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第十二章&第十三章

第十二章 強化合宿


「うわぁー!!すごい!!」

アニィがキラキラに輝く海を見て

笑顔で叫んだ。

「ここが魔界!?」

エミルも叫んだ。

「綺麗だろう。では改めて…



ようこそ魔界へ。今日から1週間は

君たちを徹底的にトレーニングする。」


アリスが真っ直ぐな眼差しで言った。

「とっ…トレーニング!?

アリス嘘ついたわね!!?」

エミルは顔を真っ赤にして怒っている。

「先生がいないから

何をしでかすのかと思ったら…」

メルバが呆れたように言う。

「アリスちゃんならただの旅行だけなんて

ありえないって思ってたよ!あはは!」

アニィが無邪気に笑う。

「やっぱアリスには敵わないや」

ナビもため息をついた。

「さぁ移動するぞ」

アリスの一声でみんな移動しだした。

「私、魔法で移動しちゃおっかなー」

アニィが言った。

「あ、ずるい!!」

エミルが魔法を使おうとしてる

アニィの邪魔をする。

「天の魔法っていいねー」

ナビが笑う。

「アニィ…このくらい歩きなさい」

メルバが呆れたように言った。

「メルバの言う通りだ。それに

私の家とも言えるこの魔界で

勝手に魔法を使うのはどうかと思うぞ?」

アリスは言った。

「はーい…」

みんなに怒られアニィは下を向く。


「あ!!なんか見えてきたわよ!!」

エミルが指差す先には町があった。

「わぁ…!すごい綺麗な町…!!」

ナビがうっとりしながら見つめる。

「この町はオルシィ。自然は豊かで

人々は皆優しく素晴らしい町だぞ」

アリスが笑顔で紹介をする。

「温かさが見てるだけで伝わってくる…」

メルバも思わず微笑んだ。

「では皆よく聞いてくれ。この町のシンボルであるあの時計塔が見えるか?」

アリスは遠くを指差した。

「うん!あの茶色のだよね?」

アニィが元気よく言った。

「そうだ。最初のトレーニングは

あの時計塔まで住民に気付かれずに行く事。

魔法の使用は許可する。だが住民や町に

危害を加えたら…それなりの罰を与える。」

アリスはそう言い残し魔法を発動して

先に時計塔へ向かった。

「なんだ…そんな事か。すぐ終わるよ」

メルバは余裕の表情を浮かべた。



第十三章 オルシィの住民


「ちょっ…この人たち異常じゃない…?」

エミルが額に汗を浮かべる。

「あはは…こりゃビックリだぁ…」

アニィも笑顔が引きつっている。


それもそのはず。アリスがいなくなってから今でちょうど1分。既に住民全員が

こちらを見ているのだ。

「違う意味で…すぐ終わった」

メルバの余裕の表情はとっくに消えていた。

「アリスちゃんは気付かれなかったのに…」

ナビが落ち込む。


「おい…。もう全員見つかったのか。」

アリスがいつの間にかこちらへ来ていた。

「そうみたい…っていうか

アリスはなんで見つからないの?」

エミルが不思議そうに聞く。

「…私は特別だ」

アリスは自慢気にそう言った。

「訳が分からないよ…まったく。」

メルバがお手上げというように

ため息をついた。

「ねぇアリスちゃん?

このオルシィの住民たちは

何故こんなにすぐ私たちに気付いたの?」

ナビが聞く。

「そんなの簡単だ。

お前たちが魔法を発動する際に

気配を消さないからだ。

まぁオルシィの住民の性質もあるがな」

アリスはそう言った。

「…なんか悔しいわね」

エミルが唇を噛む。

「アリス。お手本を見せてくれないかな?」

メルバが言った。

「いいぞ。じゃあついでに

オルシィの住民の性質も見せてやろう」

アリスはそう言って町に入った。

「私に宿りし風の神。

我が身に力を授けたまえ。」

アリスは小さな声で

目立たないように魔法を発動した。

しかしオルシィの住民たちはすぐに気付いてこちらを見た。

「私たちもこんな感じだったよねー?」

アニィが首を傾げて言う。

「そうだ。このオルシィの住民たちはどんなに小さな魔力にでも反応する。

今から町の暴れん坊と戦いに行くから

そこで手本を見せてやる」

アリスはそう言って歩き出した。



しばらくして小さな家についた。

「ここが暴れん坊のお家ね?」

ナビが聞いた。

「…見ていろ。」

アリスはそう小さく言って

庭に座っていた暴れん坊の背後にまわった。

それから目を閉じた。


…空気が冷たくなった気がした。


その瞬間アリスは目を開きマジック・アイを発動し暴れん坊に手をかざして

「風砲」と呟いた。


一瞬の出来事だった。


何が起こったのか分からない4人は

何回も目をぱちぱちさせていた。

「さぁ。これだ。お前たちもできるはずだ」

アリスは手をはたきながら適当に言った。

「…無理でしょ」

エミルが真顔で訴える。

「でも出来たら強くなれるんだから」

メルバが真っ直ぐな瞳でエミルに言った。

「うぅ…分かったわよ…」

エミルはしぶしぶ承諾した。

「さぁ。頑張っていくぞ!」

アリスはそう言って笑った。


その笑顔は無邪気で可愛らしかったが

4人は見ていた。暴れん坊を倒すため風砲を出したときのアリスのマジック・アイは

輝きが無く真っ暗で…

まるで殺し屋のような目をしていたことを。そして4人は確信した。

アリスはまだ私たちに

隠していることがある…と。





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