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Nostalgia world online  作者: naginagi
第一章
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脱初心者装備

皆さんはRPGだと武器か防具どちらを優先させますか? 私は武器ですかねぇ

「よし、皆お疲れさん」

「おつかれー」

「アリスお疲れ様~」

「…なんでこの三人は平然としてんだ…?」

「さっきのことを平然とするのにもお姉さん驚いたんだけどね~…」

「アリスさん結構大物なのかもしれません…」

「見た目はお姫様っぽくておっとりそうなのにな…」

「「まぁアリスだし(ね~)」」

「??」


 さてさて、あとは解体した素材を分ければいい感じかな? 解体したのは熊三体に狼六体だから、大体一人頭一匹ってところかな? 私としては熊肉欲しいなぁ~…。狼の肉は手に入れて入るけど結局酒場の人に渡してないから食えてないしな~。


「んで解体した素材はどう分けるの?」

「あーそういや解体したんだったな。とりあえずそれぞれ希望言ってくれ。俺は金属がメインだから特にはないから余ったのでいいぞ」

「私も今のところ欲しいのはないから大丈夫よ~」

「二人とも欲がないな。俺も鉱石が手に入っていない状況だが牙や爪は欲しいところだな」

「お姉さんは毛皮かしらね~。クルルも多分同じよ~」

「そうですね。私も武器は木工系なので毛皮が欲しいです」

「俺はガウルと一緒で牙や爪かねぇ」


 ってことはガウルとシュウに牙や爪で、レオーネとクルルに毛皮渡せばいいのかな?


「私はお肉がいいから、残ったのはえーっと…」

「おい待てアリス」

「ショーゴ?」

「そうね~、私もアリスに待ったをかけたいわねぇ~」

「リンも?」


 首を傾げる私に二人はやれやれと言った様子だ。


「まぁ、そもそもアリスがいなかったら合計九体の素材は残らなかったしな」

「お姉さん遠慮しすぎるのは美徳じゃないと思うわよ~?」

「アリスさんはもっと言っていいんですよ?」

「俺らは本来そこまで貰えるとは思ってなかったしな」

「何の話? 素材分けるんだよね?」

「アリス、確かに分けるがお前の取り分は五割だ」

「何で!?」

「そもそも今回の狩りはアリスの【狩人】スキルがなかったらほとんど素材は手に入らなかったのよ~?」


 まぁ確かに素材は【狩人】スキルのおかげでほとんど丸々手に入ったけど…。


「つーことで、お前の取り分は熊二体に狼三体分な。お前ら構わんだろ?」


 他の五人ともショーゴの発言に頷き不満はないようだった。ショーゴが私に取引を持ちかけて「さっさとしろ」と急かすので仕方なく残りの解体した素材を渡した。渡した素材の中で六人はそれぞれの希望の品を改めて言い直し、均等な数になるように振り分けた。

 私は取り分が多すぎたため不満そうな顔をするが、リンとレオーネが左右から挟んできて頭を撫でたり抱きしめたりしてきた。リンの胸は結構でかいと思ってたんだけど、レオーネもリンといい勝負をするぐらい中々でかかった。私も自分の胸を触ってみるが、二人にはとても敵わないと思って少しため息をついた。

 何故かクルルがその様子を見て頷いてたけど…よくわからなかった。


「じゃあこれで解散?」

「いいえ、まだよアリスちゃん」

「初期装備のアリスさんをそのままにしておけません!」

「私もその意見に賛成ね~」


 え? 何をするの?


「アリスちゃん素材も一杯あるようだし防具作りましょうね~」

「最初は可愛くないと思いますけど、その内木綿とか繊維系の素材が見つかりますから我慢です」

「その情報がわかったらちゃんと行きましょうね~」

「わわっ!?」

「じゃあ俺たちは三人で狩りしてるから」

「わかったわ~」


 私は二人に挟まれたまま腕を掴まれて宙に浮く状態になった。どこに連れてかれるの!?

 私は二人に連行されながら移動し、大通りにあるとあるお店の前に運ばれた。


「ここは?」

「リーネちゃ~ん、いるかしら~?」

「はいはーいどちら様かにゃ?」


 店内に入ると猫耳を付けた女性がお店の奥から現れた。


「おぉ!? まだ初期装備のままの子がっ!? しかも美少女!?」

「リーネちゃ~ん、口調が素に戻ってるわよ~」

「はっ!? あまりの驚きについ戻ってしまったにゃ」

「アリス~、ここは裁縫系の防具を作ってくれるリーネちゃんのお店なの~」


 お店って…まだ始まって四日目なんですがそれは…。


「たぶん勘違いしてるから答えるにゃ。流石に始まって四日でお店を持つぐらいお金を稼ぐなんて無理にゃ。でも、生産職をやりたい人はロクな生産設備もない状態でやってもロクな物は作れないにゃ」


 確かに調合系ならいざ知らず、鍛冶とかはそういうのは難しい。


「そこで、そういった生産職用に簡易的な設備が付いたお店が借りられるのにゃー。ちなみにこっちの一ヶ月で1000Gかかるにゃ」


 こっちの一ヶ月ってことは…十日で1000Gってことか。狩りの状況にもよるけど、それなら十日で1000G稼ぐぐらいなら割となんとかなるし、いい感じなのかな?


