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ただの人形が天才魔術師になるまで  作者: 戸崎猫男
第3章:ダンジョン攻略編〜ただの人形がA級魔術師になるまで~
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第48話 イセカイジン

~リドール視点~


「理想郷ユートピア?」


リアバ…………改め、楽園教一派とリドールを含むメンバーたちは困惑した。

理想郷という新しい言葉に。


ユートピアという新しい大都市に。

その中で、第一声を上げたのは、少女リアバ・ユリアーナだった。


『あの………質問なんですけど』


そして、リドールが質問を中年男性に問いかけた。


「なんだ?」

『ここ……………理想郷ユートピアはワールドマップには載っていないんですけど……………』


ワールドマップ。

それは世界地図のことである。


通常、ワールドマップには世界の全ての場所、その場所の名前が載ってあったり、その地域にはどのような自然災害があるのか、どのような魔物が生息しているのかが載ってある。


だが、ここ理想郷ユートピアはワールドマップには記載されていない。

理想郷ユートピアはトゥアルー迷宮の下層。


つまりトゥアルー迷宮の中に記載されるはずだが、載っていない。

その理由とは……………


「ここへたどり着いた人たちは、誰一人地上へ帰ってこないからだよ」


中年男性の言う通り、ここへたどり着いた人たちが地上へ帰ってこないからである。

なんせ、ここ理想郷ユートピアは夢のような自由の大都市。


こんな場所から帰りたいなんて思う人は滅多にいない。

というか、誰一人いない。


だから、地上へ帰って来て、ワールドマップ制作陣へ新しい場所を発見したことを報告できないのだ。


「…………………地上へ帰る方法はありますか?」


リアバがそう言った。

彼女の言葉に中年男性は疑問を抱いた。


「ああ、別に地上へ帰る方法はあるっちゃあるが、もう帰ってしまうのか?

どうせここへ来たのなら、ゆっくりしていきなよ。

それから帰ったらいいさ。

あ、それともしアンタらが地上へ帰らないってんなら、近くのホテルへ案内するぜ?」


リドールたちは迷った。

地上へ帰るか、理想郷ユートピアでゆっくりするか。


だが、正直彼らは疲労がたまっている。

この疲れをゆっくりして癒したいと彼らは内心で思っている。


「…………………わかりました。

では、ゆっくりさせていただきます」


リアバがそういうと、「わかった」と中年男性は返事をした。

そして、リドールたちは中年男性が案内するホテルへ向かい始めた。


一番先頭に中年男性、続けてリアバ、ウリエ、ライム、リドールの順で並び、進んでいった。


「そういえば、ホ……テルって言葉初めて聞いたんですけど、なんなんですか?」


ウリエがそう中年男性へ質問した。

リドールたちはホテルの存在を知らない。


おそらく、これまで人生で見たこともないのだろう。

そして、これはリドールたちに限ったことではない。


理想郷ユートピアに行ったことがない人間はリドールたちと同様に、ホテルと言う言葉を知らない。

なぜなら、「ホテル」という物は、理想郷ユートピア独自の建物だからだ。


理想郷ユートピアには、昔からこんな言い伝えがある。

その言い伝えとは……………


『それはそれは遠い昔、『リョウマ・ナカムラ』と『エリ=オリス・ブラインド』という人物がいた。

彼らは、迷宮都市ユートピアに突如現れた。

リョウマとエリはそれぞれ話す言語は違ったが、我々には彼らが話す言語がどちらもわからなかった。

そして、リョウマとエリがある程度我々の言語を話せるようになった時、衝撃の事実が判明した。

それは、リョウマとエリが「イセカイジン」だったことだ。

最初、皆はそのことを信じなかったが、彼らが新しい独自の文化を発明していくことで、徐々に信頼を得ていった。

どうやら、リョウマは「二ホン」というところから来ており、エリは「ヨーロッパ」というところから来たと本人たちが発言していた。

そして、いつしかリョウマとエリの活躍により、迷宮都市ユートピアは理想郷ユートピアとなった』


という物である。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

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