表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/53

第12話 真夜中の出来事

 夜中に目を覚まして、窓の外を見たらアンディが魔法で空中に浮かんでいた。

 私は窓から身を乗り出して、彼の腕を掴む。

 全く無意識の行動だった。


「え?ベル?ちょ…なにし…」

 

 バランスを崩し、そのまま落下する。


「「きゃっ!」」

「「うわっ!」」




      *




「んんーーー?えっとここは…」

 

 気が付くと屋外に居るようだった。

 何で外にいるのだっけ?

 夜空には星が瞬いている。

 

 三階から落ちた衝撃で、気を失っていたみたい。

 その割に痛くない。

 下を見ると、私はアンディの上に乗っかっていた。


「あ、アンディごめん!」


 直ぐにどいたけど、アンディは気を失っている様子だ。

 頭を打ったのか、ひたいから血が流れている。

 私をかばって怪我をしたらしい。


 どうしよう。

 遅い時間だから、教会も開いていないしポーションも持っていない。

 いざという時、ポーションくらい持っておくべきだったわ。


 「痛っ!」


 立ち上がろうとすると、足をねん挫をしたのか立ち上がれない。

 助けを呼びにいこうにも立ち上がれない。

 

 目の前のアンディが、道也と重なって見えた。

 悪夢の光景を思い出してしまう。

 道也は、あのまま帰らぬ人となってしまったのだ。

 このままアンディまで失ってしまったら…。

 背筋が凍るように寒くなった。

 

【お願いです!アンディを助けて!】

 

 私は両手を組んでぎゅっと目を瞑る。

 女神エリナーゼさまに強く強く祈った。



 *** アンディ・ロード 視点



 俺は眠れなくて屋外に出ていた。

 魔法が苦手な俺は、魔法の訓練ついでに屋根に上ろうと考えていたのだ。

 夜空は不思議と心が落ち着く。


 風魔法で、夜空に浮かんでいるとベルが外を見ていて視線が合った。

 ベルも眠れないのか?

 近づいて、彼女に声を掛けると腕を引っ張られる。


 予想もしなかった行動に、バランスを崩し俺たちはそのまま落下した。


 目が覚めて、起き上がろうとしたら体に痛みが走る。

 何処か怪我をしたのだろう。

 

 ベルが目を瞑って必死に祈っている。


 辺り一面に、オレンジ色の光が辺りを包み込んでいた。

 幻想的な風景に息をのむ。


「痛みが消えた…それにこの光は一体…」


 ベルの瞳が大きく見開かれた。


「道也…良かった…」

「おい、俺はミチヤじゃ…」


 誰かと間違えられているが、まあいいか。

 どうやら、俺は怪我をしてベルの回復魔法で治ったらしい。

 まだ光魔法の使い方を、教わっていないにもかかわらずだ。

 きっと、彼女は凄い聖女になるだろう。

 

 俺はベルに抱きしめられていた。

「俺はアンディだよ」と言おうと思ったが、そのままにしておいた。


 そのうち気が付くだろうから。

 彼女はしばらく泣いた後、正気に戻ったらしく「ごめんね」と必死に謝ってきた。


「ううん」


 泣いた彼女が可愛くて、思わず見惚れてしまい…そのまま瞼にキスをしていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