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手提げ鞄とこうもり傘  作者: 萩原 學
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22/24

耳鳴り

ジージーワシワシツクツクホーシ

今年も蝉が黒々と鳴く

どこからともなくこの暑い

季節に出て来て群れて鳴く


居並ぶ向日葵、顔黒々と

炎よろしく黄焰を上げるも

腹中のイコンもかくやと

遂には鳥もついばむ餌と化すもの


逃げ水見えるも近づけば

またただアスファルトが黒々と

黒い鉄よりなお黒い夏

逃げ出したくなる蝉の合唱


真昼の貴婦人にさらわれるぞと

だから子供は昼の野原に出るなと

昔の大人は顔も黒々と言い聞かせたが

今や大人も苦労したがらず出たがらず


見てはいけない黒い太陽が

白いきざはしに落ちかかる

黒く燃え上がる1日が

にじの赤さに暮れてゆく


水を、水を…

GAGA #91

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