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第65話 ガシャドクロ

 

 『ハンマー使い』のレベルが70まで上がった頃、ジャックさんからとある提案をされる。ここのボスを倒しに行こうという提案だ。


「そろそろボスを倒せるようになったかもな。行ってみるか」

「ガシャドクロでしたっけ?」

「そう。効率も悪くなってきただろ。ボスモンスターは倒した後に2時間姿を消す。倒すなら早い方が良い」

「S級ダンジョンなんですよね?ここって」

「問題ない。ガシャドクロは動きが鈍い。ただ攻撃力が高いだけのボスだ。それだけ走れるんだったら問題なく討伐出来るはずさ」


 それって、ミスったら一発KOみたいな話ですかね。当たらなければ問題ない。そういう事ですか?


「出発前に少し休むか。その必要がありそうだしな」

「「はい!!」」「「はい!」」


 おそらくメイルさんの様子を心配してそんな事を言っているのだろう。

 彼女はずっと走り続けている事で疲労が溜まっているのか、時々転んでしまっている。

 足場もあんまり良くないし、俺も転びそうになる事はあったけど、ドテンッと転ぶ前に体勢を立て直せたり出来ている。それが出来ないほどの疲労だ。いやぁ、大変そう。


「ふぅ、疲れたー」


 みんなからは少し離れた場所に移動して、召喚獣のみんなとちょっとだけ会話をする。1番最初に転移(テレポート)で来た場所は敵が現れないらしいので、安心してゆったりする。


「大変そうだな!羽山健人!」

「そこまでじゃないよ。ただ、途方もないなぁ。とは思っている」

「だねー!でもトールって凄いよー!凄い神様だからねー?」

「なるほどなるほど」


 うーん、ローズと会話をするにはどうすれば良いんだろ?みんなが喋ってる時はあんまり喋らないから、結構話すタイミングが難しい。

 やっぱり山買ってそこの中でみんなを自由にさせるのが1番良いかな。でも、アルダードは火事になっちゃうみたいな話してたし。ちょっとメイルさんとかに聞いて……アーローさんにしとくか。


『お疲れ様です。いきなりで申し訳ないんですけど、山の件ってどうなってますか?』

『返事が遅れて申し訳ありません。もう大分進んでますよ。いつでも見にいける状態になってます。こちらからも書類にサインする必要がある旨を伝えようとしていたので』

『この冒険から帰ったらサインします。でも、今休憩中なので今来てくれればサイン出来ますよ』

『すぐ行ってすぐ帰ります。待っててください』


 行動力あるな。感心していると近くに青白い光が現れて、そこにアーローさんが現れる。便利だなぁ、この能力。


「お疲れ様ですね。こちらにサインを」

「ありがとうございます。お金とかって?」

「トリガーラッキーさんからのプレゼントですので。有り難く受け取ってください」

「え!?ホントに?」

「そうなので。あ、後、建物も……」

「それも進めます。こちらにもサインを」


 神だな。俺はS級冒険者を目指しているけど、アーローさんはもうすでにS級秘書ですね。そんな称号はこの世界にはないから目立たないけど、相当なスキルだ。


「それでは帰りますので。家の要望等があったら教えてください。私を介して向こうと連絡を取りますので」

「ありがとうございます。めちゃくちゃデカい、防火性が高い家だったらなんでも良いです。後雨風にも強い」

「伝えておきます。細かいところは良いですか?」

「細かいところは、まぁ、そんなに気にはしてないですね」

「分かりました」


 そう言ったアーローさんはまた転移(テレポート)をして、このダンジョンから街へと帰っていった。

 突拍子もない現実すぎて、夢かとも思ってしまう。さっきまでアーローさんがこの近くにいただなんて。


「休憩はもう終わりでいいか。十分休めただろう」

「「「はい!!」」」「はい」

「辛いか。メイル」

「……まだ出来ます」

「誰でも最初はそうだ!!苦痛を乗り越えるんだ!!そうして強くなっていくしかない!!それ以外に道はない!!今のお前はまるでダメだ!諦めるようなヤツは要らない!!」


 いきなり大きな声を上げて、身振り手振りの大きな感じでそう言ったジャックには、S級冒険者の影を見た。やっぱり変な人じゃないと無理なんじゃないか、S級って。


「お前には期待している。分かってくれるか?」

「わ、分かりました!!ジャックさん!!」

「ジャックで良い。行くぞ!!返事は良いか!!」

「「「「はい!!!」」」」

「返事!!」

「「「「はい!!!!」」」」「はい!」


 怖くなってキター。やっときた!やっとジャックさんのS級冒険者っぽいとこ見れてるよ!なんだんだよ結局S級冒険者って。

 変人であればあるほど上位に食い込める制度ってなに?そしてそれがそこそこの権力を持ってるってもっとなに?

 俺がS級冒険者になったら取り返しも付かないような失敗して、この制度を終わらせてやる。ソルドよりももっとめちゃくちゃな事をするんだ。

 危険な思想に染まりそうになりつつも、俺たちはやっぱり走る。道中他のモンスターなどを倒しながら、この場所のまだ未開の地へと足を進める。


「そういえば、このダンジョンの名前ってなんですか?」

「ここは『地獄』だ。いかにもな名前だろ?」

「まぁ、確かに。どう見ても地獄ですね。なんか向こうの方に血の川が流れてますし」

「しかし恐るには足らんぞ。見掛け倒しだ」


 ジャックさんにとってはそうなんだろう。

 俺たちが進み続けていると、さっきまでの地獄のような景色からはうって変わって、集落のような場所へとたどり着いた。

 その場所をコソコソとバレないようにコッソリと通り抜けた先には、巨大な山がある。そして、その山頂からはドクロが顔を覗かせていた。


「あれがガシャドクロだ。倒す為にはもう少し近づく必要がある」

「この山に登るんですか?」

「これも見掛け倒しだ。単なる目の錯覚」

「どういう?」

「まるで山のように見えるかもしれないが、これは丘だ。多少走ればすぐに目的地に着く。そもそもここはダンジョンだ。クリア出来るように作られている」

「なるほど」


 変に納得しながらその目的へと進む。うーん、本当に倒せるのかは不明だが、まぁ、別に負ける事はないだろうし、時間がかかっても倒せはするはずだ。

 みんながどうかは知らないけど、ダンジョンで、ボスとタイマンで、時間が無制限で、ていう条件が整っているのであれば俺は勝てる。


「さてこれから戦いだ」

「「「はい!!!」」」「はい!」

「行くぞ!!」

「「「はい!!!」」」「はい」


 やる気のないような返事で応える。こういう体育会系のノリは好きじゃない。


読んでいただきありがとうございました!!

何かトラブルが起こらない限りは毎日投稿をしていこうと思っているので、次話もよろしくお願いします!18時頃更新予定ですよ!

ランキングに乗りたいのでブックマークや評価などしていただけると嬉しいです!他の人に広めてもらえたりなども嬉しいです!


ブックマークや評価等とても嬉しいです!ありがとうございました!

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