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第一章&第二章

第一章 「全国一魔女育成学園」



桜が咲きかける3月。

アリスはある学園にいた。

そこは人々の中で特別な力を持った者のみ

入学が許される不思議な学園。

その名も

「全国一魔女育成学園」

全国一とあり、各国から入学希望者が

続々とやってくる。

メトロワ・アリス。彼女もまたその一人だ。


この学園の今年の入学希望者は

辺りを見回しただけで

ざっと5〜6000人はいる。

アリスは

"この地球上に魔法を使える人が

こんなにいるのか"と

少しビックリしていた。

だがこの5〜6000人の中で合格するのは

たった5人。そのためなのか

受験者の顔は皆固く、

緊張しているようだった。

「まぁ、あたしの実力ならトップで

合格できそうね。」

ふと、となりで声がしたのでアリスは顔を

横に向けた。

横にはいかにも今回の受験に

自信があるような顔をした少女がいた。

「あれっ聞かれちゃってたのぉ⁈

恥ずかしいなぁ/////」

少女はさっきと全く違う声で言った。

「気持ちが悪い。」

「…え?」

「お前表裏がありすぎてて

見てて非常に不愉快だ。」

「なっ⁉何よ!このブ…」

少女はブスと言いかけ口を閉じた。

なぜならアリスがすごく美少女だったから。

金色の長い髪を耳の辺りで2つに結び

スタイルもよく、背がすらりと高い。

「くっ…この!!」

そう言い残すと少女は走り去って行った。

「ふぅ。面倒くさい」

ー数日後ー

アリスは"全国一魔女育成学園"

入学式にいた。

「メトロワ・アリス」

学園長に名を呼ばれ

アリスは冷たい声で「はい」と返事をした。

学園長に挨拶をし、また自分の席へ戻る。

「レノール・アニィ」

次の人が呼ばれる。

元気よく学園長の方へ行き、挨拶をした。

「スランダンス・メルバ」

また次の人の名が呼ばれる。

クールな返事をし、

礼儀正しく学園長に挨拶をした。

「ラグイング・ナビ」

優しく微笑みながら返事をする。

そして最後…

「アメルナ・エミル」

「はい」冷たく…。そう。

まるでアリスの真似をするかのような

言い方で返事をする。

アリスがはっと横を見ると

受験日に会ったあの少女が

こちらを見つめて静かに微笑んでいた。



第二章 自己紹介



「さぁ!みなさん初めまして!

私はあなた達の担任のクローリーです!

よろしくね!」

勢いよく教室に入ってはいきなり

自己紹介し始めた先生に皆少し引いていた。

先生はあれ?というような顔をしてから

気を取り直して言った。

「じゃあみなさんも自己紹介してみよっか」

一瞬にして5人の顔が引きつる。

「ちょっとみなさん⁈

そんな顔しないの!さぁさぁ!

名前、魔法の種類、一言をしゃべって

ちょうだい!」

「嫌だ。」アリスが言った。

「アリスさん‼そんな事言っちゃダメよ!

