9.ネア
バタリッ!!
事件は突然起こった。
討伐現場であるエランの南に位置する森林地帯・エラニア地区への移動中、パーティに加入したばかりのネアが突然倒れたのだ。
ネアは白目をむいて地面に横たわっている。
「おいネア、大丈夫か? 具合悪いのか」
反応がない。
「おーい! ネアー! 起きろー! おーい!」
…………
「ネア! まさか死んでないよな? 起きろって!」
「あ、フレイ……さん?」
「気が付いたか。ネア、大丈夫か」
「ボクは大丈……夫。いつもの、こと、だから……」
ネアは頭を地面につけたまま、動こうとしない。頭が重いのだろうか。
少なくとも、大丈夫では済まなさそうなのは確かだ。
「いやお前、どう見ても大丈夫じゃないだろ!
どこが悪いんだ? 病気か」
「いや、ほんとに、なんでもない。いつものことなんだ」
「お前、いつもさっきみたいに倒れるのか」
「うん、外にずっといると……」
「それって病気じゃないのか」
「えっと、お医者さんに診てもらったんだけど、何の異常もないって。
ただ、体が弱いだけだって……」
ネアが何度も倒れているのに何の異常もない、だと?
この世界の医者はどんだけ無能なんだよ。
いやまあ、電気もガスもないこの世界の文明レベルじゃ、医学が未熟なのはわかるけどさ。
こうなったら、俺の現代知識を利用してネアの病気を特定してみるしかないか。
「ネア、前回倒れた時の状況はどうだった」
「前は酒場で冒険者たちと盛り上がってた時に……急に……」
酒場で……か。
もしかしてネアは、興奮すると頭に血が昇って倒れる……とかなのか?
「その前は?」
「たしか夕方に、冒険者達と市場へ買い物に行ったときに……」
夕方の市場?
市場で興奮することは……普通はないか。
市場で興奮するのは、売られている野菜がいつもより安かったり、同じ値段でもサイズが大きかったりすると歓喜に酔いしれる、この俺ぐらいだろう。
あ、俺は変態じゃないんだからね。断じて!
「そのときの市場はどんな感じだった?」
「たしか、いつも通りだったかな。いつも通り混んでて、買い物するのが大変で……」
うーん、となると興奮の線はないか。
――人混みで倒れる?
そういえば、似たようなシチュエーションで人が倒れることなら、日本でもあった気がするぞ。
あれはどこだったっけ。
ああそうだ、学校の朝礼で……たまに、朝礼の途中でバタンッ!って倒れる奴がいるんだよな。
なんで朝礼で倒れるんだっけ。
なんだっけ? えーと。
あ、思い出した! 朝礼で倒れる原因は貧血だ。
つまり、ネアもおそらく貧血なのだろう。
この世界に来て、ようやく役に立ったぞ現代知識!
――って、喜んでる場合か俺。
俺たちはネアと、これから2週間、森でキラーエイプを追い回すんだぞ。
貧血(それも多分重度の)持ちのネアが、2週間もの間、朝から晩まで森をさまよい続けるなんてことできるはずがない!
ってか、なんでこんな奴が討伐に参加してんだよ。
選抜は、魔導士の場合は魔法一回の威力だけで合否が決まるから、持久力ゼロと思われるこいつでも突破できるのはわかるけどさあ。そのことと2週間の討伐をやり切れることは別だろ!
テストで、現場では使い物にならない奴が通ってしまう。これって、日本にも勉強はできるのに実務能力は乏しいエリートが数多く存在するのと同じ現象だよな。
妙に懐かしいこのやるせなさ。
――いや、待て。ネアって、回復魔法を使えたよな?
「おいネア、回復魔法でお前のその倒れる症状を治せないのか」
「無理」
おいおい、ずいぶんキッパリと言うなあ。
てか、無理なんかい! お前、白魔導士やろが!
