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#1守ると決めたもの

大切なものを守るのはとても難しいことなんだよ



 放課後のチャイムが鳴り、教室が一気にざわつく


「影斗!一緒に帰ろうぜ!」


「悪い、用事ある」


 暗月影斗はそれだけ言って鞄を持つ


 視線の先には白石陽


 友達に囲まれて笑っている


 胸が少しだけ苦しくなる


 幼なじみ


 ずっと隣にいた存在


 そしてずっと片思いしていた相手


(この想いを伝わることはない)


(俺は暗殺者だから)


影斗は暗殺者だった



---


 家に帰り、ベッドに倒れ込む


 スマホが震える


 暗号化された通知


【依頼】

ターゲット 白石家関係者

場所 第七区外れ 洋館


 影斗は画面を見つめる


「白石か、超有名な暗殺一家だな..」


(有名なだけあって厄介そうだ)


 少し間を置いて


「了解」



---


 夜


 黒いマスクをつけた影斗は洋館の敷地に降り立つ


 警備を避け、窓から中へ入る


 静かな廊下


 奥の部屋から気配


(いるな)


 ドアを開ける


 月明かりに照らされた後ろ姿


(ナイフを抜き、ゆっくり近づく)


(首元へ刃を向ける)


(振り下ろす)


 止まる


 刃が届かない


(なんでだ..)


 振り向いた顔


 白石陽


(嘘だろ..)


 心臓が跳ね上がる


 指が震える


 身体が言うことをきかない


 白石が一歩下がり、ナイフを抜く


「侵入者か」


 白石が踏み込む


 刃と刃がぶつかる


 影斗は斬りかかる


(やれる..やらなきゃ)


 だが白石だけには当たらない


 何度振っても、届かない


 白石の刃が影斗の頬を掠める


 血が滲む


(殺せない..)


「陽..」


 足音


 影斗の背後に二つの気配


「侵入者が入り込んだって聞いたけど」


「まさかガキ一人とはな」


 兄と弟が姿を現す


「陽、そいつから離れろ」


(まずいな..)


 弟がナイフを構える


「兄貴、先にやるか」


「当然だ」


 三人同時に動く


 影斗は弟の肩を裂く


 兄の腕を裂く


 だが白石には刃が向かない


「ちっ、こいつ白石家を狙ってきたくせに陽だけ外してやがる」


 兄が舌打ちする


 兄の蹴りが腹に入る


 弟の体当たり


 影斗は壁に叩きつけられ、膝をつく


 兄が近づき、影斗のマスクを掴む


 引き剥がされる


 白石の目が大きく見開かれる


「影斗..?」


 影斗は視線を落とす


「ごめん、白石」


 下を向いたまま


「..殺せ」


「ふざけんな!」


 弟が叫ぶ


「陽、そいつ知り合いなのか?」


 白石は答えない


 影斗は動かなかった


 いや、動けなかった


 兄の刃が影斗の喉元に向く


 白石が一歩前に出る


「待って!」


「どけ、陽」


「やだ!」


 白石は影斗の前に立つ


「この人を殺すなら、私も一緒に殺して!」


 弟が声を荒げる


「兄貴!」


 影斗がかすれ声で言う


「白石..どけ」


 白石は首を振る


「やだ」


「俺は..お前を殺そうとしたんだぞ」


「それでも..影斗だった」


 沈黙


 兄はゆっくり刃を下ろす


「今日は引く」


「だが次に会ったら、本当に殺す」


 兄弟は白石を連れて去っていった


 影斗は膝をついたまま


 床に落ちたナイフを見つめる


(守るって..なんなんだよ)



夜桜さんちの大作戦を見ました、すみません影響されてます

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