「と言ってもお店の数も限られてるにゃ。私が大通りに近いここを取れたのもNPC…じゃなかった住人の人と仲良くなれたからなのにゃ」

「リーネちゃん昨日までNPCって呼んでたけど、掲示板見たから変えたのかしら~?」

「あんなの見せられたら変えちゃうにゃ~。それに仲良くなった住人も言われると納得するところもあったから特に抵抗感はなかったにゃ」


 掲示板ちゃんと見てくれてる人がいてよかった…!


「まぁ世間話もそれぐらいにして、ちょっとお願いしたいことがあるのよ~」

「そうね、お姉さんもそのために来たのだもの~」

「っということは作製依頼かにゃ?」

「アリス~毛皮全部出して~」

「全部…?」

「そうよ~」

「…わかった」


 私は言われたまま、【収納】に入っている毛皮を全て机の上に出した。


「っ………」


 何故か出した物を見てリーネさんは絶句してるけど…。


「これでアリスの装備を作ってほしいの~」

「なんじゃこの量はぁぁぁ!?」


 リーネさんの絶叫がお店の中に響いた。



「子羊の羊毛に狼に熊の毛皮…しかも、どれも今まで渡された大きさと全然違う…えっなんなの…? どうやってこの大きさを…? どこにも縫った形跡はないし…」

「リーネちゃーん、戻ってきなさ~い」

「アリス、普通あなたのやる事見たらああいう反応するのよ~? わかった~?」

「うっうん…?」

「まぁそうなりますよねー…」


 リーネさんがブツブツ言いながら何かを考えており、レオーネがリーネさんに声をかけ、私はリンに何故か説明され、クルルはリーネさんに同情したような表情をしていた。


「レオーネちゃん、リンちゃん…流石にこの量はその子の装備だけにしては過剰だにゃ…」

「えぇ、その事はわかってるわ~。と言ってここで使い切らなかったとしてアリスが他でさばけるとも思えないの~」

「そこでお姉さんたちは考えたのよ~」

「相場とかが全くわかってないアリスさんが自分で売り買いするよりは、信用できる人に売ったほうがいいと」

「そこで私にこれらを売るということかにゃ…?」

「そうね~。結構いい値段になると思うんだけど~?」


 毛皮はそれぞれ熊が四、狼が七、羊毛が一、兎が五といった数だが、【狩人】スキルを持っていない場合のドロップでの毛皮の大きさは半分以下程で、装備の素材にするには大きさが少し足りてなかったという説明もしてもらった。


「はぁ…わかったにゃ。熊の毛皮と羊毛は比較的に素材として使うから高めに買い取るけど、狼と兎の毛皮については防寒用の素材として使うけど、まだ防寒装備が必要な場所すらわかってないから低めに買い取るけどそれでもいいかにゃ?」

「それで構わないわよ~、ね~アリス~」

「うん」

「それでこの子の装備は何作ればいいのかにゃ?」


 防具かぁ…。とりあえず腕と胸当てと脇差用のベルトがあればいいかな? 初期服だとTシャツにハーフパンツだけだしそんぐらいあればいいよね?


「腕と胸当てと武器抑える用のベルトでお願いします」

「……一応全身作れる分の素材はあるけどいいのかにゃ…?」

「なんか邪魔そうなのでそれで」

「っ……了解だにゃ…。君の体型でそれだけなら十分熊の毛皮一つで足りそうだにゃ」

「はぁ…?」

「じゃあ残りの買い取りに移ろうかにゃ? 熊の毛皮が一つ500G、羊毛が600G、狼の毛皮が200G、兎が100Gでどうかにゃ?」


 ということはえーっと…500G*3+600G+200G*7+100G*5で4000G?

 おー結構いったー。


「それで防具製作費が一部位1000Gで合計3000Gになるにゃ。差引1000Gとなるにゃ」


 その発言を聞いた瞬間リンとレオーネがリーネさんに近づいて威圧をかけた。


「素材全部持ち込んでその値段ってどういうことかしらねぇ~…」

「あらあらお姉さん理由が知りたいわねぇ~…」

「えっえっと…その…素材を持ち込んでくれたから一つ1500Gのところを1000Gにしたのにゃ…」


 二人は納得いってないような感じだけど、私としては十分だと思ってる。


「二人とも、私はそれで大丈夫だよー」

「でもアリスっ!」

「そうよお姉さんがもっと値引きしてあげるわっ!」

「それだとリーネさんが困っちゃうでしょ?」

「「っ……」」

「二人とも、アリスさんがこう言っているんですしそうしてあげましょうよ」

「でもクルルっ!」

「大丈夫です。もし吹っかけてるとしたら今度は私も混ざりますから…」

「ひっ!?」


 にっこりしてるクルルの目が薄っすら開いてリーネさんを見つめる。リーネさんはそれを見て怯えたけど…。クルルって実は結構怖い…? 怒らせないようにしないと…ガクブル…。


「じゃ…じゃあ明日には完成させるからそしたら取りに来てくれにゃ…」

「あっありがとうございます…」

「ちなみに補正はどうするにゃ…?」

「補正…」

「単純にステータス補正にゃ。と言ってもまだ+1ぐらいの微々たるものだけどにゃー」

「じゃあDEXでお願いします」

「了解にゃ。んでこれが買い取りと依頼料を引いた金額にゃ」

「ではまた明日来ます」

「あっ、一応フレ申請しとくにゃ」

「あっお願いします」


 私はリーネさんから買い取りから依頼料を差し引いた1000Gを受け取り、そのままフレンド登録をしてお店を出た。

次は7/14の08:00に投稿予定です。

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