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譲り羽  ―ゆずりは―  作者: 天野鉄心
第四章 恋人たち
89/485

プライベートアイ ④

   ※


〈…………もしもし? 俺だけど〉

〈お疲れ様デース。ドウシマシタカ?〉

〈とりあえずは礼を言っとかなきゃな〉

〈お礼? 私にデスカ?〉

〈当たり前だろ。洲本走連(スモソー)の分までHDを確保してくれたんだ。武器とかも、想像以上だったしな〉

〈オー! これは一般回線ネ。ソーデンジャラス! 死にたいんか?〉

〈……それはこっちのセリフだ。正体不明の気球、アレはテメェが関わってるんだろ? アイル キッキンナップ ユア アス!〉

〈…………〉

〈カモン! モリサン! 黙るってことはイエスなんだろ?〉

〈イエス。……だったらなんだって言うんだ?〉

〈別に。ただ、今ここで誓え! 俺につくか、俺の敵になるか。今までの宙ぶらりんな関係を精算しとこうじゃないか〉

〈…………〉

〈おいおい、迷うことかよ? ウチの対抗ったら淡路暴走団(アワボー)空留橘頭(クルキ)しかねーだろ。ウチか奴らか、迷うまでもないはずだ。カモン メーン?〉

〈………………チッ〉

〈それが答えか? 守山丞太郎(もりやまじょうたろう)! それとも、能村雅代(のうむらまさよ)って呼んだ方がいいのか?〉

〈ファック!〉

〈ファック ユー トウ!〉

 テツオは閉じていた瞼を開いて舌打ちする。

「チッ! 切りやがったか」

「テツオ。その様子じゃ決裂したのか? ちょっと早かったんじゃないか?」

「いや、今しかないだろ。モリサンのバックはかなりデカイ。今関係を断っとかないとこっちが飲み込まれちまって、都合よく使い捨てられるのがオチだ」

「……それはさすがに」

「アワボーとクルキを見てみろよ。絶海の孤島でもないのに、気球から救援物資落としてもらうだけだぞ? そんな助けられ方されたくないだろ?」

「まあな。……でもその情報もフランソワーズから聞いたんだ。どこまで真実かは分からんよ」

「そうか……。確かに……。なるほど、ある線だな。……HDとエアバレットは奴らも手に入れてて、開発者が出向けない分、教則DVDも手元にあると思っといた方がいいな」

「石橋を叩くねぇー」

「当たり前だ。ぶっ壊れるまで叩いてから、新しい橋を架けて渡るのが俺のやり方だ」

「ハハハ、違いない。……俺の主義を知ってるかい?」

「あん? 何だよ?」

「そんなお前の少し後ろを付いていくのさ。これが一番安全だ」

「ハッハッハッ! 一番最初に裏切る奴の考え方だな!」

「……違いない」

「……瀬名、裏切るなよ? 出来れば友達は失いたくない」

「俺もさ。でも……約束はできないなー」

「クックク……。アハハハッ!」

「笑うなよ。裏切りたくなる」

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