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ウエポンマスター

ウエポンマスター番外編 爆炎と陰謀の祭典

作者: K

番外編書きました!一応辻褄はあってます!

どうしても桜書きたくて…

感動の再開の時、キャラ崩壊とか嫌ですからね。

今回は切れ者感満載です!

是非お楽しみください!

健「うわぁ!でっけぇー!ここが『祭館パレード・アリーナ』かぁっ!」

桜「もうちょっと静かにしてよ、恥ずかしいでしょ。」

健「何でオメーが恥ずかしがってんだよ。」

桜「ここは公共の場よ!なんか偉い人もいっぱい来てるみたいだし、折角タキシード着てんだからもうちょっとピシッとしなさいピシッと!」

健「んなこと言われてもなぁ…」

時は少々遡り、神襲が終わってから健達が異世界へ行く間の御話。

健「にしても残念だよなぁ。みーんな来れないなんて。」

桜「優は帰省、明ちゃんはパワーウエポン科がなくなると成績が落ちるから猛勉強、聡君は風邪、調さんは図書館、流さんはファンに連れていかれ、山瀬くんは父親の元へ修行へ。刀と拳銃の四人は行方不明、爆弾とは面識なし。だったわね。」

健「よく覚えてんなぁ。」

桜「メモ読んだだけだけど?」

健「インチキだぁっ!」

桜「別にメモ読まないなんて言ってないしー。」

健「はぁ…しっかし、こんなのが、今じゃ俺より強いんだもんなぁ。」

桜「ナイフ持ってたらあんたの方が強いでしょ。」

健「返ってこねぇかなぁ。」

桜「返ってきたらラッキーよね。」

健「つまり俺は、このままじゃ弱いまんま。素手でドンパチやって神に参った言わせるオメーの方がよっぽど強ぇーよ。」

桜「そんなことないわよ。だって…」

桜の心に、桜を『護る』と言った健の姿が、蘇る。

パァン!

「!?」

男「動くなぁ!そして黙って俺様の指示を聞けェ!!」

健「クソッ…!テロかっ!」

女性「きゃああああ!」

女性が大声をあげ、走り出す。

それにつられて、他の客達も騒ぎだす。

男「黙れっつってんだろォがァ!!!」

─男のその怒号で、会場内は静まり返った。


準「やっぱり来なきゃよかったか?」

銃声が鳴る五分前。

準もまた、会場にいた。

城田から渡された招待状。内容はこうだ。

『冷暖房完備の会場で、極限までヒトに似せたロボットを御披露目致します。

主催 第一舞奏市市長 真木野まきの しげる

研究協力者 滝田 奈央

資金提供者 白山 大毅だいき

なお、会場内は非常用スプリンクラー全館同時作動、非常用暖房設備を採用しております。』

ロボットとは面白そうなので来てみたが、この人混みでは楽しめそうにない。

─と、準は一つの扉を見つけた。

トイレなどのある、別館の扉だ。

そこはここと比べれば実に快適なハズ。

そう思って準が別館に駆け込むと

─銃声が鳴った。


男「よーしそこに並べ。いいか、順番にだぞォ?」

仲間「警備員は捕らえてあるんだ。大人しくしてねぇと、誰も助けてくれないうちに死ぬんだぜ?」

仲間2「しかもここは要人だらけ。一人でも死んだらヤバいんじゃね?」

健「なるほど、それが狙いか。」

桜「狙いって?」

健「要人なら、財布にはかなり入ってる筈。そこを狙ったんだよ。そして金が入ってないと分かれば恐らく、次に奴等が取る手段は─」

男「あンだこいつ、雀の涙しか入ってねぇじゃねぇか!」

老人「あっいや、今日引き落とそうと思ってたところで…」

男「じゃあお前は向こうに行け!他の人質と同じとこなんか行くなよ。あそこにいるアイツのとこだ。」

そう言って銃を向ける。

老人「はっ、はいぃ!」

老人はそそくさと走っていった。

健「誘拐だよ。」

桜「何で?別に一人や二人入っていなくたって─」

健「いや恐らく、真の目的は身代金だ。かなり入ってると言っても、やはり現金の量はたかが知れてる。何故ならカードに入ってるからだ。そしてその金を使うには、暗証番号などで本人認証が必要な上、一度に大量送金すると怪しまれる。だから何度にも分けておかなきゃいけない分、人質を長生きさせなければならない。そうするといつばれるかヒヤヒヤだから、単純明快な誘拐で身代金をせしめ、人質を殺して高跳びする算段だっていうわけだ。まぁこれだけの人質、拳銃で殺して逃げるにはかなり時間がかかるはずだから、その前に俺が何とかして─」

