表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/107

第67話 【雷神】

 

 ジャックさんのところでおこなった、短期集中特別トレーニングの成果もあり、俺はバカほど成長出来た。

 『ハンマー使い』とかいう誰も知らんようなマイナー職業から、『トール』というおそらく誰も知らないが凄そうな職業へとクラスチェンジを果たし、立派な冒険者となった俺は、B級冒険者になるべく選挙の結果を待つ。


 その結果が出るまでの間に、ステータスなどを確認する。


 ________________


 羽山健人ステータス

 Lv.52


【体力:240,000】

【魔力:106,000】

【攻撃力:23,000】

【防御力:56,000】

【俊敏:30,000】

【ラック:2,000】

【状態:リジェネ】

【状態:運試(サイコロ)

【状態:セットアップ】

【状態:神通力】

【状態:奮迅】

【状態:霊感】

 ________________


 わぁ。こんなに強くなっているなんてー!

 【奮迅】というスキルは自分の体力が満タンの状態で有ればステータスが上昇するスキルで、【霊感】というスキルは観察力が優れるというスキル。

 純粋なステータスの向上も凄いが、あり得ないぐらいの様々な称号とスキルをゲットしたのも凄い。強化合宿成功だ。

 しかし、あまりにも多すぎて一つ一つ確認するのもアレなので、気になった物を見てみる。


 【雷神】。『トール』になったことで手に入れた称号で、着いてきたスキルは【天候(ウェザー)】という発動スキル。

 これを使うとストームのように天候を変え、嵐にする事が出来るのだ。嵐を起こす男だ。おいらは。

 人間というよりも神に近づいてしまっているが、俺はどこまで行くのだろうか?


 他にちょっと気になるスキルとしては、『ファーマー』で獲得した、【種蒔き】【耕し】【肥やし】【剪定】。この辺りの農業関係のスキル。

 僅かに家庭菜園に興味があるのだ。隠居したら山で畑でも耕そうかな?スローライフな感じで。

 『剣士』で獲得したスキルはほとんどが剣を使わなければ意味がないもの、そして、単純なステータス上昇の為のもの。

 『黒魔術師』で獲得したスキルには今の状態でも使える物はあるが、『トール』はあまり魔力の高い職業じゃないので、意味があるかは分からない。

 『ハンマー使い』の最後の方に手に入れた【工作(クリエイト)】という、材料が有ればテーブルや家などを作れるようになるスキルは面白そうだが、使い道が……これで自分の家作ろうかな。


「お疲れ様ですので。何をしてるのですか?」

「あ、ステータス見てました。じっくり見る暇もあんまりなかったので」

「そうですか。それにしてもパワーアップされましたよね?信じられないです。正直」


 話しかけてきたのはアーローさん。俺のステータスの向上は計り知れない。というか、まだ冒険者になって1年も経っていないのに、こんなに強くなってしまって良いのだろうか。