「本当に無理なのか」
「うん。試してみたこともあるけど、無理だった」
「回復魔法が効かないのか? なんでだ」
「ボクの使う『ヒーリングライト』は、体表の傷を治すものなんだ。だから、病気や毒、それと骨折みたいな体の内側の怪我には効果がないんだ」
「病気を治す魔法はないのか?」
「ボクはそんな魔法は聞いたことがない。あるとしても、呪文の詠唱が必要だと思うから使えないんだ。
魔導書を手に入れるのは難しいからね」
「魔導書?」
「魔導書は、魔法を使うのに必要な呪文が書き記された本なんだけど。ものすごく貴重だから、滅多に手に入らないし、ものすごく高価なんだ」
魔導書、ねえ。
そういえばギルドの受付嬢も、高度な呪文を記した本がある、とか言ってたっけ。
この世界の文明レベルから察するに印刷技術は未発達だろうから、本が貴重というのは納得できる。
「フレイ、いつまで喋ってるの? 置いてかれるわよ!
ネアもそろそろ動けそうだし、早く追いかけないと」
エルの声で、俺ははっとした。
討伐に参加する他の冒険者達は、既にはるか先に行っている。
ここで置いてけぼりを食らったら、高い宿代を払ってまで討伐に参加したのがパーだ。
「ネア、もう歩けるか」
「う~ん、まだちょっとクラクラする、かな」
「わかった。仕方ない、俺の背中に乗れ」
ここで無理にネアを歩かせて、またネアに倒れられたら、討伐参加者一行に本当に追いつけなくなってしまう。
かといって重装備のエルに負担を掛けるわけにもいかないし、やむなく俺はネアを背負うことにした。
……そういえば、つい一昨日、その重装備のエル(推定70~80キロ)を引きずりながら森を2時間彷徨った気がするんですけど。
あの俺、またお荷物を抱えないといけないんですか?
貧血属性持ちのボクっ娘を背負えるなんて、ロリコン多部ならそれこそ貧血になるほど大量の鼻血を流して喜ぶ状況だろうが、残念ながら俺にそんな趣味はない。少なくとも今のところは、断じてない。
エルを引きずり回して筋肉痛の状態で、昨日さらに8時間歩き続けた俺の体には、これは正直堪える。
ああ、つれえわ…………まあ、鎧のせいで男よりも重いエルと比べれば10倍マシだけど。
********
その後必死で歩き続け、俺たちはようやく討伐現場であるエラニアの森林地帯の入り口に到着した。
目の前には高い木々がそびえ立ち、薄暗い空間が広がっている。
エルによれば、日の傾きから推定してエランを出て2時間ほどしか経ってないそうだが、体感的には丸1日歩いた気分だ。
手足が筋肉痛の状態で、ネアを背負って歩くのは滅茶苦茶しんどかった。
これも、オーク討伐の帰りにエルを街まで引きずったせいだ!
「我々はここで解散し、これからはパーティ毎の行動とする。
これから2週間、お前らにはここを拠点として活動してもらう。野営に必要な道具は、ここに置いてあるから自由に使え。
そして、ここには必ず日没前に戻ること。日暮れとともに、我々がここで各パーティの討伐実績を計上する。質問はあるか」
「日没までに戻らなかった場合はどうなる?」
冒険者の一人が訊ねる。
「我々は日没後にはエランへ戻る。日没までに戻らなかったら討伐実績はないものと思え」
おいおい、日暮れまでに戻れなければ一発アウトなのかよ。厳しいなあ。
まあ、討伐状況を管理するお偉いさん方は、お役所的な勤務形態ってのは察しが付くけど。
「ほかに質問はないな?
