4/5
虚無と言い切りゃ
風を掴むように砂が散り
かさついた外連道中
白々しくて笑いも乾く
乾いた笑いが辺りを囲み
仰いだ空はどこまでも遠く
伸ばしても
伸ばしても
遠く遠く
白く遠く触ろうとも触れず
木葉が散り朽ち還り
手にしたとて空っぽで
カラカラと鳴りもせず
空いた底はどこまでも深く
落ちても
落ちても
深く深く
何一つに触れられず
何一つに交わせずに
風も土も
虚無とひと言で済まない
言葉では済まない
言葉すらも掻き消えて
音すらも染み消えて
すり抜けて
遠退いて
名前を教えてください
何かに触れるように
何かが残るように
染みるように聞かせてください