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譲り羽  ―ゆずりは―  作者: 天野鉄心
第八章 嗅覚と勘
232/485

胸騒ぎ ④

   ※


 旧東京都千代田区永田町。

 首相官邸の執務室を出た御手洗清(みたらいきよし)は、彼の次男で第二秘書につけている(たかし)に準備させたミーティングルームに移り、オンライン会議用のモニターの前に座した。


 新皇居における自衛隊の行動が取り沙汰され、昨夜は報道陣を前にした囲み会見のあとも第一秘書加藤彩海(かとうあやみ)らと対策を練り、僅かな睡眠の後にも関係各所とのやり取りに忙殺された。


 昼食後に少しばかりの休息を挟んだが、ジャケットを脱ぎノーネクタイでモニターに向かう御手洗の顔には若干の疲れが滲む。


「……ホットでよろしかったですか?」

「ああ、構わん」


 御手洗の体調を慮って控えめにカップを配した彩海に礼を言い、いつもより香り高いホットコーヒーを一口啜る。予想通り濃く淹れられたコーヒーは目が覚めるほどの苦味と重さだったが、ツンと鼻の裏を通り過ぎる酸味は口内をさっぱりとまとめてくれるので、御手洗の気分が一気に変わった。


「よし、やってくれ」


 傍らに立つ毅に合図を送ると、待機させていた回線を繋いでモニターに映像が映し出された。


 四分割されたモニターには右上に三枝(さえぐさ)防衛大臣が、左上には防衛省官僚が、右下には陸上自衛隊幕僚長がカッチリとした服装で着席している。

 左下には空席の映像が映っていて、御手洗が確認する前に毅から「定岡先生が遅れておられます」と説明が入った。


「む……。俺の肩代わりをしてもらってるのだから仕方ないな」


 理由を尋ねかけた自分を律し、御手洗は理解を示すとともにオンライン会議で済まさねばならない事態に苛立ちを覚えた。

 首相公邸並びに官邸の周辺には報道陣の姿が認められ、昨夜の会見では不足なのだと言わんばかりに張り付いており、官邸の出入りは何者であっても過敏な反応が見られた。


 一昔前であれば電話や構成員に言伝る手立てもあったが、使い古された手法は些細なことで露見しやすく正確性を欠いてしまう。

 そうした理由から時間を確保し、表情なども見て取れるオンライン会議が主流となったのだが、これはこれで定岡官房長官の遅刻で分かるようにカメラの前に張り付く必要が生じた。


 同じネット回線を使用するのであればH・Bで事足りそうなものだが、中継アンテナの担当範囲を跨ぐことで通信が不安定になったり密閉性が疑われたり、H・Bの制約上記録を残せないなどの理由から多用されない。


 こうした前提が御手洗のスピード感にマッチしないのだが、この会議を今行うためには我慢するほかない。

 報道陣の注意が逸れるのを待っている場合ではないからだ。


「やむを得ん。『おさらい』をしてる間に追いつくだろう」


 画面の中の三人と彩海ら秘書に確認し、防衛省官僚によるあらましの再確認から会議がスタートした。


 防衛省官僚の説明は御手洗が旧南あわじ市長からの自衛隊派遣要請を受けたところから始まり、防衛大臣から防衛省・自衛隊統合幕僚総監部・陸上自衛隊幕僚監部へと命令が下り、研鑽された行動予定が逆回りで御手洗へと返り、内閣官房と防衛省を交えたすり合わせを経て正式な命令として派遣が決定したところまで進んだ。

 そこからは陸上自衛隊幕僚長が引き継ぎ、伊丹駐屯地の陸上自衛隊第三十六普通科連隊司令部に通達し、タイムスケジュール通りに旧南あわじ市賀集に到着、即時交戦へと至り現在までの動向が伝えられた。


 その途中に定岡官房長官がモニターに現れて一礼し、御手洗も頷きかけて会議に集中する。


「――以上が現在の状態、ということやな」


 幕僚長の説明のあとに御手洗が昨夜の会見までの運びを付け足し、事態の再確認は結ばれた。


「さて、ここからの対応の話になるんだが、俺としては少々強引な理由を付けてでも住民避難を行って自衛隊の底力を示したいところなんだが――」

「総理! 総理! それは流石に――」


 御手洗が全てを話さないうちに慌てて定岡が話を遮った。

 ただでさえ遅刻で浮き出ていた冷や汗が脂汗に変わる勢いで腰を浮かせている。


「いやいや、最後まで聞いてくれないか。俺だって立場と状況くらいは分かっとる。いきなり突入を命令するほど愚かやない」


 苦笑しながらたしなめた御手洗の言葉に定岡は一応の安心はしたようだが、続けて出てきた方向性は決して穏やかなものではない。


「実行の可否はどうなんだろう?」

「……それは、可能では、ありますが」

「……しかし周辺住民の避難というのは。ちょっと、流石に問題が……」

「避難に関する理由や段取りは切り離して、実行できるのかという話だよ。全てを自衛隊に背負わせるつもりはない。やれるかやれないか。やった場合にどうなるか、そういう話だと思ってくれないか」


