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ただの人形が天才魔術師になるまで  作者: 戸崎猫男
第2章:霊園教編〜ただの人形が宗教を潰すまで〜
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第18話 ティータイム

~リドール視点~


「うめぇー!」

「まじそれな!!」


師匠とベーラーさんが笑顔で『リアス』というこの世界では特に美味しいとされる飲み物を飲んでいる。

自分は普通の人形とは違い、人間として生きていかないといけないから見た目は人間、だから口はある。


でも開けれない。

中身は人形だから。


だから、自分は『リアス』を飲めない。

そんな『リアス』を飲まない自分を師匠は不思議そうに見つめた。


「あれ、リドール君は『リアス』を飲まないの?」

「えー!?絶対飲んだ方がいいって!!」


そんなこと言われても………………

ま、言い訳はあるから大丈夫か。


『実は………自分、リアスが苦手なんです』

「そ、そうなのか………………

なんかごめん」

「わ、私もごめんね……………」


え?

なんか謝られた。


やっぱりこの言い訳やめた方がよかったのかな?


「ま、まぁ。

『リアス』が苦手ならしょうがないから、一旦このカフェの外で待っててもらっていいかな?」

『え?は、はい?』

「このカフェは『リアス』専門店だからさ、『リアス』が苦手なリドール君がいても意味がないから外で待っててもらえる?って話」


え………?

おいおいおいおい。


は?

外で待ってろ?


いくらなんでも師匠それはないでしょ!

ふざけんなよ!


……………なんて思いながらも自分はカフェの外で待った。

1分後……2分後…………30分後……………2時間後………………3時間後………………


うん。


遅くね!?

いやいやいや、おかしいでしょ!


なんで3時間もカフェにいるんだよ!

こちとら3時間待ってるんだよ!!


その時、カフェのドアが開いた。

そこから出てきたのは師匠とベーラーさんだった。


『………………師匠』


自分は師匠たちを見て、怒りを抑えられなかった。

この3時間待った怒りを。


「ごめん、ごめん!

実は隣の席に座っていたおばあちゃんがいきなりお腹が痛いって言いだしてさ。

それを解決してたんだよ」

『じゃあ、もしそれが本当だとしたら。

そのおばあちゃんは今、どうなったんですか?』

「今はカフェの保険ルームで寝てるよ」


作り話では……………なさそうだな。

師匠たちは師匠たちで大変だったってことか。


遅いなんて言って申し訳ないな。


「本当にごめんね、リドール君」

「まさか3時間も待たせるなんて思いもしなかったわ」

『こちらこそ、申し訳ございませんでした!』

「「………………?」」


俺の謝罪に師匠とベーラーさんは戸惑った。

おそらく、なぜ謝罪をするのか意味が分からなかったのだろう。


「と、とりあえずはこの町を出る?」

「そ、そうだね」

『は、はい』


自分たちはなんか気まずい感じはしたが、とりあえずこの町を出た。

そしてティータイムは終わった。


ここから、再び霊園教の教会へ向かう旅が始まるのだ。

自分は深呼吸をし、冷静になった。


「じゃあ、リドール君。ベーラーさん。

また旅が始まるけど、本当にこれで休憩は終わりでいい?」

「うん!」

『はい!』


師匠は「よし!」と安心し、前を向いた。


「それでは、行くぞ!」

「おー!」


後、もう少しだ。

もう少しで、霊園教の教会へ着く。


ご主人様を救える!

師匠は地面を踏み出し、歩き出した。


それに続いてベーラーさんも歩き出し、自分も歩き出した。

ここからは本当に油断はできない。


だからこそ、覚悟は決めている。

待っててください、ご主人様。


今、自分たちがご主人様を救い出して見せますから。

だから自分たちを安心して見守っていてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

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