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人工太陽ミャミョリが照らすグレディオズフィオ城は、角度によって青赤黄と色を変える。西の草原には大恐竜フェトットトチャリスがスローライフを体現したかのような遅さで歩いている。その上空を飛び回るミャミョリの民たち。ポェリソラッソスの休日は、今日も飛翔日和だ。そんな中、倉庫を掃除しているメイドたちに混ざって、なにか面白いものがないか探しているのは、ルラピケ・ニニ・ポェリソラッソス。ほこりを被ったトランポリンを見つけ、わくわくしながらそれに乗ろうとする。そこでメイドが叫んだ。
「ルラピケ王女様、いけません! そのトランポリンは王様が子供の頃、ふざけた魔法をかけて物凄く高く跳べるようにしてある危険なもので、これで王様は弾き飛ばされて地上に出ていってしまったという事件が……」
トランポリンの上に飛び降りたルラピケは、瞬時にメイドの視界から消え、高く高く、地底の空へ届かんばかりに飛んでいく。
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《山田さん、パン屋経営の成功の秘訣とは?》
《そうですね、やはり突然地中から現れた身寄りのない子供を優しく助けてあげるような、思いやりの気持ちで従業員に接すること。これが一番だと思いますね。そして、助けてあげた子供が誘拐されても慌てず対応する危機管理能力。それがあれば、筋骨隆々の誘拐犯に立ち向かう強い部下が育つのです。そして人望が厚いなら、自分が拉致されても忠犬のような誰かがきっと助けてくれる。また、もしも助けた子供が家に帰れるようになった時、さっぱりと別れることができるような心意気。これらが、成功の秘訣と言えますね》
《はい。では、最後にパン職人とそれを目指す全ての人へのメッセージを!》
《この世界には二種類の人間がいます。それは梅干を食べる者と食べない者。前者の梅干族諸君は全身がスポンジ状になって滅びよ!》
「もしもし。よお春香。テレビ見てる? 今6チャンでおれがバイトしてたパン屋の店主へインタビューしてるぜ。インタビュアーがプロい。顔色一つ変えないことおかめの如く、笑顔を絶やさないことおかめの如く、それらが不気味なことおかめの如しだ」
『そんなことよりさあ、今日もグランドグリーン行かない? しばらくゲーセン行ってないし』
「いいな、それ。昼飯もまだだから、光楽苑にでも寄るか」
『オッケー、十二時に観覧車で待ち合わせね』
「分かった。ん?」
『どした?』
「いや、ちょっと地面が砕けた時みたいな音がしてさ。了解、十二時な」
『じゃ、待ってるから! あと、タバコ禁止! だいたい幽邃は』
「春香。おれが好きなことベストスリーを教えてやるよ」
『なに?』
「タバコと、小さな女の子と、春香や祥子と一緒にいることだよ」
『え!? て、照れるじゃんかばかやろー! じゃあ、十二時ね!』
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夕陽のハイビスカスが自分のインタビュー映像を録画している時、インターホンが鳴った。やってきた蓮太郎を玄関に迎え入れると、早速勧誘をされる。
「陽。やはり名づけの会に入るつもりはないのか」
「またか紅蓮兄さ……いや、蓮太郎兄さん。こっちはパン屋の経営だけでいっぱいいっぱいだ。むしろこっちが、その会のメンバーを従業員になるように勧誘したいくらいだな」
「まあいい。グランドグリーンに行こう。髑髏がまたライブをやるそうだ。説得する」
「あそこにあるパン屋は、私の家が繁盛したことで利益が減っているかもな。ざまあない。それはともかく、説得なら兄さん一人で行けばいい」
蓮太郎はため息を吐き、人差し指を立てる。 「昼飯がまだだろう。ラーメンを奢ってやる」
「どうせ勧誘するためだろうが、乗ってやろう」 陽はパンの次にラーメンが好きだった。
外に出ると、風がやや強く吹いている。その風に包まれ、それを飲み込む。春が来るのだな、と陽は思う。冬の空気でかさかさのスポンジのようになった体と心を、春の兆しが潤していく。
「行くぞ」
「うむ。……おっと、なんだ今の爆音は。地面が砕けた?」
「どこかで工事でもしているのではないか? ところで、まだ地底人の子供のことをちゃんと聞いていなかったな。今日はそれを聞くために来たというのも、理由の一つだ。説明を求む」
「そうだな」 陽は頷き、この冬に出会った超人な少女と、バイトの女のことを思い出す。 「……ばったり会えたら面白いのにな」
「む?」
「いや。さて、地底人のことだな。それを話す前に」
人差し指を立てる。そして今日も演説好きな夕陽のハイビスカスは意味もなく語りだす。
「レオンハルト・オイラーの地球空洞説では、地球内部の高度な文明を一個の内部太陽が照らしているとされているのを知っているか?」
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