚めたら恥ずかしがってぱっと手を離して普通に歩くようになるのだ。さて今日はどこまで引っ張ることになるのだろうか。



「あー…くっそ恥ずかしい…」

「まさか学内まで引っ張るとは思わなかったわよ~…」

「記録更新だね」

「そんな記録更新したくなかったわっ!!」


 いやーまさか学内まで引っ張るとは思わなかった。というか一限の講義室まで引っ張って席に座らせたところで目が覚めたんだもん。おかげさまで周りから変な目で見られました……恥ずかしい…。

 ところどころから「けっ…リア充が…」「やっぱあいつ処す? 処す?」「美女二人に手を繋いでもらうとか…」「俺もあいつみたいに勝ち組になりたかった…」「くそっ! 爆ぜろ現実(リアル)!」と主に男性の方々からの声が……まぁ正悟に対してだからいっかな?


 とまぁ午前の講義も終わってお昼ご飯になったため、食堂でNWOの情報交換をすることとなりました。


「そういやポータルが解放されたな」

「ポータルって何?」

「簡単に言えば一度行った街に移動できる施設だ。どうやら他の街に着いたら解放されるようになってたらしい。寝る前にインフォが来てたしな」


 ほほぉ~。エアストから北に向かった街なんて二日ぐらいかかるとか言ってたし、港街は近いと言っても一日ぐらいはかかるという話だもんね。それをいちいち移動してたら時間がいくらあっても足りないからね。そういう機能が付くのはいいと思う。運営さんGJ。


「ならこれで移動は楽になるからよかったー」

「そういや銀翼の旅団が南の街道開通させるっつっ話聞いたな」

「あら~、もうギルド作れるようになってたのね~」

「いやいや、まだ掲示板でメンバー勧誘してるってところだな。ギルド作製自体は話によると、複数回ギルドからの依頼を受けるとギルドからギルド証っつーアイテムが貰える試練だがなんだかが受けれるらしい。それをクリアーすると貰えるって話だ」


 南の街道? 旅団? んー?


「アリサ~? どうしたの~?」

「その銀翼の旅団って団長さんとエクレールさんのところかなーって思って?」

「……は?」

「だから団長さんとエクレールさんのところって」

「お前なんで旅団のやつらと面識あんだよ!?」


 いや…なんでって言われても…。


「その南の街道解放について行ったからだけど? 何か変なことあった?」

「いやいやいやいや…あの旅団に入るには審査されるからそう簡単に入れないんだぞ!?」

「何の話してるの?」

「はい?」

「掲示板で街道解放PTの募集してたから参加しただけだよ?」


 正悟は何を勘違いしているのだろうか? 私がギルドに入れるわけがないじゃないか。……コミュ障なのに…。


「い…いつの間に…」

「えーっと…情報質問スレ覗いたら募集があったから行っただけなんだけど…」

「まったく気づかなかった…」


 そもそも何故団長さんたちが南の街道を解放する話を知ってて募集のことを知らないのか…。やっぱり正悟は少し抜けてる。


「それで団長さんのところと一緒に街道にいた狼の群れ倒してきたー」

「よく【狩人】と【切断】あって何も言われなかったな」

「えーっと、偶々戦った取り巻きの狼が全部止めを私が刺せなくて、死体残らなかったから大丈夫だった」

「まぁばれてたら注目されてただろうしな」


 やっぱり狙って切断しないと攻撃力の関係上、倒しきれなかったもん。そう考えると私って【切断】使わないとPT戦だと役立たず…!?


「ねぇねぇ鈴ぅ~…」

「どうしたの~?」

「私って…PTだと役立たず…?」

「……え…?」

「だって私【切断】ないと火力低いし…」

「そんなこと気にしないでいいのよ~。最初は皆役に立たないって思うことあるけどスキルレベルとか上がれば次第に強くなるわよ~」

「そうそう、最初から強いやつなんていねえんだから気にし過ぎだ」


 んー…そうなのかなぁ…。気にし過ぎなのかなぁ?


