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おはよう
毎朝のように飲み干していた月のしずくが
気がつくとサバクトビバッタのように襲ってきて
慌てて伸ばした手を引っ込めようとしたら
もう半分溶けかかっていたのには大いに焦り
コップに掬って冷蔵庫へ入れておく
日も高くなり僕には時間がない
急いでパンツを履きシャワーを浴び
いや間違えたシャツが張りついて脱げない
まるで一反木綿に巻き込まれた布団の中の人のようだ
そんな事をやっている時間などないというのに
まだ紅茶を飲むためのお湯も沸いていないというのに
虚ろな朝が僕を通り越していく
せめて日向に出ていれば良かったのにと
GAGA84