 歯切れの悪い幕僚長と防衛官僚に苛立ち、御手洗はモニターに指を突きつけて声を張った。

 御手洗の行動基準として、絶対的なイエスとノーを明らかにすることを重要視しているため、あやふやな答えほど煩わしさと苛立ちを感じる。

 体裁を保つ発言で保険をかけたり立場を守るのであれば、コソコソとしたオンライン会議など行う必要がないとさえ思う。


「そうだよ。なんのための会議なのかを考えたまえ。公言し発布するのは我々なのだから、包み隠さず本音を話してもらわんとね。ねえ、総理!」

「……そういう事だ」


 御手洗は、三枝防衛大臣の言葉尻を肯定する返事をしたが、彼の言葉に全幅の信頼や信用を置いての返事ではない。


 三枝は御手洗と対立する会派の重鎮であり、『自衛隊改編』を謳う御手洗の暴走を止める『刺客』や『鈴』と言ってもいい障害物なのだ。

 が、三枝の立場としてはこの一件が起因して大臣職から外されたり更迭や弾劾を食らっても、失脚とはならないばかりか、辞職の憂き目にあっても次の選挙でまた戻ってこられるだけの地盤がある。


 むしろ御手洗が暴走するように焚き付けて解散や総辞職へと導けば、三枝の所属する党会派が政権を取る可能性を生めるため、こうして御手洗の尻馬に乗ってくる。


 厄介ではあるが、上手く使わなければ別の刺客と入れ替わるだけになってしまうので、安易に切り捨てることもできない。


「…………実は今朝、新造皇居の部隊より新しい情報が入りまして」


 強行しようとする御手洗を定岡が止め、御手洗を煽る三枝の横で口篭る防衛官僚とで堂々巡りを繰り返している最中に、じんわりと幕僚長が口を開いた。

 静かになっていくモニターに向かい御手洗が問う。


「新しい情報だと?」


 完全に静かになってから御手洗が幕僚長に問うた。


「はい。

 一つは地元住民が協力を申し出ているとのこと。

 もう一つは、その協力者らは高橋智明に対抗し得る策があるということ。

 この二点を現場判断で認めた、とのことでして――」


 どこか頼りなげな幕僚長の開示に全員が黙ってしまった。そのせいか幕僚長の声は詰まり気味の早口になってしどろもどろになる。


「――陸幕監部としま、しましては、その決断に至った経緯を追求したのですが、つ、強い意志を持って秘匿しておりまして、司令官の責任において認めた旨を強調するものでありましたから、総理の判断を待つようにと、留保させておる状態でして……」


 御手洗の顔色を伺ってか、尻すぼみに声が小さくなっていく幕僚長に御手洗の表情は尚厳しくなっていく。

 モニターの中では定岡も三枝も防衛官僚も目を伏せたものだから、幕僚長の肩を持ってくれる味方や後ろ盾がないのだから仕方がないのかもしれない。


 そもそも自衛隊の活動に『地元住民の協力』というものが加わる余地はなく、災害救助や地域交流を目的とした行事以外で両者が『交わる』という事は起こり得ない。


 ましてや防衛派遣で出動した自衛隊の『協力』という事は、地元住民が戦闘行為を行うということだから、これを認めることは自衛隊という組織の在り方はおろか法律や倫理すら度外視している。


「おかしな報告だな。陸佐一人をクビにして済む話やないやろ」


 御手洗はカッと爆発しかけた怒りをなんとか飲み込み、怒鳴りつけたい声音を最小限に抑えてそれだけを言った。


『知らない事・聞いていない事・現場の独断』という形で実行させることは容易い。しかし、どんな結果になろうとも司令官一人の責任で収まる行いではない。

 御手洗はもちろん、この場に顔を出している全員の首が飛ぶ。いや、それで済むはずがない。


「……そんな話に許可など出るわけがない。よくここに持ってこれたもんだな。君も、司令官もな!」


 堪えきれずに語尾が大きくなってしまい、彩海が傍らで二歩ほど近寄った気配がして御手洗は手を上げて制した。おののいて体を震わせた幕僚長を見て自分の失敗に気付いたからだ。

