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手提げ鞄とこうもり傘  作者: 萩原 學
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光陰

粒子加速器と言えば目に見えない荷電粒子を牡のように走らせ

標的に当てて壊れ具合を見るものであったが

近頃のものは男女の仲よろしく此方でも彼方でも加速し

恐ろしい結婚式のようにぶつけ合うという話

もちろん当人は両方ともなくなって

その中身や出来たものを子供のように曝け出すのだという

弾き出された光を見て世界の秘密を探るのだという

思えばあなたも私も宇宙の産物

先日亡くなった伯母とその夫の魂にしても海に沈んだのか天に昇ったのか

宇宙に出てしまえば下がるも上がるも同じではないか

でも日の当たり方で季節が巡ることは換えられない

そんな光の向こうに何があるかは知らずとも

素知らぬ顔で食事を続けるように

今日も陰あれ光あれ

伯母も三葉虫もアノマロカリスも

等しく見たに違いない光を

この世界が解き明かす時は来ないにしても

GAGA#41 2008年4月

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