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プロローグ
「お前が死んでからもう20年だな」
喪服に身を包み、一つの慰霊碑の前で手を合わせながらポツリとつぶやいた。俺の目の前の他にも左右に大量に置かれている。今から20年前、どこからともなく現れた化物によって殲滅するまでの2年の間に2千万人という多くの命が奪われた。
「実くん、お待たせ」
「遅いよお義姉さん。また迷子になってたのか?今年でもう48だろ」
「もう。実くんはいつも意地悪ばっかいうのね。真とは外見は似てるのに性格は正反対ね」
俺の兄貴、妹尾真とは一卵性の双子だった。俺達は外見はそっくりだ。身長も体格もすべて。ただ違っていたのが性格だけだった。
「じゃあまた来るわ」
慰霊碑に刻まれた名前を見て立ち上がり歩き出した。そこにはしっかりと名前が刻まれていた。『妹尾実』と……