ふと周りを見渡した健の表情が、凍り付いた。

桜「どうしたの?」

健「なっ、何でもねぇよ!」

健は必死に笑顔を作っていたが、長く一緒にいる桜の目からすれば、ばればれだった。


準心の声『爆弾だ…』

駆け込んだ先で、息を殺して状況を見ている準には、爆弾を見つけるのは容易だった。

館内にバランスよく配置されている黒い箱。恐らくそれらは全て、爆弾。

準『どうする…今から出ていったら、誰かが射殺されかねない…でも何もしないわけには…でも待てよ、奴等はどうやって…』

準は、暫し黙考した。


健『奴等の目的は解った!そしてその方法も!だが、問題は…俺等の脱出法…』

そう思い、辺りを見回す。

ふと、見つけた。

敵の監視下に入っていない存在を。

健『あいつなら…実行できるかもしれない…一応、考えておくか!』


男「おーしそれじゃあ、俺らは引き上げるから、テメェ等は大人しくしてろ、仲間を数人、置いてくからな!」

一通り見終えたテロリスト達が、ぞろぞろと別館に引き上げていく。

準『どうする、どこに隠れる?どこに隠れても、見つかったら…』

高校生「すいませーん!」

男「あンだァ?」

高校生「あそこに人が一人。」

準『まずっ!何やってんだあの高校生!』

高校生「まぁ隠れてたけど、テロリストを前にノコノコ出ていく人なんていませんから、許してやってください。」

男「検査はするけどな!財布の!」

高校生「じゃあ、ついでにあの人に、これ渡してきてもらえませんか?ミステリーファン仲間なんですよ!」

そう言って、消えるボールペン付きの紙を、男に渡した。

男「あ、あぁ。」

準『ミ、ミステリー?俺にどうしろと…』

男が近付いてくる。

男「んじゃあ先に、財布を出せ。」


健「さぁヒントは出し尽くした。あとはお前次第だ。」

桜「何の話?」

健「解放だよ。少々手荒いが、これなら全員無傷で脱出できる。さっき渡した紙が、あそこにいる人間が俺等を解放するための道標となってくれる。」


準『密室…暖房…同時…酸欠…男達の脱出…これってまさか!!』

男「どうやら『男達の脱出』なんていうミステリーを読んでるらしいが、それなら大体、分かるよな?お前等の末路。」

準「あぁ…わかってるさ…今、確信した…その前に、トイレに行かせてくれ。」

男「好きなだけ行きな。どうせお前等人質は…

─皆殺しだ。」


─三十分後。

一通り準備を終えた準は、男達がパソコンの前にいるのを確認し、客席などのある二階へ向かった。

所有している残りのパワーウエポンは三個。一つは小型、一つは被害が少なく、残りの一つは火力に優れている。

小型の爆弾で壁に穴を開け、そこから大きな出入り口の真上に移動。大型の爆弾を落として設置し、準備は完了。

一階に戻る。

倉庫の前まで来たとき─

仲間3「おいお前、何してる。」

ゾッとして振り返ると、テロリストの一人がいた。

仲間3「本館の競技場に戻らねェか!」

準「す、すいません!」

そう言って頭を下げ、消せるタイプのボールペンを、ドアの下の隙間から倉庫に向かって投げ入れた。

爆音と共に高水圧のスプリンクラーが作動し、たちまち辺りが見えなくなった。

男「何だ、何でこんなに早く作動した!?」

仲間3「あいつです!さっきこっち側にいた奴が、とんでもないキツネだったんです!」

男「くっそう、早く奴を探し出して殺せ!ひっくり返されるぞ!!!」

だがそうしている間にもどんどん浸水は進み、アリーナ全体は水槽のようになった。


桜「何よ、これ!」

健「脱出準備だ!皆耐えろ!浮き続けるんだ!」

