プライベートアイ ④
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〈…………もしもし? 俺だけど〉
〈お疲れ様デース。ドウシマシタカ?〉
〈とりあえずは礼を言っとかなきゃな〉
〈お礼? 私にデスカ?〉
〈当たり前だろ。洲本走連の分までHDを確保してくれたんだ。武器とかも、想像以上だったしな〉
〈オー! これは一般回線ネ。ソーデンジャラス! 死にたいんか?〉
〈……それはこっちのセリフだ。正体不明の気球、アレはテメェが関わってるんだろ? アイル キッキンナップ ユア アス!〉
〈…………〉
〈カモン! モリサン! 黙るってことはイエスなんだろ?〉
〈イエス。……だったらなんだって言うんだ?〉
〈別に。ただ、今ここで誓え! 俺につくか、俺の敵になるか。今までの宙ぶらりんな関係を精算しとこうじゃないか〉
〈…………〉
〈おいおい、迷うことかよ? ウチの対抗ったら淡路暴走団か空留橘頭しかねーだろ。ウチか奴らか、迷うまでもないはずだ。カモン メーン?〉
〈………………チッ〉
〈それが答えか? 守山丞太郎! それとも、能村雅代って呼んだ方がいいのか?〉
〈ファック!〉
〈ファック ユー トウ!〉
テツオは閉じていた瞼を開いて舌打ちする。
「チッ! 切りやがったか」
「テツオ。その様子じゃ決裂したのか? ちょっと早かったんじゃないか?」
「いや、今しかないだろ。モリサンのバックはかなりデカイ。今関係を断っとかないとこっちが飲み込まれちまって、都合よく使い捨てられるのがオチだ」
「……それはさすがに」
「アワボーとクルキを見てみろよ。絶海の孤島でもないのに、気球から救援物資落としてもらうだけだぞ? そんな助けられ方されたくないだろ?」
「まあな。……でもその情報もフランソワーズから聞いたんだ。どこまで真実かは分からんよ」
「そうか……。確かに……。なるほど、ある線だな。……HDとエアバレットは奴らも手に入れてて、開発者が出向けない分、教則DVDも手元にあると思っといた方がいいな」
「石橋を叩くねぇー」
「当たり前だ。ぶっ壊れるまで叩いてから、新しい橋を架けて渡るのが俺のやり方だ」
「ハハハ、違いない。……俺の主義を知ってるかい?」
「あん? 何だよ?」
「そんなお前の少し後ろを付いていくのさ。これが一番安全だ」
「ハッハッハッ! 一番最初に裏切る奴の考え方だな!」
「……違いない」
「……瀬名、裏切るなよ? 出来れば友達は失いたくない」
「俺もさ。でも……約束はできないなー」
「クックク……。アハハハッ!」
「笑うなよ。裏切りたくなる」




