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【番外編】―物語が始まる前―【蒼月国サイド】―ジンと亜人たちの物語の始まり―

神楽かぐら じん


――「この世界の理を、変えてみせる」


元・日本の大学生。通学途中、事故に巻き込まれ命を落とし、異世界へ転移。

目覚めた場所は、亜人たちが、人間に虐げられている辺境の村だった。

最初はただの「風変わりな旅人」だった彼は、やがて伝説となる。


「力がないなら、知恵で戦えばいい。俺がその証明になる」


◆緋羽・レンゲ(猫獣人)


――「私は、ただ正しくありたいだけだ」


傭兵団の孤児として育ち、剣の腕だけを頼りに生きてきた女性剣士。

しかし、依頼人が亜人狩りを主とする帝国貴族だと知り、組織を裏切って逃走。

その中で彼女は「生き抜くための剣術」を独学で身につけた。

剣の腕は、我流ながらも部隊中でも屈指の腕。

ジンと合流後は、その「戦う意味のある戦い」に心を打たれ、彼の刃となることを選んだ。


◆玄武・ガロウ(虎獣人)


――「守るための力は、砕けぬ壁でなければならん」


故郷の山村で長年村を守ってきた元族長。

だが、帝国の略奪部隊に村を焼かれ、民の多くを失う。

復讐心に駆られるが、生き残った自分に絶望しかけていたが、ジンの呼びかけに応えた。

「今度は、国を守る盾になれ」と。


◆銀牙・シン(狼獣人)


――「俺は強くなりたい。誰にも従わず、誰にも奪わせない強さを」


人間によって家族を殺され、闘技場に売られた過去を持つ。

戦うことしか知らず、生き残るために無数の命を奪ってきた。

復讐心で荒れていた頃、ユナと出会い「戦う理由」を教えられ、道を見出す。


◆花霞・シュイエン(エルフ)


――「もう逃げないわ。私の魔法は、誰かを守るためにある」


エルフでありながら、幻術と毒を好んだ異端児。

幻術の使い手で、元はリュミエルの秘密部隊に所属。

だが、仲間を囮に使う任務命令に反発し、逃亡。

追われる中、ユナと出会い、その誠実さに魅せられて、仕える決意をする。


◆烈炎・カンロウ(熊獣人)


――「燃えよ、怒りを超えた炎となれ!」


戦好きな野性の戦士で、かつては各地の部族間抗争で名を馳せた男。

しかし、仲間を失い、力だけでは守れない現実に打ちのめされる。

酒と炎の魔術を愛し、「戦って勝つ」ことが何よりの誇り。


◆鎧黒・ユズハン(ライオン獣人)


――「勝つだけでは意味がない。勝ち続けるために、戦略が要る」


元亜人傭兵団の副団長。頭脳派で、数多の戦場で撤退戦を指揮してきた。

無為に死ぬ仲間に絶望していた中、ユナの指揮する戦で圧倒され、

「理を超える“奇跡”の戦術」に惚れ込み、配下となる。


◆月影・ミナギ(ダークエルフ)


――「私に居場所なんて、ないと思っていた……でも、ジンは違った」


かつて帝国の諜報機関に属し、使い捨てのスパイとして生きてきた。

暗殺を生業とする影の一族に育ち、感情を捨てて生きてきた。

標的としてユナに近づくが、その過去も全て見抜いた上で受け入れられたことで、自分の存在を初めて“許された”と感じた。

以後、忠義を誓い、“蒼月の刃”として戦場を駆ける。


◆ユナ・グレイス(白虎獣人)


――「民を導くとは、静かなる決意だ」


白虎の獣人族として、古より森とともに生きてきたユナは、一族の族長にして、強さと慈愛を併せ持つ女だった。


彼女は幼い頃より“氷”の加護を持ち、戦場では白銀の刃を纏う《氷牙・白虎陣》を展開し、敵を寄せ付けなかった。だが、平和を求める思想ゆえ、戦争を主張する派閥の長老たちと対立することになり、やがて族長の座を追われる。


失意の中、彼女は森を出て、辺境の地で亜人たちの避難所を設けた。そこには、戦火を逃れた者たちが自然と集まる。


やがて彼女は、弱き者たちを守るために再び武器を取り、独自の遊撃部隊を結成。


その活動の中で、一人の異邦人と出会う。彼の名はジン。まだ何者でもないが、誰よりも熱く、誰よりも賢く、そして誰よりも、彼女たちを“対等”に扱った。


ユナは彼の背に、かつて失った「理想の未来」を見た。

それが、“蒼月”の始まりだった。


彼女の母のような優しさに惹かれた者は、数多い。

普段は口数が少なくクールな感じだが、仲間の窮地には命を懸ける

ジンと合流後は、彼の「右腕」ではなく「補佐」として組織を支える。


◆雷迅・リョウカ(雷鳳族)


――「ジンのバカ!でも、信じてるからねっ!」


自由気ままな性格だが、空を舞う高速戦術を得意とする亜人。

雷鳳の血を引く希少な亜人族に生まれたリョウカは、生まれついての“異端”だった。


村の中でも異能を恐れられ、幼い頃から疎まれて育ったが、それでも彼女は屈しなかった。雷を纏った拳で、村を荒らす盗賊を叩き伏せる。


ジンとは、最初はその冷静沈着な指揮に不信を抱いたが、命を賭けて仲間を守る姿を見て「こいつ、口先だけじゃない」と認めるようになった。


今では誰よりもジンを信頼し、彼の勝利の一部であることを誇りに思っている。

空より疾く、仲間のために舞い続ける。


◆セイリオン・アルフェクト(元・リュミエル六耀将/蒼月国)


――「この手が、また誰かを救えるなら。俺は何度でも剣を取る」


かつて、リュミエル連邦の英雄と呼ばれたエルフの青年。

光属性の神聖剣を操る六耀将の一角として、前線でも指揮でも比類なき活躍を見せた。

貴族出身でありながら、決して威張ることなく、すべての種族に対して公平な姿勢を貫いた。

その真っ直ぐすぎる性格が、一部の上層部からは「危険な理想主義者」として煙たがられていた。


あるとき、リュミエルの中央評議会が、帝国との“非干渉協定”の裏で、

辺境の亜人たちの弾圧を黙認していることを知る。


正義感に燃えたセイリオンはこの密約に異を唱え、

自らの手で“見捨てられた亜人集落”の救援を強行。

だが、その行動は「軍規違反」として断罪され、

六耀将の座と階級を剥奪される。


そんな彼のもとに、ある日「とある戦場を統べる謎の男」の噂が届いた。

論理で説明できない勝利。偶然にしては出来過ぎた采配。


興味本位で接触したセイリオンは、ジンという男と出会う。

彼の戦術には、“人”の熱があった。

数字では測れない、仲間への信頼、想い、それを読み取る力。


「この男となら、未来を描けるかもしれない」


セイリオンは全てを捨て、ジンの参謀となる道を選ぶ。


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