第10話:帰路
今回は短めです。テスト期間が迫っているのにこんなものを書いていいのかと思う今日このごろです。
永田は紀伊の甲板の上でタバコを吸っていた。海戦中吸いたいのをずっと我慢していたタバコをやっと吸えて永田の心と体は満足していた。
永田はあたりを見渡した。戦艦などの主力は損害は少なかったが、軽巡や駆逐艦などの補助艦艇は少なからず被害が出ていた。
この<ハワイ沖海戦>の互いの被害は、
日本海軍
擊沈:<古鷹型重巡”古鷹”><松型駆逐艦2隻><陽炎型駆逐艦3隻
大破:<青葉型重巡”衣笠”><球磨型軽巡”大井”><陽炎型2隻>
中破:<伊勢型戦艦”伊勢”><河内型軽巡”神通”><最上型重巡”三隈”>
アメリカ海軍
撃沈:<フロリダ級戦艦”フロリダ”><フロリダ級戦艦”ユタ”><ネバタ級戦艦”ネバタ”><ニューメキシコ級戦艦”ミシシッピ”>ほか重巡5隻に駆逐艦多数(詳しい艦名がわからないため)
大破:<サウスカロライナ級戦艦”サウスカロライナ”>ほか軽巡3隻(上記と同じように詳しい艦名がわからないため)
このデータ小破は含まないことにする。
永田はまだ海戦の感覚を忘れてはいなかった。戦艦の主砲を発射した時の、それが敵艦に命中した時の興奮は日常の生活をおくる一般人では味わえない軍人だけにしか・・いや軍人でも前線で戦う・指揮をとる者にしかわからない闘争本能というものだ。
「・・・ふっ」永田は息を漏らした。これではまるで頭の狂った戦闘狂みたいではないか。認めたくないものだが、こんなことを行っている時点で俺はあの狂人たちの仲間ってわけだな。
海面はまるで先程まで壮絶な死闘を繰り広げてき舞台とはおもえないほど穏やかであった。早朝から始まった日米双方の砲撃戦は終わったのが正午を少し過ぎていた頃だった。日光が海面に反射して永田の顔を照らす。永田は少し眩しいのか目を細めている。
「海面が 照らす光が 眩しいぞ」また季語のない俳句のようなものをつぶやいた。