特にあなたは今年入学した5人の中で

トップ…って…は!」

アリスはそれを聞くと

少女…エミルの方を睨んで少し笑った。

エミルが悔しげにうつむく。

「ほぉ。私がトップ…。

なら自己紹介してやろう。」

「本当ね⁇」

「愚か者めが。私が嘘など

つくわけないだろ?」

「じゃあお願いするわ」

クローリー先生は目をキラキラに

輝せてアリスを見た。

アリスはゆっくり口を開けしゃべり出した。

「メトロワ・アリス。私の魔法は

"風"だ。私はなかなかに強いからな。

あまり手を出さない事をおすすめするぞ」

そう言うとアリスは不適な笑みを浮かべた。

「はい、ありがとう♡アリスさん」

「アリスちゃんだねっ!よろしく‼」

元気な声が教室に響く。

声のする方を見ると入学式で

アリスの次に名を呼ばれた子がいた。

「よ…よろし…」

アリスが言いかけたところで

先生が

「では次はアニィさんに自己紹介して

もらいましょうか。」と言った。

クローリー先生の声に、アニィは

言わなければ良かったというような

顔をした。

「うう…。えっと、私の名前は

レノール・アニィです。アニィって

呼んでね。魔法は"天"。天気や空などを

操る事ができるの!よろしくね!」

アニィが自己紹介し終わると

アリスが口を開いた。

「アニィ。よろしくな。」

その言葉を聞くとアニィの目が

キランキランに輝き出した。

「アリスちゃん!勝負しよ!

さっきアリス自身が強いって言ってたし

トップでしょ⁇気になってしょうがないよ」

「…いいだろう」

「やたっ!」

「ちょっと?先生の許可は?アニィさん?」

「よーいどん!」

アニィが元気良く叫ぶとアリスは小声で

「私に宿りし風の神。

我が身に力を授けたまえ。」

とつぶやいた。するとアリスの周りに

風が吹いた。

「私に宿りし…って早!アリスちゃんもう

魔法発動してるし!」

アニィが目をまんまるにして

アリスを見ている。

アリスはそっと髪を束ねているゴムを取り

目をつぶった。すると風が止んだ。

「チャンス!私に宿りし天の神。

我が身に力を授けたまえ‼」

アニィが大きな声で叫ぶと空から

大粒の雨が降りアリスにめがけて

飛んできた。

「アリスさん危ない!!」

先生が叫びアニィがニヤリと笑う。

その時、アリスがすっと目を開けた。

その目はいつもの黒じゃなく、

綺麗な銀色へと変わっていた。

そして目を開けると同時に

風がぶわっと吹き荒れ、雨がアニィの

方へと方向を変える。

「きゃああ‼‼」

アニィは床に座り込んだ。

アリスはつかつかとアニィの前に行き

手のひらをアニィへ向けた。

「死にたいか?」

冷たい声は教室の空気までも冷たくする。

「い…い…嫌っ‼助けて‼」

アニィはぶるぶると震えている。

「私の手のひらからは風砲がでるぞ…?」

アリスは楽しそうに笑っている。

「ひっ‼た…助けて‼」

アニィの目に涙が浮かぶ。

するとアリスは手を下げ、目を閉じた。

再び目を開けるともう目は黒に

戻っており、さっきのアリスになっていた。

「なんで…?何で"マジック・アイ"を…?」

「マジック・アイ?」先生が聞く。

アニィはぶるぶる震えながら説明し始めた。

「マジック・アイ。その名の通り

"魔法の目"を表す…の。

目の色は自分の魔法に近い色…。

だからアリスちゃんは風が銀だから銀色。

私の場合は天だから青色。

でもマジック・アイは

そう簡単に使う事はできないの。

魔力をたくさん使うし何より

技術がいる…。それを…使えるなんて…」

アリスを見ると髪をまた2つ結びに

してるところだった。

すると受験日に会ったあの少女が

口を開いた。

「ねえ。アリスと言ったわね?」

「んあ?何だキモい奴。」

「キッ…⁈まぁそれは置いといて…」

「自己紹介ね⁉」

クローリー先生がすかさず話を戻す。

「もういいわよ!

自己紹介すればいいんでしょ!

あたしはアメルナ・エミル。

"時"があたしの魔法。よろしくね。」

「じゃあ次はメルバさん!」

「ちょっ!あたしの話ないの⁉」

「私はスランダンス・メルバ。

"火"の魔法が使えるの…。よろしく。」

「火…か。私の弱い種ね。」

「ナビさん!自己紹介してくれるのね⁈」

「はい。私の名前はラグイング・ナビ。

私の魔法は"草"。植物を自由に操れるんだ。

仲良くしてね。」

「よし。自己紹介も終わった事だし

6000人の中から選ばれた

TOP5のあなた達に相談があるの。」



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