「そろそろ結果が出ますよ。まぁ、受かっているとは思うので」

「山の話なんですけど、ちょっと今いいですか?」

「はい?なんですか?」

「建築ってまだ進んでないですよね?実はこんなスキル手に入れちゃって」


 そう言って俺は【工作(クリエイト)】のスキル説明をアーローさんに見せる。これだけでも言いたい事は伝わるはずだ。


「これはどういう事ですか?自分で家を建てるって事ですか?」

「そうなりますかね?材料だけ集めてもらえればそれで」

「分かりました。先方にもそのように連絡しておきますので」


 なんとなく自分が変な事を言っているのは自覚しているが、アーローさんはもはやそれに慣れてしまっていて、大きなリアクションを示さなくなってしまった。

 まぁ、人は変化するっていう事ですかね。様々な状況に合わせて変化していくのでしょう。


「結果出たみたいですよ。見事当選ですので」

「万歳ですね。それは」

「これでB級冒険者ですか。本当にペースが早いですので」


 淡々と当選している。昔の、選挙発表の時に俺がダンジョンに行ってて、それでめちゃくちゃパニックになるみたいな出来事が嘘のようです。

 あれから俺も反省して、一応事務所にはいるようにしているけど、今度の昇級はどっかに行っちゃおうかな?なんとなく。


「こちらにサインを」

「書類ってどこから出てきてるんですか?」

「ダンジョンと同じような理屈ですので。あそこのパソコンからビャーッて出てきます」

「ビャーッて?」

「はい。ビャーッ」


 アーローさんの珍しい擬音を聞きながら、俺は書類にサインをした。するといつものようにスマホがピコン!ってなる。


『称号を獲得しました!スキルを解放する為にメールを開き、添付されたURLのサイトにアクセスしてください!』


 ________________



【エリート冒険者】の称号を得ました!

 おめでとうございます!


 ________________ 


 エリート。この前は【上級冒険者】だっけ?ていうか、この前の冒険で称号とか貰いすぎてもはやあんまり興味ないんだよな。使えるスキルだったら嬉しいけど、これ以上強くなる必要があるのかは不明だしな。


 ________________ 


 〈発動スキル【()】〉

 [スキルを解放しますか?]

 《はい/いいえ》

 ________________


 なんだこのスキルは?とっても不思議なスキルを手に入れて困惑したので、いつものようにアーローさんに聞いてみる。


「これな」

「それはダンジョンの宝箱が全て開けられるようになるというスキルですので。しかし、貴方にはもはや関係なさそうですね」

「そうですか?そんな事も無さそうですけど」

「ダンジョンにある物は全て売っていますので。貴方今所持金は?」


 そう言われて、所持金をちゃんと確認してない事を思い出す。ダンジョンの周回でとんでもないくらいに儲かったのは覚えてるけど。


『所持金:55,063,000』


「あれ?なんでこんなに?」

「この前のエテルの報酬が入ってきましたので。他にも様々な収入が最近入りましたからね」

「えー、めちゃくちゃお金持ちだ。え、しかも山?」

「山もプレゼントですので。お金に困る事はもうないと思いますよ」


 こんなに恵まれた環境にいるのか。えー、まだ全然働いていない。いや、仕事自体は凄いしてるんだけど、1年も働いていない段階で五千万の貯金が出来るって。このままのペースで行ったらどんだけお金持ちになるんだ?


「貴方はエースなので」

「そうですか……あのー、話変わっちゃうんですけどこの間のトリガーラッキーさんの案ってどうなりそうですか?」

「いきなり話が変わりましたね。どうやら順調に進んでいるそうですよ。このままいけば可決されるそうですので」

「なるほど」


 考えてみれば、俺はいつかトリガーラッキーさんにちゃんとした恩返しをする必要があるかもしれん。ただ、あの人が何を求めているのか、それは俺にも分からん。

 そもそも、どうしてこんな案を言い出したのだろう。そこまで召喚獣に興味があるとは思えないし、単純に合理性からそうしただけなのか?


「トリガーラッキーさんってどんな人なんですか?趣味とかあります?」

「私にも分からないので。ただ、おそらく貴方が思っているよりは人間味ある人ですよ」

「そうなんですか?ホントに?」

「そもそも、《運命》を手に入れる前は普通の人だったので。なので、普通の感覚もあります。普通に」

「誕生日とかって……」

「もう過ぎてますので。でも、今からでもおかしくはないかもしれませんね」

「分かりました……なるほど」


 決まりだ。どうやら俺はトリガーラッキーさんに誕生日プレゼントを贈るようだ。これぐらいしかない、てか、されっぱなしだとなんか変な感じだ。

 というわけでプレゼントを探す事になってしまったが、何を買えば良いのか分からなくて困惑してしまった。うーん、どうしよう。


読んでいただきありがとうございました!!

何かトラブルが起こらない限りは毎日投稿をしていこうと思っているので、次話もよろしくお願いします!18時頃更新予定ですよ!

ランキングに乗りたいのでブックマークや評価などしていただけると嬉しいです!他の人に広めてもらえたりなども嬉しいです!


ブックマークや評価等とても嬉しいです!ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