 三枝や定岡が真に御手洗の腹心であれば先んじて牽制してくれたのだろうが、そうならなかったという事は御手洗がワンマン経営である証といえる。


「すまない。……なんにせよ、司令官の言う『対抗策』とやらが不明瞭ではとても許せるものではない。例え詳しく説明されても一般人を戦場に立たせるわけにはいかない。申し出てくれた住民にしか成し得ない手段であっても、周辺住民の避難と区域の封鎖・報道管制の徹底・事実の秘匿・公にする建前の準備などなど、超えなければならない段階が山ほどある。ましてやこの会議に参加している全員の首、いや、現行内閣の総辞職まであり得る。寝言どころの話ではないやろ」


 幕僚長ほかモニターに映る参加者と周囲の秘書らに詫びた御手洗だったが、一拍後にはよどみなく正論を羅列した。

 その圧力におされたのか平謝りを始めた防衛官僚を横目に、幕僚長は口を開く。


「……その、総指揮を担っております川口陸佐はそのことも承知の上で、高橋智明の対抗策は現状その一手しかないと申しておりまして。その……申し上げにくいのですが、投入部隊は一度壊滅しており、高橋智明の裁量で復調を見た故、その一手で立ち向かうか退却かの二択なのだと申すのです」


 おずおずと述べた幕僚長の言葉に、全員が疑問符だらけの顔を表した。


「どういう意味かね?」


 三枝大臣が詳細を話すように促すと、幕僚長はハンカチで額の汗を拭いながら答えた。


「詳しい状況は私では伝えきれません。とにかく全滅に近い攻撃を受け、間を開けずに治療を施されて回復を見た、との説明でした」


 御手洗を除く三人は幕僚長の説明を疑ったり戸惑ったりしてマイクに乗らない呟きを漏らしていたが、御手洗は違和感を感じて幕僚長に確かめた。


「ちょっと待て。攻撃を受けて回復したというのは眉唾な報告なのは間違いないし、にわかに信じられるものじゃない。だがその前の『高橋智明の裁量』というのはどういう事だ?」


 御手洗の問いに全員の口が閉じられた。

 先程にもまして額の汗を拭う幕僚長に向けて御手洗が重ねて問う。


「司令官は高橋智明と話したのか?」

「…………その通りでございます」


 皆が固唾をのんで注視する中、幕僚長は申し訳なさそうに認めた。

 これに思わず落胆や嘆きの声が漏れ聞こえる。


 だが御手洗は彼らとは真逆で抑え込んでいた怒りが頂点に達し、打ち震える右拳を自らの太ももに打ち据える。


「――バカがっ!!」


 抑えに抑えた怒声だったがそれでもマイクが拾ってしまったようで、モニターの中の四人がビクリと体を震わせ、彩海が更に一歩詰め寄って「総理」とささやく。


「俺は腹を割って議論をするつもりでオンライン会議を開いているつもりだったが、こうした報告が遠慮がちに後回しになるということは、俺のやり方が正しくなく、覚悟が伝わっていないということやな。肩肘張った言葉遣いを避けて地のまま喋っていても、威張って高圧的に聞こえていたのならこのシステムは失敗や。こんなバカが総理大臣ですまん。申し訳ない」


 モニターの乗った会議テーブルに両手をつき頭を下げた御手洗に、一同は絶句した。

 三枝大臣は目を伏せてネクタイを直し、定岡官房長官は胃のあたりを押さえながらお茶を飲み、防衛官僚は冷や汗を流しながら視線を彷徨わせている。

 傍らに立つ彩海は御手洗の背に触れて謝罪をやめさせようと思ったが、画像と音声が記録されている場では控えざるを得ず、対処に戸惑っている。


 ただ一人、沈痛な面持ちで座している幕僚長がまたおずおずと口を開いた。


「……総理のお覚悟は承知しているつもりでございます。ご報告が遅くなった理由は、私共の矮小な器のせいでございます。恥を恐れ、総理からの叱責を恐れた故でございます。部下の不始末は私の不徳。総理の信頼やお覚悟を裏切った責は、私の首で償わせていただきとうございます」


 モニターの中で深々と頭を下げた幕僚長だったが、ゆっくりと直りながら言葉を継ぐ。


「――ただ、もう一点お伝えしなければならない報告がございます。お聞き願えますでしょうか」

「……聞かせてもらおう」


 御手洗は下げていた頭を上げ、両手を太ももに置いて姿勢を正してモニターの中の幕僚長と向き合う。


「ありがとうございます。まことに不埒と言わざるを得ないのですが、川口陸佐が高橋智明と会談の席に着いた際、彼らは陸佐に『淡路島の独立を目指している』と申したそうです。加えて、御手洗総理とお話がしたいとも」


