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手提げ鞄とこうもり傘  作者: 萩原 學
7/23

十五夜

すっかり涼しくなり雲の1つもなくよく晴れた秋の日

スーツを着て歩くと西日が東へ影を引き伸ばす

忘れ物に気がついたふりをしてふと振り返るとき

足跡もつかない黒いアスファルトに僕の靴が着く


住んできたアパートは今さらのように取り壊しが決まった

だからという訳でもなくクリーニング屋は店を閉めた

検査の結果は悪くはなかったがもう薬を止めることはできない

古くなったものは最早建て替えるしか無いのかもしれない


知らぬ気に満月が蒼く輝いて塔は薄く影を落とす

比べ物にならないが僕にも影は薄く伸びる

高い塔と同じくこの世にあり何れ倒れるべきもの


だから明日も何かを犠牲にしつつきっと1日よく晴れる

でも雨具の用意は今のうちにしなければならない

予想によると秋の日のように台風が近づいている

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