「まぁ普通アリサみたいなことができるやつの方が少ないんだけどな…」

「知らぬは本人だけっていうことよね~…」

「なんか言った?」

「「何でもない(わよ~)」」

「んん?」


 変な二人だなー。


「んでアリサは今後どうするんだ?」

「とりあえず南で繊維系の素材集めようかなーって思ってるよ」


 蜘蛛とか蚕とか探さないといけないもんね。でも素材集めたとしてどんな服作ってもらおうかなぁ? やっぱり着物がいいかな?


「…だから何でお前は南で繊維系が取れるって知ってんだよ!」

「ナンサおばあちゃんに教えてもらっただけだよ?」

「ナンサさんどんだけ物知りなんだよ…」

「正悟ちゃんと街の人と話したりしてる?」

「うっ…」


 あっ…これはあんまり話をしてないっていう感じだ。


「正悟ー…」

「その…すまん…」

「正悟~言いだしたのは私たちなんだから、ちゃんとしないとダメよ~」

「反省してます…。って鈴こそちゃんと話してるのかよ!」

「えぇもちろんよ~。訓練場の兵士さんと仲良くなって訓練に付き合ってもらえたもの~」

「なん…だと…」


 ほえぇ~…訓練場もあるんだー。そうすると戦闘職の人たちは対人の練習とかできていいかもね。私の場合…回避の練習ぐらいしかできないよね…スキル的な意味で…。


「まぁともかく、繊維系の素材の情報わかったら教えるー」

「ありがとねアリサ」

「俺は北の方で他の素材でも探すことにするか。さっさと装備新しくしてぇ…」

「いっそのこと採掘系のスキル取っちゃえばいいじゃん」

「俺は生産より戦闘の方がいい…」


 私は採取系なので採掘までは考えてはなかったが、正悟の場合はそういう系を何も取ってないので一つぐらい取ってもいいと思うんだけどなぁ。


「でも港街ねぇ~…どんな海産物があるのか楽しみねアリサ~」

「すっごく楽しみ!」


 お魚お魚! 海鮮丼とか食べれるのかな? 塩焼きも美味しいし楽しみ! …ってあれ? そもそもお店に調理する用の調味料は多少はあるとして…醤油ってあるのかな? パンは作られてるから小麦はあるとして…そもそも大豆があるのか…? 海だから海水から塩を作ってはいるだろうけど…。


「…ねえ正悟、鈴…調味料ってどこかで売ってたっけ…?」

「いきなりどうしたよ。調味料なんか店で見たことねえなぁ」

「そう言われればお店で食べた時には最初から料理にかかってたぐらいねぇ~」


 えっ…ってことはまさか調味料は貴重で行商人とかからの輸入でしか手に入らない!? しかもお店で使う量ぐらいしかないってことは…。


「あうぅぅー…」

「だからアリサどうしたんだよ…」

「もしかして…調味料のことで悩んでるの?」

「うん~…だってせっかくの海産物食べれるのに、塩焼きぐらいしか食べられなさそうなんだもん~…。せめて醤油があれば刺身とか色々と…」

「そうねぇ~、小麦は見たことあるけど大豆は見たことないものねぇ」

「大豆ぅ~…どこにあるのだぁ~…」


 大豆がないと醤油も味噌が作れない…つまり先に探すべきは大豆…! …はっ!? そういえば酒場で煮物が出たってことは醤油に近いものを使っているはず! ということは酒場の人が大豆のある場所を知っているかもしれない! ログインしたらさっそく聞きに行かねば!


「正悟! 鈴! 私頑張るよ! 調味料のために!」

「お、おう…」

「が、頑張ってね~…」

「うんっ!」

「アリサ何か迷走してねえかこれ…」

「まぁアリサが楽しいならいいんじゃないかしらねぇ~…」

ストックが完全に切れたので書きあがり次第、次話を投稿しようと思います。

基本的には08:00に投稿予定です。

最低でも2-3日に1話投稿する形で頑張りたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