それでは討伐を開始しろ。まあ、今日はもう時間はほとんどないがな。では、お前たちの武運を祈る」
は、始まっちゃったよ討伐。
ネアを歩かせたらまた倒れそうだから正直連れ回したくないんだけど、どうすればいいのコレ。
かといってこれ以上こいつを背負うのもうんざりだし、ここで日暮れまで休んでてくれないかな。
「ネア、お前はここで休んでろ」
「ボクもそうしたいけど、それは無理だよ」
「どうしてだ」
「ここで休んだら、今日の討伐に参加していないものと扱われるんだ」
「そうは言ってもお前、これから討伐ができる状態じゃないだろ。休んでろよ」
「でも、討伐に参加しないと基本報酬がもらえなくなるんだ」
当たり前のことだが、拠点で休んでいる冒険者は、その日の討伐に参加していないものとして扱われる。
そして、この討伐の報酬体系は、基本報酬が1日50G、成果報酬がエイプ1匹10G。
つまり、討伐に参加していさえすれば、たとえ戦果0匹でも、確実に50Gはもらえる。
逆に、討伐不参加だと見なされれば基本報酬はゼロ。
攻撃魔法が使えないネアにとって、それは収入ゼロを意味するのだ。
そんなわけだから、ネアが無理にでも森に潜ろうとするのは納得だ。
もし俺がネアと同じ立場なら、間違いなくそうする。
だが、俺はネアの保護者でなければ、ボランティア(俺はタダ働きを意味するコレが大っ嫌いだ)でもない。
ネアの収入を確保するために、足手まといのパーティメンバーを連れ回す義理など俺にはないのだ。
「ネア、正直に言わせてもらう。
お前の報酬以前に、お前はいつまた倒れるかもわからないだろ?」
「それはそうだけど……」
「俺に、倒れたお前の面倒を見る義理はない。
それに、もし倒れた時に近くに魔物がいたら、お前はなす術なく魔物に殺されるかもしれないんだぞ?」
「でも、収入が……」
「討伐期間中は、支給されている食料もあるから食事には困らないだろ。
お前は命とカネ、どっちが大事なんだ?」
あ、この台詞、特大ブーメランだわ。
これは、つい先日死にかけてまでオークを討伐した奴が言っていい台詞ではない。
「うう……」
俺に正論をぶつけられて、ネアは涙目だ。
見かねたエルが助け舟を出す。
「フレイ、連れて行ってあげなさいよ。ネアを置いていくってことは、ネアは2週間ずっとここで私たちを待ち続けるってことでしょ」
「まあ、そうなるな」
「それに、いくら討伐中は食べ物があるとはいっても、討伐の報酬がゼロじゃ、ネアが生きていけないわ。
ただでさえ収入が安定しない冒険者なのに、収入ゼロなんてあんまりじゃない」
うわあ、こいつもブーメラン使いだ。
おいエル……魔物を倒せないせいでついこないだまで収入はほぼゼロで、家でただ飯を食わせてもらっていたお前が、それを言うか。
「でもネアが倒れたときに敵が近くにいた場合、倒れたネアが攻撃されたらそれこそ命取りなんだぞ?」
「そもそも、そんな状況にはならないわよ。
それに、もしそうなったらフレイが守ってあげればいいだけじゃない。
オークすら一人で討伐できるフレイなら大丈夫でしょ」
そうだ、エルの中ではそういう設定なんだっけ。
俺は超強いから、足手まといが一人いても大丈夫!ってか。
こんなことなら、恥をかくことと俺の無謀さを責め立てられること覚悟で、エルの『俺がオークを余裕で倒した』という誤解を解いておけば良かった!
これは反論に困るな。
今更「いや~、やっぱりオークは強敵でしたね」なんて言っても、ネアを置いていくための詭弁にしか聞こえないし。
「でも、万が一、ってことは……あるだろ?」
「中級冒険者でも2~3人がかりのオークを一人で倒せる人に、キラーエイプごときじゃ万が一なんてないわ」
「いやでも、相手はキラーエイプだぞ? ほら、名前に「キラー」って入ってるぐらいだし、たぶん人を殺す魔物だぞ」
「キラーエイプはフレイの敵じゃないわ。
突進してくるオークと違って、木の上から飛び降りて襲ってくるだけの魔物よ」
木から降下して襲ってくるって……普通に強くない?
