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第32話 魔法の試験 2

 *** アンディ・ロードス・ウッドストック 視点


「皆さん、グループに分かれて並んでくださいね」


 演習場には、何か所か丸い的が置いてあり、いくつかのグループに別れてテストをしていた。


 入学して最初の頃のテストだけあって、実力を見るだけのようだ。

 狼狽えていた自分が恥ずかしい。

 俺はベルと違うグループになっていた。


「王子様、もうすぐ出番だよ。大丈夫かい?魔法得意じゃないの?」


 無意識に眉間にしわが寄っていたらしい。

 正直魔法は苦手だ。


「アンディと呼んでいいよ。クラスメートだしな」


 クラス内で気を遣うのも嫌だしな。

 外に出るわけではないのだから、名前呼びでいいだろう。


「そっか。僕パトリック・ブレイスフォード。パトリックでいいよ。よろしくね」


 茶髪で小柄な可愛らしい少年だ。

 彼に握手を求められる。


「王子っていうから少し勘違いしてたよ。意外と気さくなんだね」

「イメージと違ったか?学院で気を遣うのも疲れるからな」

「お…アンディとは、前から話したいと思っていたんだ」

「そうか。俺も男友達が欲しかったから丁度良かったよ」


 学院には数日しか来ていないから、友達を作る間がなかったからな。

 ベルの事で手一杯だったし。


 少しパトリックと話をしていると順番が回ってきた。

 使う魔法は指定されていなくて、得意魔法で的に当てれば良いようだ。


「試しに、水を使ってみるか」


『ウォーターボール』


 杖に魔力が集まり、空中に水の塊が出現する。

 浮遊するソフトボール大の水の塊を的に投げた。


「バシャン!」


 地味だが、一応当たったからこれで良いのだろうか?


「コントロールいいね。みんな魔法は発動するけど、的に当てるのが大変みたいだよ。僕も実は当たらなかったし…」


 見ると、ほとんどの人が的に当たらずに、全然違う方向へ向かっているようだった。

 コントロールは意外に難しいらしい。



 *** ベル・クリスタル 視点



 テストは思っていたより厳しいものでは無かったみたい。

 そういえば、まだ入学してからそれほど経っていないのだから当然ね。

 まずは的に魔法を当てるところから…なのかな?

 コントロールって意外と難しいのよね。


『ウィンドランス』


 風の槍を作って的に当てる事にした。


「「ドドドド…」」

 風の槍が降り注ぎ、的が大きく揺れる。


「「おおーーーっ」」


 驚きの声が周囲から漏れる。

 少し驚き過ぎじゃないかしら。


 バキン!

 威力が強すぎたのか、的が真っ二つに割れてしまった。

 やばっ!これ、弁償しないといけないよね?


「わわわ…ごめんなさい。弁償します」

「ベルさん。弁償はしなくて大丈夫ですよ?学院の備品なので、また購入すればいいだけですから」


 テストの様子を見ていたラン先生が言ってくれた。

 私の後ろに並んでいた人は、テストが受けられなくなったので違う列に並びなおしているわ。

 わたしの所為だ…申し訳ない。


 何とか的を元に戻せないかしら。

 素材は木のようだから…回復魔法とか?


『ヒール』

 私は折れた的に、両手をかざして回復魔法を掛ける。


「ベルさん魔法では直せませんよ。回復魔法は人の…」


 倒れた的は、ムクムクと枝が伸びて葉が茂り、あっという間に大きな木に成長した。


「あれ?」


 目の前の事に頭が追いついていかない。

 回復魔法で、木が成長した??


「「「わあああ!」」」

「いきなり木が生えたぞ?」

「一体どうなっているんだ」




授業は一時中断した。

生徒たちが騒いで、授業どころでは無くなってしまった。

採点担当の先生が、壊れた的の予備が無いか何処かへ探しに行ったみたい。



「ちょっとベルさん…こっち来なさい!」


 ぼーっとしていると、私はラン先生に腕を引かれ演習場の端に連れて行かれた。


「貴方、杖はどうしたの?」

「あ…」


 ラン先生に言われて思い出した。

 そういえば、すっかり忘れていたわ。

 魔法を使う時は杖を使うのだっけ。

 教室に置き忘れてしまっていた。


「はぁーーっ。杖を使わずにあれだけの魔法を使うなんて前代未聞ね。流石、聖女スキル持ちってところかしら。もしかしたら後は教会で修行するだけで、学院に通わなくても良いかもしれないわね」



 「「ガラガラガラ…」」

 

帽子を被り、エプロンを着た女性が台車を押して演習場へと入っていった。

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