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ただの人形が天才魔術師になるまで  作者: 戸崎猫男
第2章:霊園教編〜ただの人形が宗教を潰すまで〜
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第14話 嘘つき

~リドール視点~


「よ、オリア」


突然自分たちの後ろに表れて、話しかけてきた少女は師匠の名前をなぜか知っていた。


「あ、あなたは!」


師匠は目を白黒させ、驚愕した。

そんな師匠を見て、少女は「はぁ‥‥‥‥」とため息をついた。


「オリアさぁー、私を見てそんなに驚く?」

『師匠、この人と知り合いなんですか?』

「彼女は『べーラー・グリセリント』、『剣聖』という剣を極めた者しか獲得できない称号を持っている者だ。

過去に危険度ランクが天災級の魔物を討伐する時に、彼女とパーティーを組んで討伐したことがある。

おそらく彼女は俺と同等の強さを持つと俺は思っている」


あの師匠と同等の強さを持つって………………そんなに凄い人なのか?

見た感じ14歳くらいの少女にしか見えないが……………


「で、そこのアンタ、オリアの横にいるアンタのことを私は言っているのよ」

『ど、どうされましたか?』

「アンタ誰?それと、アンタなんで《念話》で話しているの?

まるで魔物のようじゃない」


ご主人様が言っていた。

魔物は嫌われている。


過去にご主人様の家があるこの村、『アラウン・フォックス』村で魔物が人型に進化して、住んでいたことがあるらしいが、その魔物は人型だが、中身は魔物ということで、差別を受けていたらしい。


暴言や暴力。時には拷問をされた時もあったらしい。

一部の人は、優しくして接してくれたらしいが、魔物はその地獄のような日々に耐え切れず、自殺をしたらしい。


元々、この『アラウン・フォックス』村は治安が悪い村とされている。

この村で過ごしていくのなら、人形ということを隠し、人間として生きていかなければならない。


と、言っていた。


「確かに、今まで《念話》で喋る人なんだなーと認めていたけど、なんで《念話》で喋るのか気になる」


師匠まで《念話》のことを言ってきた。

まぁ、今まで師匠にも自分が人形であることを言っていなかったから疑問になってもおかしくない。


『自分はオリア師匠の魔術師としての弟子、『リドール』と申します。

なぜ《念話》を通して自分がみなさんと喋っているかと言うと、自分は……………口がないからです!!』

「「……………は?」」

『自分は、生まれつき口がなく、喋れないので仕方なく《念話》で喋っているのです!!』

「ぷっ………ぷははははははは!!

おいオリア!お前面白れぇ弟子持ったもんだな!!」

「いや、口普通にありますよね!?」

『いやいやいや、ないですよ』

「お前、面白れぇな。

確か………………リドールだっけか?

気に入った。

一緒に私も霊園教、ぶっ潰してやるよ!!」


こうして、新たな戦力が加わった。

ご主人様を救える可能性が上がったのだ。


でも、その戦力の加わり方は卑怯だ。

なぜなら自分は、嘘をついて気に入られたから。


自分は、嘘つきだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

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