「確かに、エイプが木から降りてこないと攻撃できないから、物理攻撃メインのパーティにとっては厄介な相手よ。
でも魔法攻撃ができるフレイなら敵じゃないわ。奴らは鈍いから、木の上にいる奴らを見つけ次第、遠くから仕留めれば良いだけよ」
なるほどなあ……俺にとっては猿を遠くから焼き殺すだけの簡単なお仕事ってわけね。
足手まといがいようが問題ないぐらいに。
でも俺は慈善事業をしているわけじゃないんだ。
いくらネアが戦闘に影響なかろうが、倒れたネアを背負って森をさまようなんて願い下げだ。
だって疲れるし?
まあロリコン・オブ・ザ・ワールドの多部なら喜んで一日中ネアを背負ってそうだけど!
「俺はネアの親でもなければ、君子でもない。
なんで俺がネアの収入を心配しなければならないんだ?」
「だってかわいそうじゃない。
フレイが少し気を使ってあげれば良いだけよ」
「でも俺はこれ以上ネアを背負いたくはない。
一昨日はお前を引きずり、昨日は半日以上歩き続けたせいで、俺の足はもう限界だ!」
「ネアの懐が限界に達して、ネアが借金する羽目になるよりはいいわ。
借金は絶対しちゃ駄目って言ったのは他でもないフレイじゃない」
ぐぬぬ……エルの自己破産を抑止するために良かれと思って諭した『借金ダメ絶対』が、こんなところで効いてくるとは……
自爆してどうすんだよ俺……
「それに、フレイは忘れてるようだけど、一応ネアは白魔導士よ。
負傷したら治してもらえるじゃない」
――ねえ、ちょっと突っ込んでいい?
お前も『一応』とか付けてる時点で、ネアがほとんど役に立たないことを肯定してるやんけ。
ネアがかわいそうと言うのなら、ネアの前でそんな『ネアは役立たず宣言』するのはやめてやれよ……
「敵から攻撃を受ける前に倒れる白魔導士なんて役に立たん!
そんなにネアを連れていきたいなら、倒れた時にはお前が背負え」
「フレイ、剣と鎧を装備して移動ことが、どれほどの重労働かわかってるの?
まして、今回の討伐は歩きづらい森で行うのよ。私には人を背負って移動するなんて無理よ」
重装備で森を移動するのはただでさえきつい。
マルス東の森の芋虫の討伐のときでさえ、エルはまともに戦闘もしていないのに、ギルドに帰った時にはヘトヘトだった。
まして、今回の討伐では朝から晩まで森を歩き回る。
一人でも相当の体力を消耗することに間違いはなく、まして誰かを背負う余裕なんてあるわけがない。
でも、森で体力を消耗するのは俺も同じだ。
「じゃあ仕方ない。お前が報酬の一部をネアに分けてやればいい。
お前の懐は痛むが、ネアの収入は確保できるだろ」
「それじゃ私の収入がなくなるじゃない!」
「それはお前の問題だろ? 俺の知ったことじゃない」
「それを言ったら私だって、フレイの収入が減ろうがどうでもいいわ。
あんたの方が討伐で稼げるんだから、フレイが分けてあげなさいよ」
ともかく、ネアにエルの報酬を分けさせるという方法も使えない、と……
でも、俺はそれでも嫌なものは嫌だからな!
「何度でも言おう。俺は聖人ではない。
よって自分を犠牲にしてまで、ネアを連れていくことはできない!」
「ぐすん、フレイさん……邪魔者でごめんなさい、でも……お金がないと、ボクは生きていけないんですぅ……」
泣いているネアを見ると、少しだけ哀れに思えてくる。
だがいかなる場合であれ、嫌なことにはちゃんとノーと言える人間でありたいと、俺は思う。
いや正直言うと、幼女を泣かせたことに対する一種の背徳感で、ちょっと危なかったが……
しかし、子供専用の交渉用最終兵器・泣き脅しは、俺以外の人物にも効果を発揮していた。
そう、俺の隣で顔をほころばせるエルに。
「うう……ネア、かわいそうに……」
エルのネアへの哀れみが俺への怒りに変換されるのに、そう時間はかからなかった。
「フレイ、かわいそうじゃない!
