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Nostalgia world online  作者: naginagi
第三章
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迷宮イベント⑫

「まーま」

「んぅ…」


 あれ、また寝ちゃってたかな?

 それより誰かに呼ばれた気が…。

 私は起き上がって周りをキョロキョロするが近くには誰もいない。

 そして起き上がったついでに改めてレヴィの再召喚可能時間を見てみる。


「まだ半日以上かぁ…」


 てかレヴィにどんな顔すればいいんだろう…。

 まずは謝るってところはいいとして、他に何したらいいかなぁ?


「まーま」


 また呼ばれた気がするので周りをキョロキョロ。しかし誰もいない。

 私は首を傾げるが、私の着物の裾を引っ張られたのでそちらを向く。


「ネウラ、どうしたの?」

「まーま、むししちゃやだ」

「あぁごめんね…ってネウラ!?」

「なぁに? まーま」


 ネウラがちゃんと言葉をシャベッタァァァァ!?

 えっ!? ちょっと待って!?

 以前は舌っ足らずでママとしか言えなかったのに普通に話してる!?


 私は慌ててあわててネウラのステータスを確認する。

 すると【成長】のスキルレベルがいつの間にか35Lvになっていたのだ。

 でもいつもよりスキルレベルの上りが早かったけど何かあったかなと考えたが、よくよく思い出すとあのイベント前の戦闘が原因ではないかと思った。

 確かに食事などは大切だが、元はモンスターなのだから戦闘をさせないと成長するものも成長しないのではないのだろうか。

 そのため、あの時に戦闘をさせたため一気にスキルレベルが上がったのではないか。というのが私の考えだ。

 とはいえ…。


「まーま? どうしたの?」

「喋れるようになってよかったねー、ネウラ」

「うんっ、レヴィおにいちゃんもまーまと話したがってた」

「…レヴィが?」


 いつの間にかペット会議なんていうものがあったのだろうか…。

 何か不満でもあったのかな…?

 それに今回の事で余計に…。


「ネウラ…レヴィがなんて言ってたのか教えてもらえる…?」

「えーっとぉ、いつもかわいがってくれてありがとーっていってたよ」

「レヴィ…」

「ネウラもまーまだいすきだよー」

「…ありがと…ネウラ…」


 私は幸せ者だなぁ…。

 こんなにも二人から思われてたなんて…。



「…もう…大丈夫そうね」

「リン…」


 横から声がしたのでそちらを振り向くとリンが優しげな表情をしてこちらを見ていた。

 レヴィのことで随分心配させたようだ。


「ネウラが喋れるようになったのは喜ばしいけど、作戦の事で話があるんだけど平気?」

「うん。もう大丈夫だよ」


 ネウラのおかげで元気になれたし、レヴィにも後で謝るってことで気持ちに整理が付けられた。

 だから今度は迷宮突破に意識を向けなきゃね。



「レイド戦?」

「えぇ。ショーゴが解読した内容には『七つの仲間たちを集めよ』っていうのと、扉の前の足場に七つの紋章のようなものがあったのよ」

「それが何でレイド戦に繋がるの?」

「最初に私たちが解読した内容に『また七人の生贄が送られてきた…』ってのがあったじゃない? あれって一PTの最大の人数と一緒なのよ」

「つまり七つの仲間たちっていうのは七PTのことで、扉の前の足場の紋章をそれぞれ一PTずつで踏めってこと?」

「おそらくね。まぁ実際にアリスたちがタウロス君がボスじゃないっていう言質まで取ったからほぼ確実だと思うけどね」


 確かにタウロス君が自分でボスではないって言っちゃったからね。

 って、あれ?


「そしたらタウロス君あの扉の前から動かないんじゃ?」


 だって自分がボスじゃないってばれて、扉の前に行けっていうのが分かった以上、リスクを犯してまで離れる理由はない。

 私の思考を呼んだのか、リンはその考えを否定した。


「確かにタウロス君は動かないでしょうね。私たちが情報を他の人たちに知らせてたらね」

「えっ?」

「まだアリスたちが手に入れた情報を他の人たちには知らせてないのよ」

「なんで?」

「そんなことしたらタウロス君が本当に動かなくなっちゃうじゃない? だからよ」


 リンが説明するには、私たちが教えなければあの十字路に侵入する人はいない。てか侵入する必要がない。

 だってタウロス君にやられてしまうから。

 では彼らはどうするか。

 答えは情報を待つ、とのことだ。


 復活が出来るならば特攻してもいいが、死に戻りが出来ないこのイベントの現状、リスクをなるべく犯したくないということだ。

 ならば誰かしら情報を出してくれるだろうという他力本願な方に思考が働いてしまうらしい。

 するとどうだろう。

 すぐ来ると思っていたプレイヤーがいつまでも経っても来ない。

 ではタウロス君はそこからどうするか。

 そう、他のプレイヤーを探さなくてはいけないんだ。

 そして広場を離れた時がチャンスになる、というのがリンの説明だった。


「じゃあ情報は隠したままなの?」

「私たちが移動してから書き込む手はずとなっているわ。まぁ要は皆も苦労すればいいのよ、うふふ~」


 あっ、これは自分に腹が立ってる時の顔だ。

 どうやらリンは広場でタウロス君と対峙している時、私とショーゴを助けに行けなかったのに腹が立っているのだろう。

 あとは私たちが命がけで手に入れた情報をそう簡単に渡してたまるかっていうのがあるかな?

 気持ち的には4:6…いや、3:7ってぐらいの割合かな?


「それで時間は? いつ決行なの?」

「目安としては一日後かしらね。その間にチャンスがあれば行く予定だけど、その前にアイテム補充などをしてもらってそれ次第っていう感じね」


 アイテム補充かぁ…。

 って、あれ?

 私以外に【調合】持ちいたっけな…?

 二日前ぐらいも私がアイテム作ってたような…。


「リン、私以外に【調合】持ちっていたっけ?」

「アリスと一緒に採取してた子が一応作れるわよ。さっきからひーひー言ってるけどね」


 おぅ…仕方ない。私もお手伝いしますか。

 それにしても一日後かぁ…。

 レヴィの復活時間にも間に合いそうだし、良い感じなのかな?

 あとは再召喚したレヴィを見て、号泣しそうだけど号泣しないようにしないとね…。

モーニングスター大賞の一次発表ありましたが、今回の応募で私は…何の成果も!得られませんでしたぁぁぁぁッッッ!(しょんぼり)



あっ、更新頑張ります。

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