 先程よりは落ち着いて話している幕僚長だが、内容が内容だけにやはりその目には怯えや遠慮の色が見えた。

 対して御手洗も激高することなく落ち着き、幕僚長が打ち明けた事柄を黙考するようにしばらく瞼を伏せた。


 高橋智明の目的。

 川口陸佐の覚悟。

 御手洗自身の願望と目論見……。

 様々なものが頭の中を駆け巡ったが、ふと大きな食い違いを見つけた。


「……幕僚長。地元住民の協力を受け入れて、再度新造皇居に攻撃をかけるという案は誰が言い出したんだ?」

「司令官を務めております川口陸佐でございます」

「陸佐は双方向に相反する提案をしていることを認識しているのだな?」

「……はい」


 御手洗の確認に幕僚長は別の事を話そうと口を開いたが、何かを飲むように口をつぐみ、端的な肯定の返事だけを返してきた。

 恐らく川口陸佐の置かれた状況を詳しく説こうとしたか、擁護や便宜を図ろうとしたのだろう。

 しかし御手洗の表情や声音からそれらの必要はないと感じ取ったのか、返事のあとにはただジッと一点を見つめて身を固くしている。


「……そうか。ならばその覚悟に答えねばならんな。俺も腹を括る。陸佐の思うようにさせるといい」

「総理!?」

「なんですと!!」

「……ふうむ」


 定岡と防衛官僚が色めき立つ中、三枝大臣だけが様子をうかがうように唸った。


「落ち着け。川口陸佐の判断には色々と含みがあるように思う。

 ただでさえ『超能力者』という報告のあった高橋智明と対面して、何かを感じたんだろう。

 それは単純な攻撃力とか破壊力とか脅威というものだけではないはずだ。そうでなければ総理大臣に会わせろなどという要求は蹴ったはずだ。

 ただ、『地元住民』と協力して再度ぶつかろうとするということは、そこに何かの意味や意図があると思える。

 もちろん日本中からの非難や批判、自衛隊からの退役なども覚悟しての決断だろう。

 そういうものを軽視したり無下に扱うわけにはいくまい」

「しかし、総理――!!」

「俺が自衛隊を退却させても、川口はやる。だから会談の前振りをしてきたんじゃないか? そうだろう、幕僚長?」


 御手洗を諌めようとした定岡を遮り幕僚長に話を振ると、モニターの中で幕僚長は深く頭を下げた。


「恐らくそのつもりだと思います。言葉にこそしておりませんでしたが、陸佐とのやり取りでその意志を強く感じました」


 そう述べた幕僚長の表情からは、川口陸佐と似た覚悟が滲んでおり、定岡は何も言えなくなってしまった。

 と、三枝がテーブルに肘を引っ掛けた姿勢で御手洗に問うた。


「総理も責任を取られる、それでよろしいんですな?」

「構わんよ。このオンライン会議の記録は残るわけだから、後で発言を翻すという事はできないからな。――ただな?」


 椅子の背もたれに身を預けながらこともなげに応じた御手洗は、三枝の表情を見ながら続ける。


「この一件、川口陸佐が高橋智明を囚えるにしても、大敗を喫したにしても、現職の総理大臣の責任どうのこうのなんぞどうでもよくなるような展開になる。

 そんな気がする。

 それでも俺に『責任を取れ』と言えるのならば、俺も男だ、その糾弾には抗わずに応じる。

 ただまあ、この会議は部外秘の取り決めがあるゆえ、三枝先生の会派に解禁していいのは事が終わってからになりますがな」

「う、む。もちろんだ」


 同じ党に所属する議員でありながら派閥や会派が違うことによって生じる足の引っ張り合いを、御手洗は心底下らないと思ってはいるが、政治家や代議士というものが権力や利益を得るための『職業』になった時点で、御手洗の中にある『使命感』を他人に押し付けるのはやめた。

 言い換えれば、『国会』という名の『企業』では社員たちは社長まで上り詰めて利権を手に入れる方法にばかり情熱を燃やしていて、その中でどんなに『正義』や『高邁な思想』を説いても響かない、ということだ。

『利益ある慈善』へとすり替えねば誰もついてこないのだ。

 そこへと向かうためには、三枝のような対立する勢力をこうして封じ込めなければならないこともある。


「罰則のない決め事だが、よろしくお願いする」


 楔を打たれて一気に表情を厳しくした三枝を見やり、御手洗は念押しをして幕僚長へと視線を移す。


「川口陸佐と幕僚長も責任を問われずに済む道はあるかもしれないが、覚悟を鈍らせないためにも今は言及しない。

 それよりも、陸佐のやろうとしていることには支援や、警察や自治体との連携が必要だろう。

 そのあたりを詰めておきたい」

「ありがとうございます」


 また深々と頭を下げた幕僚長は、川口から聞かされていた作戦の要項を上げつらっていった。


 彩海や毅、モニターに映る会議の参加者らに弱みを見せまいと固い表情で聞いている御手洗だが、握りこまれたその両手は力が入らず微かに震えていた。

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