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 ある日、父から言われた話に、茫然となった。下の妹と一緒に、第二王子様であるルーヴェリア様の婚約者を決めるパーティーに出席しろと言われたからだ。

 こげ茶色の髪に、顔立ちは…まあ、綺麗な方だとは思うけれど、色合い的に目を引く色じゃないから、見染められる可能性なんか低いとは思うけれど。一応、そういう所に出ても問題ないように、淑女たるものダンスや所作なんかは勉強させられてますけれども。でも、こう、王子とか王宮とかそんなの無理…今までそういうものから逃げていたからっていう理由もあるけれど、これは逃げられない…

 しかも…


「いい事!?くれぐれも、お前は目立つんじゃありませんよ!ケニアがルーヴェリア様を射止めるんですからね!?」


 と、三女の母に言われたから、余計に嫌…爵位的には公爵だけれど、王太子様の婚約者になるには歳がまだ幼く…と言っても王太子様とルーヴェリア様は1歳しか違いは無いんですけれど多少はねっていう所みたい。三男のスタンフォード様は11歳とケニアが年上になってしまう為難しい。姉さん女房と言うのは王族に限りないらしい。だから…魔力がなくても王族であるルーヴェリア様と縁を結びたいと息巻いているのだ。あ。妹の年齢?私の一つ下で14歳ですよ。

 ちなみに、もう亡くなっていますが私の母と、この三女の母は余り仲がよろしくないというか…一方的に私の母を毛嫌いしてました。まあ、第一婦人であり、長男と三女の母であるこの人から見れば、分からないでもないけれど。他にも婦人、いるけれど、みな同じようにされていますしね。

 で、まあ…なんというか、長男はまともなんですが、この三女がまあ、脳内花畑というか…あれ。いわゆる乙女ゲームに出てくるような、ヒロインっぽいというか。いや、ヒロインよりひどいから、比べたら悪いか。礼儀作法やダンスはなんとか及第点。ドレス選びは、父が手を加えているからまだ何とかなるけれど…子供っぽいというか、宝石をちりばめたいらしく、目に痛い。アクセサリーも始終そんな感じなので、ちぐはぐになりやすい。公爵だし、領地も潤っている方だからそういうドレスも作れるけれど…なんていうか、成金っぽくて失敗しているというか。

 あとは、マナーもちょっと…親の地位があるからまだ何とかなっているけれど、いつかヘマをやらかすんじゃないかと思っている。


 と、まあ…そんな心配をしていたけれど、目立つなと言われていることだし、ドレスは好きなように作れたから、ひっそりと過ごしてました。王子様の目につかない場所取りをして、壁とお友達になって。だというのに、どうしてこんなことになったのだろう。


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