第19話:南方作戦(その2)
短めですみません。しばらくは陸上戦が続くと思います。
「ふう、やっと到着だ。」そう言いながら篠山連隊長は小さな丘の上で自分の戦車の砲台上から自分の首にかけていた双眼鏡で海軍の攻撃で燃え上がるアメリカ陸軍基地を高みの見物と言わんばかりに見ていた。ちなみに彼の乗っている戦車は史実よりも強力になった1式中戦車である。
「艦砲射撃が止んだな。」篠山は乾いた唇を舐めながら言った。篠山は後ろに待機している自分たちの部下の方を向き、淡々とした口調で言った。
「これより攻撃をはじめる。皆準備はよいな?」部下たちは篠山の質問に応えるように雄叫びを上げた。篠山はそれを見て頷き、再び前方の遠くで燃え上がる基地を見た。と言っても、被害はあまり対した様子ではないようだ。兵舎と戦車の格納庫に何発か命中しただけでだった。やはり射撃はうまくいかないものだなと篠山は内心思いながらも自分のこれからの任務である迫撃戦のことを考えた。篠山は再び振り返ると何かを決心した顔つきで前進の命令を出し、篠山の連隊は前進を開始した。
攻撃を受けた基地は現在、混乱の極みであった。あちこちで燃え上がっている大小の炎の消火や負傷者の搬送などで混乱しているのである。
「お~い!大丈夫か!」それは司令塔でも同じであった。基地司令官や参謀たちが被害状況を調べていた。
「兵舎の一部で火が上がっています!!」
「格納庫にあった戦車はどうだ!?」
「だめです!!使い物になりません!!」基地司令官は次々に入ってくる悲痛な報告に歯の根をな歯の根を鳴らしていた。結果、歩兵の被害は少なかったが、戦車や装甲車の被害は甚大であった。しかし、重要なレーダーサイトは無事であった。
「レーダーサイトだけ無事だっただけましか・・・・」司令官はなんとか前向きに考えようとした。しかし、彼はおそらく今日、生涯で最大の不幸に見舞われるとは思ってもしないであろう。
篠山連隊は現在基地の近くの森に身を潜めていた。基地自体は先ほどの攻撃で混乱していて彼らには全く気づいていなかった。そのため接近は順調に進んだ。篠山は小声で歩兵大隊長に迫撃砲の準備を命じた。それから数分後基地の炎が先ほどよりも収まった頃、迫撃砲の準備ができた。篠山は自分の連隊長用の戦車に乗り、迫撃砲の発射を待った。
「畜生。ジャップめ。」死体の回収を行っている兵士がボヤいていた。バラバラになり、常人なら見ただけで吐きそうな程になってしまった死体を彼は回収していた。こいつはエルの足だなと足に中国の竜のタトゥーを入れた脚を見た兵士は思った。彼は神のご加護をと祈りながら左手に持っているすでに足やら手が入っている袋にそれを入れた。
「ん?」兵士は変な音を聞き取った。が、すぐに隣にいた軍曹が叱りつけた。
「おい!手を休めるn・・・・」兵士は一瞬何があったのかわからなかった。わかったのは軍曹の近くで小さな爆発があり、軍曹は肉片になったことだけだある。
そして振り向こうとした時、彼に腹部にまるで何かが貫通したような・・・いや、貫通したのだ。兵士は腹部を見ると赤黒い血がドクドクと流れ出て来て、兵士が意識が途切れる間近に見たのは先程まで恨んでいた銃口を十分に向けていた黄色い猿であった。
篠山連隊の攻撃はもはや芸術の域であった。兵士は無駄な動きなく攻撃をこなし、戦車は残った建物で抵抗する兵士たちに向かって砲撃を行い砕いた。この戦闘はもはや戦闘というよりは虐殺に近かったが戦争というのは相手よりも劣勢だとこのようなことになるのは普通である。基地には1200名の兵士がいたがその内120名は降伏、それ以外が戦死した(基地司令官を含む)。篠山連隊は任務を遂行した。