なんとかしなさいよ!!」
「そう言われてもな……
足は限界だし、俺の報酬は俺の……」
ただでさえひどい筋肉痛なのに、ネアを連れて行ってしまいには背負う羽目になるのはお断りだ。
かといって、エルのかわりにネアに報酬を分けてやるのは……絶対にごめんだ!
そんなことしたら、俺の報酬が減ってしまう!
俺は寄付という言葉も大嫌いだ。
だいいち、相互扶助は大切、ボランティア推進!と叫んでおきながら、政治家も経営者も自分の利益最優先じゃないか。そんなに人助けが尊いなら、選挙や決算に明け暮れてないで、アフリカにでも行くがいい。
「何よ! ネアを連れて行ってあげれば済む話じゃない!」
「でも足が……」
「フレイには人の心がないの!?」
「そう言われても……」
ぶっちゃけ、冷淡かつ無慈悲な俺の理性ですら、エル・ネア両軍による圧倒的な言葉と涙の暴力により満身創痍だ。
でも、ここで引き下がったら2週間ずっとネアを背負わされることになる。しかも無報酬で!
1日ならまだしも、2週間だよ? 2週間、お荷物を抱え続けるんだよ?
いや、そりゃあさ、ネアはかわいそうだけどさ?
でも、2週間も人の面倒を見てやる必要なんてある??
しかし、エルの機嫌は刻一刻と悪化している!
「フレイ、失望したわ。ただでさえネアは、あんなだから仕事が少ないだろうに……
今回の報酬までゼロだったらネアが飢え死にしちゃうわ!」
いや、エルみたく家族に食わせてもらえばいいだけなのでは?
まあ、ネアさんのご家庭の事情については全く存じ上げませんけど。
しかし、そんなあくまで他人事という俺のスタンスとは裏腹に、エルの怒りは頂点に達しようとしていた!
「フレイ! もしネアをこのまま置いていくって言うなら……」
「――言うなら……?」
「そのときはもう、パーティ解散よ。
幼女を見殺しにする冒険者となんて、パーティは組めないわ!!」
え、パーティ解散?
それに見殺しって……
なんでそうなる。極端すぎないか?
もしこのままパーティを解散したら、俺一人でのクエスト受注が許されない以上、確かに俺はクエストを受けられなくなって困る。
しかし困るのは、魔物を倒せないから他のパーティに入れてもらえないエルも、じゃないのか? 即行追放されたエルを拾ってくれる冒険者なんて、そう見つかるもんじゃない。まったく、一時の情に流されるとは理解に苦しむ。
しかし、エルが本気なのは事実だ。
ここでノーといえば、エルは本当にパーティを離脱するだろう。
今のエルはそれぐらいマジだ。
いやできれば、魔物にもそれぐらい本気で、斬りかかってくれたら助かったんですけどね。
オークとか、オークとか、オークとかに!
「し、仕方ない。ネアを、連れていく……
それで、いいんだろ……」
エルにパーティを離脱され一人になると、俺はクエストを受けられなくなってしまう。
エル離脱後に新たにパーティを組み直すとしても、メンバーが見つかるまでは収入ゼロだ。
というか、そもそも上手いようにメンバーが見つかるかもわからない。
つまりエルのパーティ離脱は、ネアを2週間連れ回すよりも重いペナルティーだ。
ネアを連れ回して痛むのは身体だけだが、エルの離脱は財布に致命傷を与えうる。
というわけで、俺は大人しくネアを連れていくことを選んだのだった。
既に筋肉痛の俺の足が、今後どうなるかと考えると気が重い……
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