テロリストの仲間達の持っていた銃は重く、既に水の底に沈んでいる。

底の方で爆発が起きた。会場に仕掛けてあった爆弾だ。


外では警告音が鳴り響き、外にいたマスコミが懸命に扉を開けようとしている。

だが、水圧のせいで扉はびくともしない。

その時─

爆弾『ケイコクデス。アトジュウビョウデバクハツガオコリマス。ミナサンサガッテイテクダサイ。』

マスコミ「爆発するぞぉ!皆下がれぇ!」

大声と共に、避難が始まる。

そして、ほぼ避難が終わった頃…

爆音と共に、出入り口から大量の水が流れ出し、中にいた客が水と共に流れ出てきた。

皆体勢を崩したが、鍛えられた警備員や健は即座に立ち上がり、テロリスト達を全員、お縄にした。


桜「あ~もう、ビッショビショ!どうしてくれんのよ!」

健「しゃあねぇだろ、あぁするしかなかったんだから。」

桜「まぁいいわ。しっかし、どうやってやったのよ。あのスプリンクラーとか。」

健「このアリーナの設備を使ったのさ。」

桜「設備ぃ?」

健「そう。あの紙に書いた、『密室、暖房、同時、酸欠、男達の脱出』ってのは、その設備と、奴等の脱出方法の事。『密室』は倉庫の事、『暖房』は、倉庫にエアコンはないからこの場合は緊急用の方。そうなるとそれは一般的には灯油!『同時』は全巻同時作動のスプリンクラーで、『酸欠』は、誰かが酸欠に陥ったときのために置いてあるヘアスプレー型の酸素ボンベのこと!これだけ言やぁ、もう解るよな?」

桜「放火して、スプリンクラーを作動させろ、ってこと?」

健「そう!あとはさっきと同じで、水が溜まったところで出入り口の爆弾が爆発、皆流れ出て油断した隙に捕まえて終わり、だ。問題はその部屋に火をつける方法だったんだが、紙に字を書いたそのボールペンを付けといて正解だったよ。」

桜「そっか!消えるボールペンはラバーの摩擦熱で消えるインクだから、そのラバーを使って摩擦を起こせば─」

健「酸素の溜まって灯油に浸かった部屋はたちまち炎上し、スプリンクラーを作動させるって寸法だ。元々、テロリスト達も、会場内の爆弾で人質を皆殺しにした後、水で流すつもりだったろうしな。それを使わせてもらったって訳さ。爆弾で骨だけ残して燃やした後、スプリンクラーで消火して俺等みたいなことをすれば、遺骨はごっちゃになって、誰が誘拐されたか、もしくは誘拐された人物がいたかさえわからなくできるからな。」

桜「なるほど、流石ね。でもよく、そんな大役、人に任せる気になったわね。あんたなら絶対、自分で買って出るやつでしょ。」

健「あぁ。でもなんか、あいつなら、できる気がしたんだ。自分でも何故だか、分かんねぇけどな。」


滝田「値は付かなくなってしまいましたが、よろしいでしょうか。」

真木野「構わん。もっと大きな計画がある。このくらいは、目を瞑るしかなかろう。」

滝田「わかりました。では、いつ頃がよろしいでしょうか。」

真木野「もういつでもいい。なるべく早く、だぞ?」

滝田「承知しております。では、失礼しました。」

滝田は電話を切った。

滝田「あの実力…あの二人なら、止めてくれるかもしれない…」

そう、呟きながら。

お楽しみいただけましたでしょうか?

今回はまさかの、健のアクションなし!

ですが自分でも、なかなかよく書けたと思います。

本編と一部、繋がっているところもあります。

っていうか伏線あります。

まぁでも何よりも、自分も楽しんで書いたので、読者の方々に楽しんでいただけると幸いです。

ありがとうございました。

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