表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

夢の記憶

「びっくりしたーアンディのお家って、お城みたいなんだもの…本物のお城はまだ行ったことはないけど」

「領主の家だから、それなりに大きいとは思うよ」

「あっ、忘れてたわ。お菓子持ってきたのだけど、良かったら食べて」


 私はアンディにお菓子が入った袋を手渡した。


「ありがとう」


 あれ?

 首を傾げているわ。

 何故か驚いているけど…手土産って普通よね?

 いつも彼には貰ってばかりだし。


 私は、リビングに案内されてフカフカのソファに座った。

 正面にアンディが腰かける。


「初めてじゃない?ベルが家にくるなんて。驚いちゃったよ」

「そういえば、一人で来たのは初めてだったわね」


 私は紅茶に口を付けた。

 テーブルには、私が持ってきたクッキーがお皿に盛られている。

 街で美味しいと有名なお店の物だ。


「ベルは来年、魔法学院か。俺も行こうかな…」

「えっ?」

「冗談だよ」


 驚いた。

 真剣な顔で言うから、本気かと思っちゃったじゃないの。


「なんだ、冗談なんだ。でもアンディがいたら、安心なんだけどな」


 くすくすと私は笑う。

 本当にそう思うわ。


「本当に?俺、本気にしちゃうけど」


 アンディはクッキーに手を付ける。

 彼は甘いものに目が無いのよね。


「でも、アンディは魔法のスキルじゃないんでしょ?無理に来なくていいんだからね」


 魔法学院は魔法のスキルがないと、授業について行くのに苦労するだろう。

 無理に行くところじゃないと思う。

 流石に、今のは発言は冗談だろうけど。


 彼に会いに来て良かった。

 顔を見に来ただけでも、心が温まるわ。



 *** アンディ・ロード 視点



 彼女はある日、階段から落ちてから急に性格が変わってしまった。

 俺の家に来た時も、気遣いが出来るようになっていた。

 急に大人になった気がする。


 彼女は、女神さまから聖女のスキルを授かった。


 順調にいけば、彼女は王城に行く事になるだろう。

 だから、俺は努力することに決めた。

 今までは、ただ彼女の近くにいられれば良いと思っていた。


 聖女になるのならば、俺は力をつけないといけない。

 彼女にふさわしい存在になるように。


 力を示していかないと皆に認められないだろうから。



 ***



 不思議な夢を見た。

 俺は箱のような小さな家に住み、毎日決まった場所へ制服を着て出かけていく。

 白い建物の中で、みな同じような服を着て机に座っている。


 ――の帰り。

 毎日、顔を合わせる幼馴染の少女はどこか懐かしい。

 黒髪のショートカットで、灰色の瞳の女の子

 彼女は、俺の顔を見て笑った。


 誰だろう?


「…道也。一緒に帰ろ?」


 ――名前が呼ばれた。


 親しい間柄の様で、お互いに笑いあっている。

 少女ははにかみながら、俺と手を繋ぐ。

 不思議と胸が温かくなった。


「明日は――でも一緒に観ようよ」


 何かの約束をしていた。

 彼女にどこかで会った気がする。

 俺は少女にどこか親近感を覚えていた。


 何処だっけ?

 初めてあった気がしない。


 彼女は幼馴染だった。

 昔からの知り合いで…いつか告白しようと思っていたのに…。



 ***



「…夢か」


 机で勉強していたら、いつの間にか眠っていたようだった。

 燭台の明かりが部屋を灯している。


 俺は、魔法学院へ行くと急に決めたので、魔法の勉強をやり始めたのだ。

 先ずは魔法基礎の勉強から。

 入学試験がある学校なので、聖女以外は試験を受ける事になっている。


 まさか、学校へ行くため勉強をするとは思わなかったな。

 ある程度の基礎は身についているにしても。


 指で目元を触ると、雫が付いている。

 いつの間にか、泣いていたようだ。


 温かい夢だったはずなのに、何故だろう?

 思い出すと、締め付けられるように胸が痛んだ。


ここまで読んで頂き有難うございます。


下の☆☆☆☆☆から作品の応援お願いいたします。


面白かったら☆5つ、つまらなかったら☆1つ正直な感想で構いません。


ブックマークもいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