3回目のバレンタイン
2月14日
今日は私にとって特別な日。
寂しがり屋だけど頼りがいがあって、甘えん坊だけど甘えさせてくれ隼人との、3回目の記念日。
3年前の今日、私の恋は実り、それから2年、私は手作りチョコをあげていた。今年もあげたかったな…。まさか前日に熱を出すなんて…。隼人も楽しみにしてくれていた。ゴメンね…。
気分が滅入っていた時、インターホンが鳴った。家には私一人。玄関のドアを開けると、そこには隼人の姿。手にはクマのぬいぐるみと、包装されリボンがつけられた小箱が2つ。そして一言、
「たまには、こういうのもいいだろ?」
その言葉で全てが分かった。思わず泣き出し、抱き着く私。
「本当に嬉しいよ…。ありがとう…。」
部屋に上がり、笑顔で話す私と隼人。いつもの幸せな一時。
隼人が持って来た2つの小箱のうち1つは、予想通りチョコだった。きれいなハート型で、すごく美味しかった。もう1つの小箱が気になり、私は質問する。
「その箱は何?」
「開けたら分かるよ」
そう言い、箱を差し出す隼人。受け取り、箱を開けると――
ずっと私が欲しかったネックレスだった。
驚きと嬉しさで言葉を失う私。
「これ……」
それだけ言うのが精一杯だった。
「それ、ずっと欲しがってたろ?」
いつもと変わらない優しい笑顔でそういう隼人。やっぱり、私のことをよく分かってくれてる…。
隼人は、また泣き出してしまった私をを優しく抱きしめ、頭をなでてくれた。
改めて思う。
今までたくさんケンカもした。泣かされもした。私が泣かせもした。でも、どんなことがあっても、私は隼人が大好き。これからもずっと、一緒にいられたらいいな。心からそう思う。
私が泣き止んでも、隼人は抱きしめ続けてくれる。隼人の温もりをたくさん感じられる、幸せな時間。私は囁いた。
「……隼人、大好き……」